(モーション:iriver さま)
今回いただいたコメントは「お着替えさせたpmxファイルをMMDに読み込ませると強制終了しちゃう」というものでしたが、ちょっと原因が特定できなかったので、私の作業手順を記事にすることによって、それを読んでいただいてコメント主さまが、ご自分でされた作業手順との相違点を検証することによって原因が特定できるかも知れないと思ったので、記事を投稿してみます。
ちなみに、私がお着替えpmxをMMDに読み込ませて強制終了をくらっちゃう場合は、十中八九「剛体を削除したのに、それに関連するジョイントを残したまま」というケースですので、もしも同じような現象に悩まされている方がいらっしゃいましたら、まずはそこのあたりを確認してもらうといいと思います。
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というわけで今回は「ヘタリア」(にょたりあ)でおなじみのプロイセン娘さんにショートパンツをはいてもらおうと思います。
使用ツールはPmxEditor ver.0.2.2.2。
プロイセン娘さんはroco様が制作された「roco式プロイセン娘ver1.12」、
ショートパンツはES(嘆きの舞P)様が制作された「縦羽ポリス1.3(ホルスター無」の衣装をお借りしました。
それと、前提条件として 「ガチ初心者MMDerのための着せかえ講座」 をひと通り視聴済みであることを想定して話を進めます。
それでは作業をはじめます。
◆使用規約の確認◆
- roco様、ES(嘆きの舞P)様、おふた方の使用規約をよく読んで、今回の着せ替え作業が規約に違反しないことをよーーく確認します。
◆縦羽さん(ポリス衣装)の準備◆
- PMXEを起動して「縦羽ポリス1.3(ホルスター無.pmx」を新規で読み込んだら、今回のお着替えに不要な要素を削除して行きます。残すべき材質、ボーン、表示枠、剛体、ジョイントは画像を参考にしてください。ちなみに今回はウェイトの関係で「右足」「左足」のボーンを残すので注意してください。
- グラマラスな体型のプロイセン娘さんに対して、縦羽さんはスレンダーな感じなので腰回りのサイズがけっこう違うので、思い切って大型化します。pmx編集の「編集」から「プラグイン」「System」「サイズ変更」と進み、とりあえず 1.15 にします。
- 名前をつけて保存します。(ここでは「縦羽ポリス ショーパンx115.pmx」としました。)
◆プロイセン娘の準備◆
- 「roco式プロイセン娘ver1.12.pmx」を新規で読み込んだら、今回のお着替えに不要な要素を削除して行きます。削除すべき材質、ボーン、剛体、ジョイントは画像を参考にしてください。
- 名前をつけて保存します。(ここでは「roco式プロイセン娘 ショーパン準備.pmx」としました。)
◆とりあえず合体◆
- 「roco式プロイセン娘 ショーパン準備.pmx」を新規で読み込んだら、すぐさま「縦羽ポリス ショーパンx115.pmx」を「追加」で読み込みます。(この画像以降、一部お見せできない箇所に加工を施してあります。)
- PmxViewの小窓:「絞」で頂点/材質マスキングのウィンドウを出したら、「材質」を選択してから「16:SP」「17:ベルト」にチェックを入れて「反」のボタンをクリックします。
- ショートパンツ全体を選択したら小窓:「動」でオブジェクト操作のウィンドウを出して、「選択オブジェクトの記憶」にある「MS」の「1」をクリックして、いま選択した頂点たちを記憶させます。
- 頂点/材質マスキングで「全表示」にしたら、オブジェクト操作の「移動」の下にある「Y」ボタンを下に向かってドラッグして、ショートパンツをあるべき位置まで移動させます。
- 見やすくするために「7:コート」のチェックを外してから色んな角度から眺めてみます。ショートパンツはちょっと幅が広すぎて、ちょっと奥行きが足りなくて、あと角度はもっと前のめりにしたほうがいいなーと思いました。
◆ショートパンツの調整◆
- まずは横幅をすこし縮めます。オブジェクト操作の「選択オブジェクトの記憶」のところにある「MR」の「1」をクリックすると、さっきの選択範囲が復活します。
- キーボードの Ctrl キーを押しながら「スケール」の「X」を左方向にドラッグするとショートパンツの横幅が縮むので、いい感じになるように調整します。(Ctrl キーを押しながらだと微細な調整がやりやすくなります。今回の作業ではこれ以降の工程でも基本的にはCtrlを押しながらやったほうが作業しやすいと思います。)
- つぎに角度を前のめりにします。PmxViewの視線を横向きにしたら、「回転」の「X」を上方向にドラッグすれば前のめりになるので、いい感じになるように調整します。このときショートパンツの位置がズレますけど、あとで調整すればいいので今は角度だけを気にすればOKです。
- 後ろから見ると、ショートパンツの奥行きが足りないようなので伸ばします。「スケール」の「Z」を右方向にドラッグすれば奥行きが伸びるので、いい感じになるように調整します。
- ふたたび前から見てみると、下着のヒモ部分が見切れています。ショートパンツがローライズすぎなのかな?と思ったのですこし伸ばします。「スケール」の「Y」を上方向にドラッグすればショートパンツの丈が伸びるので、いい感じになるように調整します。
- 後ろから見てみると、おしりの部分の中身がはみ出しちゃっています。本来はショートパンツの頂点操作でちゃんと調整するべきですが、解説がめんどくさいので今回はこの部分はとりあえず削除することにします。
- 頂点/材質マスキングで「11:レース」だけを表示させたらPmxViewの「mode」を「wire+」にします。
- おおざっぱに下着の下半分ほどを範囲選択したら、キーボードの Shift + Delete を押して削除します。
- 頂点/材質マスキングで「0:肌」「16:SP」にもチェックを入れて、いろんな角度から眺めてみます。大丈夫そうな感じだけど、なんだかショートパンツ前方のベルトのあたりが前のめりになりすぎじゃない?という印象を受けました。
- 頂点/材質マスキングで「16:SP」「17:ベルト」だけを表示させて、PmxViewの視点を後ろ上方からにします。(ショートパンツモデルのうしろに立った人間からの視点みたいな感じです。この画像だとちょっと分かりづらいかも知れません。左側の画像の赤線で囲っていってる部分はベルトのバックルがあるあたりを裏側から見てる感じです。)
- 画像を参考にしてベルトやバックルのあたりを範囲選択します。
- いろんな角度から眺めてみて、余計なところまで選択されてないか確認します。あ、まんなかの頂点を選択しちゃってるようです。キーボードの Ctrl キーを押しながらマウスをドラッグして囲んであげれば選択解除できます。
- 選択範囲がいい感じだと思ったら小窓:「動」でオブジェクト操作のウィンドウを出して「選択オブジェクトの記憶」にある「MS」の「2」をクリックして、いま選択した頂点たちを一応記憶させます。
- 頂点/材質マスキングで「0:肌」も表示させてPmxViewの表示をいつもの感じにもどすと操作がわかりやすくなります。
- 「回転」の「X」を下方向にドラッグすれば前のめり具合が緩和されるので、いい感じになるように調整します。
- 角度を直したら、つぎはもうちょっと体にくっつけたいので「移動」の「Z」を右方向にドラッグします。いい感じに引っ込むように調整します。
- ベルトの側面がべっこりしちゃったので修正します。頂点/材質マスキングで「16:SP」「17:ベルト」だけを表示させて、PmxViewの視点を横から見た感じにしたら、べっこりしたあたりを範囲選択します。
- またもや真ん中の頂点まで選択しちゃっていたので Ctrl キーを押しながら囲んで選択解除します。
- 選択範囲がいい感じだと思ったら「0:肌」も表示させてからPmxViewの表示をいつもの感じにもどします。
- 小窓:「動」でオブジェクト操作のウィンドウを出して「移動」の「Y」を上方向にドラッグして、いい感じになるように調整します。
- 調整が済んだらPmxViewの表示をいつもの感じに戻して、材質を全表示にして眺めてみます。個人的にはいわゆる「見せパン」の類は、ちょっとだけはしたないかなーという印象なので、どうにかして隠したいと思います。
- その前に、とりあえずこのへんで名前をつけて保存します。(ここでは「roco式プロイセン娘 ショーパン途中01.pmx」としました。)
◆下着が見えないように◆
- ショートパンツを上下方向に伸ばせば下着が見えなくなるかな?と思ったのでやってみます。
- 頂点/材質マスキングで「16:SP」「17:ベルト」だけを表示させたら、PmxViewの表示をさきほどの調整時の感じにします。
- PmxViewの視点を横向きにしたら、ショートパンツの上の方の部分を範囲選択します。
- 選択範囲がいい感じだと思ったら頂点/材質マスキングの「全」をクリックしてから「7:コート」のチェックを外して、PmxViewの表示をいつもの感じに戻します。
- 小窓:「動」でオブジェクト操作のウィンドウを出して「移動」の「Y」を上方向にドラッグして、いい感じになるように調整します。
- これで下着は隠れましたが、今度はシャツがショートパンツに埋まってしまいました。これをどうにかします。
- 頂点/材質マスキングで「8:シャツ」だけを表示させたら、PmxViewの表示をさきほどの調整時の感じに戻します。
- さきほど埋まってたあたりを範囲選択したら頂点/材質マスキングの「全」をクリックしてから「7:コート」のチェックを外して、PmxViewの表示をいつもの感じに戻します。
- 小窓:「動」でオブジェクト操作のウィンドウを出して「移動」の「Z」を左方向にドラッグして、シャツの裾をショートパンツの埋没から掘り出します。
- いい感じだと思ったら、名前をつけて保存します。(ここでは「roco式プロイセン娘 ショーパン途中02.pmx」としました。)
◆「ふともも」モーフの調整◆
- MMDで動作確認してみたら、「ふともも」のモーフでグラマラスな太ももにするとショートパンツが残念な感じになっちゃうのがわかりました。
- PMXEにもどってPmx編集の「モーフ』タブで、「60:V|ふともも」を選択したら、右クリックで「頂点/UVモーフ編集」にすすみます。
- 「モーフ編集」のウィンドウが出るので、小窓:「絞」で頂点/材質マスキングのウィンドウを出して「16:SP」「17:ベルト」だけを表示させて表示の感じをさきほどの調整時の感じにします。
- 小股のあたりを範囲選択したら小窓:「動」でオブジェクト操作のウィンドウを出して選択オブジェクトの記憶をします。
- 表示の感じをいつもの感じにもどしたら、頂点/材質マスキングを「全表示」にしてからオブジェクト操作の「値指定」のタブを開いて、「スケー」(スケールのことだと思います)のすぐ下の「1.00」となっている数値を「0.97」にします。
- ウィンドウの左側のモデルを見ながら、ふとももの根本部分がショートパンツに隠れるくらいまで「スケー」ボタンをクリックしまくります。(ちなみに、このとき私は35回クリックしました。)
- いろんな角度から眺めて大丈夫そうだったら、モーフ編集の小さいほうのウィンドウにある「反映」ボタンをクリックします。
- いろんな角度から眺めたり、そのたびにスライダーを動かしてみて、大丈夫そうだったら「更新」を押します。
- このへんで名前をつけて保存します。(ここでは「roco式プロイセン娘 ショーパン途中03.pmx」としました。)
- MMDで読み込んで見て、モーションを流し込んで踊ってもらいながら「ふともも」モーフを操作して動作確認します。
◆最終調整◆
- PMXEにもどって「roco式プロイセン娘 ショーパン途中03.pmx」を新規で読み込んだらPmx編集の「情報」タブのモデル名とコメント欄に情報を書き込みます。
- 今回はショートパンツをかなり大胆に大型化したのでエッジがとても太くなってしまいました。なので「材質」タブの「16:SP」と「17:ベルト」のエッジのサイズを 0.6 にして他の部位と調和させます。あと、たまにふとももの付け根がかすれて見える場面があるように見受けられたので、一応「16:SP」の「両面描写」にチェックを入れました。
- 「表示枠」タブの「11:体(上)」「12:体(下)」「13:グルーブ」は中身がないので削除します。(ショートパンツ側のボーンと表示枠が、合体した際にプロイセン娘側のボーンと表示枠に統合されたため中身が空っぽになったんだと思います。)
- いちおう最後に「ファイル」から「PMXデータの状態検証」をしてみて問題がなければ名前をつけて保存して作業は完了です。ここまでお疲れさまでした。
◆おまけ◆
- 今回いただいたコメントに「ジョイントの接続剛体に参照不正があった場合はどうすればいいの?」という内容がありました。
- この場合はPMXEを多重起動していただいて、お借りした元モデルの該当ジョイントの設定をPmx編集の「Joint」タブにて確認していただいて、同じ剛体を設定していただければ解決します。
- また、剛体の名称重複については、基本的には重複しないように削除するべき剛体を事前に検討するのがセオリーだと思いますが、同じ部位で両方のモデルの剛体があったほうが都合の良い組み合わせもたまにあるので、そのときは片方の名前をリネームした上で、グループ番号と非衝突グループの設定をよく吟味してみてください。
- ただ、基本的にこんな感じの状態に陥ってしまったときは、自分で見直してみてもどれがどのモデルさんのパーツだったのか訳わからなくなっている事が多いので、結局は最初からやり直したほうが早いんじゃないかなー、というのが私の経験上からの正直な感想です。
◆さいごに◆
- 今回は結果的にではありますが「モデルに合わせた体型調整」をしたのですが、頂点操作をはじめてやってみる方を想定して、かなり大雑把な調整にしておきました。本来はもっと細かくきっちり調整してあげるのが本筋だと思いますので、妥協したくない方はがんばってみてください。