女子大生が京大提訴
京大教授セクハラ 調査委「懲戒」も訓告

 京都大経済学研究科の男性教授からセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)を受けたという女子学生の申告に、京都大の調査・調停委員会が7項目の不適切行為を指摘して懲戒相当と判断したのに対し、経済学研究科が2項目しか認定せずに訓告処分としていたことが、3日に分かった。女子学生は「関係者の影響力を排除し、全学の教職員による公正な手続きを保障した委員会設置の趣旨に反する」などと主張し、大学に約465万円の損害賠償を求めて京都地裁に提訴した。

 訴状によると、京大の人権委員会ハラスメント専門委員会は2008年5月、女子学生の申し立てに基づき、複数の学部の5教員で構成する調査・調停委員会を設置した。同委員会は09年9月に(1)「大学院をやめてしまえ」という趣旨の発言(2)論文指導の拒否(3)飲食に付き合わせて体を触り、自宅に誘った-など7項目を「不適切な言動」と認め、「経済学研究科は懲戒手続きを開始するのが相当」と結論付けた。

 これに対し、経済学研究科は今年3月、(1)と(2)のみを認め、教授を訓告処分とした。

 京大は「対応を検討しているところです」とコメントし、調査・調停委員会と経済学研究科の判断が異なったことについては「処分内容は一切言えない」としている。

【 2010年08月03日 23時35分 】


http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20100803000218  


元京大院生の女性が教授2人セクハラ提訴

 指導教授らからのセクハラなどで精神的苦痛を受けたとして、元京都大大学院生の30代の女性が3日までに、京大と経済学研究科の男性教授2人に計465万円の支払いを求め京都地裁に提訴した。提訴は7月14日付。

 訴状によると、指導教授は2002年秋ごろから08年3月にかけて、女性の手を握ったり、学外での飲食に付き合わせたりし、別の教授も女性を侮辱するような発言をしたとしている。

 原告側は、大学のハラスメント委員会の調査で指導教授に「懲戒」、別の教授に「訓告」の処分が相当との結論が出たにもかかわらず、同科がそれぞれ訓告と口頭注意にとどめ、被害救済義務に違反したと主張している。

 京大は「対応を検討している」とした。(共同)

 [2010年8月4日0時25分]


http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20100804-661613.html  



経済学研究科教授に訓告処分 学生に不適切行為

(2010.07.01)


経済学研究科の男性教授が女子学生への不適切な行為を行なったとして今年3月に京都大学から訓告処分を受けていたことが明らかになった。学生側から「セクハラを受けた」との訴えを受けて大学が調査した。教員は否定したが飲酒の強要など「誤解を生じる恐れがあった」とされ訓告処分となった。大学は処分の事実を公表していなかったことになるが、広報課によると「訓告は公表基準の懲戒処分に達しない」ので公表しなかったという。訓告でも業務上の出来事が原因であったり、既に社会問題化している場合は公表しているが、今回はこれにもあてはまらない。

ただセクハラ行為の事実等を巡って民事訴訟で争っているといい、裁判の結果次第では大学が新たな対応を迫られることも考えられる。

http://www.kyoto-up.org/archives/1076  




京大院教授を訓告処分


 京都大大学院経済学研究科の50代の男性教授が、女子学生と一緒に飲酒するなどの「誤解を招く行為」をしたとして、訓告処分を受けていたことが20日、大学への取材でわかった。

 大学側によると、今年に入って同教授の指導を受けていた女子学生が「セクハラをうけた」などと大学側に訴えた。大学が調査委員会を設けて調べたところ、セクハラ行為は確認されなかったが、不適切な行為があったとして訓告処分とした。

(2010年6月21日 07:20)

http://www.sankei-kansai.com/2010/06/21/20100621-025228.php  


経済の元院生、ハラスメントで教授提訴 部局内での対応に問題か(2010.09.16)
Filed under: ニュース
経済学研究科の50代男性教授からハラスメントを受けたとして、同大学院生だった女性が、7月14日付で教授と京都大学に損害賠償を求め提訴していたことが分かった。原告女性は修士課程修了後も教授のもとで時間雇用職員として働いたが、そこでもハラスメントを受けたと主張。院生時・職員時の教授の行為について、全学の調査調停委員会が「懲戒」相当と判断していたにもかかわらず、経済学研究科は「訓告」処分に留めた、と主張している。

訴状によると原告女性の主張は以下の通り。経済学研究科修士課程在籍時に指導教員だった教授から暴言を受けた。また、修士論文執筆を断念するよう迫られ、題目届けへの署名・押印を拒否された。その翌年度、修士課程を修了したゼミ生のうち原告女性だけを呼び出し、学外で2人だけの飲食につきあわせ、その後自宅に来るよう誘うといったアカデミックハラスメントを受けた。その後同研究科で時間雇用職員として勤務したが、引き続き教授から飲食につきあわせる等のハラスメント行為を受け、08年3月に同研究科を退職したという。

原告女性は退職直前の08年2月、全学ハラスメント相談窓口へ教授を被申立人として調査・調停手続を申し立てた。経済学研究科長が調査・調停委員会で成立した調停内容ないし調査・調停委員会の提示する対応案に従うことを確約したので、人権委員会ハラスメント専門委員会で調査・調停委員会の設置が決定された。同委員会は09年9月10日、教授による7つの行為をハラスメントと認定し「経済学研究科においては懲戒の手続きを開始するのが相当である」との対応案をまとめたという。

しかし経済学研究科は今年3月、全学の調査・調停委員会が認定した7つの行為のうち2つのみをハラスメントだったとして、教授の処分をより軽い訓告に留めたという。

この教授については「学生との間であった不適切な行為」を理由とする訓告処分が下されていたことが、既に報じられている。

原告女性は「経済学研究科の対応は全学の調査調停における事実認定を覆し教員をかばうもので、ハラスメント防止・対策の組織のあり方についてその期待を著しく裏切られた。長期にわたって被害救済が行われずそのことによって著しい精神的苦痛がもたらされた」と訴状で主張している。

京大全学ハラスメント窓口は本紙の取材に「個々の事案に関しては回答しかねる」とコメントしている。

教職員への処分は「注意」「厳重注意」「訓告」「懲戒」の順に重くなり、「懲戒」のなかでも戒告・減給・停職・解雇と軽重がある。

http://www.kyoto-up.org/archives/1125


経済アカハラ、第1回口頭弁論 部局対応の謎深まる(2010.10.01)
Filed under: ニュース
経済学研究科の50代男性教授からハラスメントを受けたとして、同大学院生だった女性が、教授と京都大学に損害賠償を求めている訴訟の第1回口頭弁論が9月21日京都地裁で行われた。

この日までに提出された答弁書で被告教員側は損害賠償請求の棄却を主張。原告側に事実関係の詳細についての釈明を求めた。また大学側は原告が訴状で主張していた学内ハラスメント対応の事実関係を大筋で認めた。

これにより、原告女性の申し立てを受け、人権委員会ハラスメント専門委員会で設置された調査・調停委員会が09年9月10日、教授による7つの行為をハラスメントと認定し「経済学研究科においては懲戒の手続きを開始するのが相当である」との対応案をまとめたことや、調査・調停委員会設置前に経済学研究科長が調査・調停委員会で成立した調停内容ないし調査・調停委員会の提示する対応案に従うと確約していたことがほぼ確実となった。

その一方で大学側は「同調査・調停委員会の対応案をもって、京都大学が被告教授の各行為を行ったと認めるものではない」とし、口頭弁論でも「ハラスメント行為の認否については被告教員の認否を待ってからとしたい」と述べた。

また経済学研究科が今年3月に調査・調停委員会がハラスメント認定した7つの行為のうち2つのみを事実とし教授を訓告処分にした件について、大学側は「教員として不適切な行為であったと(研究科が)判断したものであり、各行為がハラスメントに該当すると認めたわけではない」と主張している。

今回の口頭弁論で全学の調査・調停委員会でいちどハラスメントと認められた行為が部局レベルではなかったことにされ、研究科長が全学の対応案に従うと確約をしていたにもかかわらず対応案よりも軽い訓告処分に留めていた事実が確定的になった。なぜ全学と部局で事実認定の食い違いが生じたのか、確約に反するかたちの処分となったのか。謎は深まるばかりである。

http://www.kyoto-up.org/archives/1154


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