東京五輪の開会式を走る聖火ランナーに、元メジャーリーガーの松井秀喜氏(47)、プロ野球巨人で終身名誉監督の長嶋茂雄氏(85)、ソフトバンク球団会長の王貞治氏(81)が含まれていることが22日、複数の大会関係者への取材で分かった。
23日、東京・国立競技場で開かれる開会式内で聖火を運ぶ。新型コロナウイルスの影響で史上初の延期となった東京五輪は、午後8時からの開会式でスポーツ界のレジェンドを迎え入れて開幕する。
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国民栄誉賞の3人組が、57年ぶりの東京五輪に花を添える。長嶋氏、松井氏は巨人時代からの師弟関係。その関係は松井氏が米メジャーリーグのニューヨーク・ヤンキースに移籍した後も続いた。
長嶋氏は04年、アテネ五輪の野球日本代表で監督を務めたが、本大会を迎える前の同3月に脳梗塞に倒れ、五輪での指揮は断念せざるを得なくなった。長嶋氏にとって五輪は立ちたかった舞台。開会式での聖火ランナーが実現すれば願ってもない機会となる。
長嶋氏と松井氏はともに13年、国民栄誉賞を受賞。ただ長嶋氏は近年、体調を崩しているとの情報もあり、国立での聖火リレーでは松井氏が補助する役目を担う可能性もある。
そこに、日本の野球界をリードし続けた「ON」のもう1人、王氏が加わる見込み。世界のホームラン王でもある王氏は東京五輪・パラリンピック組織委員会の理事としても長年、東京五輪の成功のために力を注いできた。2人に先駆けて77年、第1号として国民栄誉賞を受賞。3人が国立にそろえば、国内における五輪の機運醸成に一役買う可能性がある。
大会関係者によると、開会式で行われる聖火リレーは国立を最終グループとして5、6組のランナーが走る。その中には五輪メダリストらも候補に挙がっている。その後に一般人の子どもをはさみ、最終点火者にリレーする仕組み。
開会式で日の丸を持って入場する「フラッグベアラー」に64年東京五輪の金メダル1号、重量挙げの三宅義信氏(81)が選ばれていることも分かった。五輪旗を持つフラッグベアラーは外国人アスリートが担う。
また、テレビゲーム「ドラゴンクエスト」のテーマ曲が式典内で使われる。英歌手ジョン・レノン氏の代表曲イマジンも流れる予定で、その間、ドローン約1600機が国立上空に舞い、さまざまな演出を行う。57年ぶりの東京五輪の開会式はバラエティーに富んだ、演出になりそうだ。