次亜塩素酸水がらみでついに・・・
11/20のお昼頃にニュースが流れはじめ、Twitterの歯クラ達が騒然となった。
未承認洗口液「コロナに効果」と販売 容疑の歯科医逮捕(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
未承認洗口液「コロナに効果」と販売 容疑の歯科医逮捕
医薬品として未承認の洗口液を「新型コロナウイルスに効果がある」と広告して売ったとして、警視庁は、東京都千代田区の「天野歯科医院」の院長で歯科医師の天野聖志容疑者(58)=東京都渋谷区松濤1丁目=ら4人を医薬品医療機器法違反(未承認医薬品の広告など)の疑いで逮捕し、20日発表した。同庁によると、コロナ禍に便乗した洗口液の広告・販売行為が摘発されるのは初めて。 ほかに逮捕されたのは、天野容疑者が実質的に経営している洗口液の製造販売会社「天野デンタル」(東京都港区)の役員や、経理などを請け負っていた別会社の役員ら46~56歳の男女3人。いずれも容疑を否認しているという。 生活環境課によると、天野容疑者らは3~7月に、共謀し、天野デンタルが開発した洗口液「ペリオトリート」などについて、国の承認を得た医薬品でないのに、ホームページ上でコロナ対策に「有効な可能性が高い」などと広告。複数の客に売ったほか、販売目的で貯蔵した疑いがある。天野容疑者が監修した商品で、新型インフルエンザや心筋梗塞(こうそく)などの予防のほか、食道がんのリスクを減らす可能性があるとも説明していた。1~7月に全国の約8500人に、約4400万円分を売っていたという。 4人は商品の中身が、経済産業省が一定濃度以上でコロナウイルスに有効とする酸性の「次亜塩素酸水」と説明していた。ただ、警視庁が鑑定したところ、商品はアルカリ性だった。そもそも、同省によると、机を拭く際などに有効で、洗口液として使った場合の効果や安全性ははっきりしないという。
ペリオトリートとは
2019年2月のサンケイビズで紹介されており、1年半程前に売り出したもののようだ。
このサイトの中でペリオトリートは以下の様に紹介されている。
うがい20秒でインフルエンザも予防!現役歯科医がつくった口臭・虫歯・歯周病菌を殺菌する洗口液「ペリオトリート」販売開始 - SankeiBiz(サンケイビズ)
ペリオトリートは、20秒間うがいをすることにより、歯周病菌、虫歯菌をほぼ完全に殺菌し、口の中の歯垢(プラーク)も分解殺菌することができる、口腔洗口液です。ペリオトリートは、タンパク質でできている歯垢を分解殺菌することができるため、ペリオトリートでうがいをした後に歯磨きをすれば、簡単な歯磨きでも、歯垢をほぼ完全に除去することができます。また、常在菌や身体への影響がほとんど無い状態で、歯周病菌や虫歯菌を破裂させて溶かす(溶菌)効果もあるため、お口の中の歯周病菌と虫歯菌も、ほぼ完全になくすことができます。厳しい検査に合格した厚生労働省認定の工場で作られている口腔洗口液ですので、安心してご使用いただけます。
次亜塩素酸水とは一切書いてないじゃないか!!!
とここまで読んで思ったかもしれないが、このサイトの後半部分にしっかり記載がある。
ここまで読んでわかったことは、
このペリオトリートは
次亜塩素酸水で弱アルカリ性
であるということである。
朝日新聞の一節をもう一回みてみよう
経済産業省が一定濃度以上でコロナウイルスに有効とする酸性の「次亜塩素酸水」と説明していた。ただ、警視庁が鑑定したところ、商品はアルカリ性だった。
そう、もう1年半前には弱アルカリ性であると公表して売り出しているわけだ。
ちなみに経産省の管轄であるNITEが次亜塩素酸水のコロナに対する効果について最終報告を出しており、私もそれでブログを書いている。
NITEはpH6.5以下で塩素濃度が35ppm以上がコロナに効果があったと結論づけている。
pH6.5以下ということは酸性であり、最初からアルカリ性であるペリオトリートがコロナに効くというのは無理筋である。
なお、以前の天野歯科医院のサイトでは以下の様に紹介されていた。
以下の記載は明らかにNITEの基準をクリアした商品を扱っているような印象を与えるので、もしこれで記事通りアルカリ性のペリオトリートをお勧めしていたとしたら問題だろう。
次亜塩素酸水啓蒙ページ
なお、このサイトでは次亜塩素酸水が如何に素晴らしいかを啓蒙するページがある。
内容だが色々と疑問がある。
次亜塩素酸電解除菌水治療は、虫歯菌や歯周病菌をほぼ完全に除菌できる。
バイオフィルム内の虫歯菌や歯周病菌を破裂させて、ほぼ除菌できる
と記載されている。
しかし、以下のブログに書いたが次亜塩素酸水に関するエビデンスを検討した洗口液とその使い方ガイドブックにはそのような事は一切記載されていない。
ほぼ完全に除菌できると記載するなら、その根拠となる論文の提示をお願いしたい。
確認するためにDr天野のサイトに行ってみたら
もう一度確認するためにDr.天野のサイトに向かったところ・・・
この度一部の報道により、皆様にはご心配とご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません。
報道にあります天野デンタル株式会社と天野歯科医院は関係はございません。
患者様を第一に、誠心誠意診療を行なって参りますので、ご安心くださいますようお願い申し上げます。
ええええええええええええ!!!?????
おいおいおいおいおいおい!!!
しかしgoogleさんで検索すると
amanodental.com
は天野歯科医院のDr.天野をフィーチャーしたサイトと言う風にGoogleさんは認識しているようだ。
また、Emailが以前と同じ hahaha@amanodental.com であり、上記歯科治療室と天野歯科医院の母体が同じであると思う。
というかURLがamanodentalで関係ありません、とは通用しないと思うし、まだ色々消し忘れが散見される。
amanodental は情報啓蒙系のサイトで実際の歯科医院のサイトはamanodental-clinic.comになる
これが以前の天野歯科医院のサイトでEmailは共通である
現在の天野歯科医院のサイトにも同じ管理者による文章が貼り付けられており、Dr.天野の顔写真やプロフィール、インタビューは削除されている。
しかし、サイトそのものの基本構造はほぼ同じに見える。
なお、amanodentalを引用しようとすると出てくるアイキャッチだが
となっており、真ん中に今回逮捕された先生がいる気がするのだが・・・
また、この歯科医院の情報を検索すると、管理者は天野聖志という記載がある。
うーむ、怪しい、怪しいのではないだろうか。
youtubeは全部生きているかも
やはりamanodental.comは天野先生、天野歯科医院のサイトではないだろうか?いやー謎は深まったなあ。
追記(2020/11/24)
アーカイブがあると聞いて早速以前のサイトのアーカイブを持ってきた。
2020年9月25日当時のamanodental.comのトップページである。
もう、言うまでもない気がしてきたよ
追記(2020/11/28)
文章が一部変更された。
別法人だから関係ないという論点になっているが、そんなの言い訳にもならない気がするのだが・・・。
終わりに
実際にサイトにいってみて、管理者さんの文章をみてビックリしてしまい、本来書こうと思っていた内容に全く行き着かなかった。
amanodetalのサイトには文献が結構引用されているのでそれを逐一調べてみようと思っていたのだが・・・。
なお、こういった次亜塩素酸水を販売している歯科医院は案外多い・・・。
〇〇水とか〇〇ウオーターという名称で販売している事が殆どだ。
例えば、POICウオーターという商品は以下の2種類があるようだが、高濃度で蛋白分解にターゲットを絞ったものはpH9なのでペリオトリートもこれに近い成分だったのかもしれない。
なお、POICウオーターは2種類ともNITEの基準を満たしていないので、これでコロナが防げると販売すれば今回の事例と同じくお縄になる可能性があるという事だろうか?
なお、こういった次亜塩素酸水は薬機法を通過していないので、人体に使用する事を想定していない事を最後にお伝えしておく。
それでも、POICはウイルス対策に効く!と顔にむけて噴射する歯科医師がいるのだが・・・・。もうしらね。
追記(2020/11/23)
この天野先生と言われる先生はネットの医療情報サイトや雑誌の歯科特集などでかなり重用されていた。
今年のプレジデントオンラインにも書いており、その中でペリオトリートを勧めていることを確認した。
痛くない、削らない、抜かない「感動の最先端歯科治療ガイド」 もはや歯医者は怖いところではない | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
追記(2020/11/25)
プレジデントは天野先生が書いた記事を全て削除した模様で閲覧不能となっている。こういう怪しい材料をメインに扱っている先生と分かっていて重用していたわけだから、当然の報い。
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