(モデル:まお様、sera様、Lat様、あにまさ様、かこみき様、モンテコア様 モーション:菖蒲(あやめ)さま)
この記事はミクさんに巫女さん衣装を着てもらったときの作業メモです。
今回お借りするモデルは以下のものです。
まお様制作(改造)の「Lat式ミクVer2.3ポニテ」
sera様制作(改造)の「古手梨花 Ver0.84」
ちなみにどちらのモデルも元作者さまとは別の方が手を加えたものなので、いろいろと構造が複雑化していると思います。そのうえLat式ミクさんはもともと構造がかなり独特な感じになっています。
それらを組み合わせてお着替えするのですから、いろんな意味でややこしい作業になる覚悟はしておくべきかなーと思います。
なお今回の使用ツールはPmxEditor ver.0.2.2.2です。
それと、前提条件として 「ガチ初心者MMDerのための着せかえ講座」 をひと通り視聴済みであることを想定して話を進めます。
それでは作業を始めます。
◆使用規約の確認◆
- まお様とsera様はもちろんのこと、Lat様、あにまさ様、かこみき様、モンテコア様の使用規約も必ず全て目を通して、今回の作業が規約に違反しないことをよーーく確認します。
◆ミクさんの準備◆
- デスクトップなどお好みの場所に新規フォルダを作ったら、「Lat式ミクVer2.3ポニテ」と「古手梨花 Ver.0.84」内のすべてのファイルを放り込んで作業フォルダとします。ここでは作業フォルダを「ミク巫女さん」とリネームしました。
- PmxEditorを起動して「Lat式ミクVer2.3_Whiteロングポニテ.pmd」を新規で読み込んだら、今回のお着替えに不要な要素を削除していきます。まずは材質からやります。
- PmxViewの小窓:「絞」で頂点/材質マスキングのウィンドウを出したら、画像を参考にして不要な材質のチェックを外して、てきとうな項目上で右クリックして「非表示材質のパーツ削除」をします。
- Pmx編集の「ボーン」タブにて、不要なボーンを削除していきます。残すべきボーンは画像を参考にしてください。
- Pmx編集の「剛体」タブにて、不要な剛体を削除していきます。Lat式ミクさんは剛体やジョイント名の一部が一覧では空白として表示されるものがあるので、そういった項目は改めて名前を入力します。残すべき剛体は画像を参考にしてください。
- 同じように不要なジョイントも削除します。残すべきジョイントは画像を参考にしてください。
- ここでPmx編集の「ファイル」から「名前を付けて保存」しておきます。ここでは「Lat式ミクVer2.3_Whiteロングポニテ あたまー.pmx」としておきました。
- いまのうちに位置調整をしておきます。過程は省略しますが、今回はZ座標を+0.1するといい感じになると思います。
- Pmx編集の「編集」から「プラグイン」→「System」→「位置オフセット」と進んで、「Z:0.1」とします。
- 再び同じ操作を繰り返して、今度は「剛体」以外のチェックを外します。
- Pmx編集の「ファイル」から「名前を付けて保存」しておきます。ここでは「Lat式ミクVer2.3_Whiteロングポニテ あたまーosz010.pmx」としておきました。
◆古手梨花さんの準備◆
- PmxEditorを再起動して「古手梨花 Ver.0.84【巫女】.pmd」を新規で読み込んだら、今回のお着替えに不要な要素を削除していきます。まずは材質からやります。
- PmxViewの小窓:「絞」で頂点/材質マスキングのウィンドウを出したら、画像を参考にして不要な材質のチェックを外して、てきとうな項目上で右クリックして「非表示材質のパーツ削除」をします。
- Pmx編集の「ボーン」タブにて、不要なボーンを削除していきます。削除するべきべきボーンは画像を参考にしてください。
- 同様にPmx編集の「モーフ」タブにて不要なモーフを削除していきます。削除するべきモーフは画像を参考にしてください。
- 剛体も同じように削除してください。削除するべき剛体は画像を参考にしてください。
- ジョイントも同じように削除してください。削除するべきジョイントは画像を参考にしてください。
- ここでPmx編集の「ファイル」から「名前を付けて保存」しておきます。ここでは「古手梨花Ver.0.84【巫女】からだー.pmx」としておきました。
◆合体させてみる◆
- PmxEditorを再起動して「Lat式ミクVer2.3_Whiteロングポニテ あたまーosz010.pmx」を新規で読み込んだら、そのまま続けて「古手梨花 Ver.0.84【巫女】からだー.pmx」を「追加」で読み込みます。
- Pmx編集の「ファイル」から「PMXデータの状態検証」をしてみます。いろんな項目に「X」がついていますが、大部分は元ファイルに存在する「仕様」のようなものなので、そういったものは今回はスルーします。
- あ、このうち「未登録ボーン」については動作に支障をきたすので修正しておきます。ボーン1番と45番が未登録ということなので確認してみると、「センター」と「リボン」でした。これを表示枠に登録してあげます。
- Pmx編集の「表示枠」タブにて、「9:センター」にセンターボーンを、「11:リボン」にリボンボーンを追加します。
- 再び「PMXデータの状態検証」をしてみて、未登録ボーンが「○」になっていることを確認します。
- Pmx編集の「ファイル」から「名前を付けて保存」します。ここでは「ミク巫女さん 合体01.pmx」としました。
◆ボーンの調整◆
- MMDを起動したら「ミク巫女さん 合体01.pmx」を読み込んで、お好きなモーションを流し込んで動作確認してみます。Lat式ミクさんのお着替えは毎回ボーンの調整が必要になりますが、今回はグルーブのボーンがうまく作動していないようです。PmxEditorにもどって確認してみます。
- Pmx編集の「ボーン」タブにて確認したところ、グルーブボーンの親子関係がおかしいようです。
- 一般的には体幹ボーンの親子関係は親から子に向かって、全ての親 → センター → グルーブ → 腰 → 上半身 → 上半身2 → 首 → 頭 → 頭先、みたいなラインと、グルーブ → 下半身 → 下半身先、みたいなラインの2系統から成り立っていると思います。
- 「47:グルーブ」を確認したところ、表示先は本来は「腰」になっているはずですが、今回は「センター先」になっていました。このモデルには腰ボーンが搭載されていないので、この場合グルーブボーンの子は「上半身」にするのが妥当だと思うので、「表示先」に7番の上半身を指定してあげます。
- あれ、「上半身」の文字が赤いです。これは47番のグルーブボーンの子である上半身ボーンは本来48番以降でないといけないのに、それより若い番号(7番)になってしまって不適切なために警告のために赤字になっている状態です。これを解消するためにグルーブボーンを上半身ボーンより上に持っていきます。
- グルーブボーンを選択したら下の方にある「↑」のボタンをクリックしまくって上半身ボーンのひとつ上まで移動させます。
- 同じように「48:上半身2」を上半身ボーンのすぐ下まで移動させます。
- 以後、細かい修正が続きます。まず「1:センター」の表示先を「7:グルーブ」にします。
- 「8:上半身」の親ボーンを「7:グルーブ」に、表示先を「9:上半身2」にします。
- 「9:上半身2」の「2」の文字が全角になっているので、これを半角の「2」にします。あと表示先を「10:首」に変更します。
- 「10:首」の親ボーンを「9:上半身2」にします。
- 「3:下半身」と「6:下半身先」を「7:グルーブ」の下に移動したら、「6:下半身」の親ボーンを「5:グルーブ」にします。
- ひと通り修正が済んだら、PmxViewの小窓:TでTransformViewを出して、各種ボーンを動かしてみて動作確認します。大丈夫そうならPmx編集の「ファイル」から「名前を付けて保存」します。ここでは「ミク巫女さん 合体02.pmx」としました。
◆お肌の色を合わせる◆
- PmxViewの「小窓:絞」で頂点/材質マスキングのウィンドウを出して、ミクさんの顔面と巫女衣装の手足にあたる材質を把握します。ミクさんの顔面は「7:材質13」、巫女衣装の手足は「25:材質20」なのが確認できたので、Pmx編集の「材質」タブにて、それぞれのテクスチャを把握します。
- 顔面のテクスチャは「huku3w.bmp」、手足のテクスチャは「tex_body.tga」なのが確認できました。
- 今回は手足のテクスチャの色を変更して顔面の色に近づけることにするので、まずは「tex_body.tga」をコピペして「tex_body - コピー.tga」を作製したら、「tex_body - ミクさん.tga」とリネームします。
- 画像編集ソフトのGIMPを起動したら「huku3w.bmp」と「tex_body - ミクさん.tga」を読み込んで、それぞれの画像の色味の違いを把握します。ミクさんの顔面は「はだ色」と書いてある箇所の色です。手足の色は顔面とくらべるとかなり健康的というか濃い感じなのを確認したら作業にとりかかります。
- メニューの「色」から「明るさ-コントラスト」に進んだら「明るさ」を最大値(127)にします。
- 次にメニューの「色」から「色相-彩度」に進んで「色相」は -12 、「輝度」は 80 、「彩度」は60 にします。
- いい感じだと思ったら「ファイル」から「tex_body - ミクさん.tga に上書きエクスポート」します。
- PmxEditorにもどったら、テクスチャを変更する前に手足の材質設定を顔面の設定と揃えておきます。
- まずはPmx編集の「材質」タブにて「7:材質13」を観察してミクさんの顔面の材質設定を把握します。
- つぎに「25:材質20」を観察して、「7:材質13」との相違点があれば書き換えて同じ感じにしてあげます。
- 「Tex:」欄のすぐ右にある水色の四角いボタンを押すとTexViewのウィンドウが出現するので、「ファイル」から「テクスチャ読み込み」に進んで「tex_body - ミクさん.tga」を指定してあげます。
- つづいて「ファイル」から「現在のテクスチャへ変更」をすると、ようやく「tex_body - ミクさん.tga」が適用されます。
- PmxViewでいろんな角度から眺めてみて、おかしな箇所がないか確認します。個人的にこのとき手足と衣装のエッジの太さが気になったので、Pmx編集の材質タブにて「17:材質1」から「25:材質20」までを一括で選択してエッジのサイズを 0.5 に設定しました。
- いい感じだと思ったらPmx編集の「ファイル」から「名前を付けて保存」します。ここでは「ミク巫女さん 合体03.pmx」としました。
◆最終調整◆
- Pmx編集の「情報」タブにてお借りしたモデルの情報を書き込みます。
- あとはお好みで衣装や髪の毛の色などを調整したらPmx編集の「ファイル」から「名前を付けて保存」します。ここでは「Lat式ミク巫女さん.pmx」としました。これで作業は完了です。ここまでお疲れさまでした。
◆さいごに◆
- 今回のモデルは和装なので物理演算の観点からみるとすごく複雑な構造になっています。そのため激しい動きをさせるとどう頑張っても破綻してしまいます。なので、もしもそういう感じの動画を投稿する際には、徹底的なモーション修正あるいは物理焼き込みが必須になるかと思います。