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王立学園
15歳を迎えた春、めでたく入学したのはいいのだが
「…」
入学式校舎へ向かう途中1人の男子生徒がこちらへ向かい私を見下ろしている
大変よろしくない表情をされている、といよりも睨まれている
「なんでいるんだ」
この人はこの国の王太子様、エリック・アルバート。
父に何度か連れて行かれエリック王子とは面識がある。
だがしかし、声を掛けられたのは今日が初めてだ
『まさか、認知されているとは思いませんでした、王太子殿下』
「随分堅苦しい呼び方だな、吐き気がする。」
「君の両親から婚約候補として幾度も写真が送られてくれば流石に嫌でも覚えるだろ」
『まさか、写真を開いて毎度見て下さっているとは驚きました』
「婚約候補の写真は毎度必ず見ないといけないからな、不可抗力だ」
ふんと明らかに嫌悪感まるだしな彼を横目に小さく息を吐いた。
私の両親も目敏いものだ。
女であることを武器とし王家に取り入ろうとしている。
公爵令嬢として、いつかは誰かと婚約するとは思っていたが、こちらの希望はおかまいなしときた。
婚約の写真だって撮った覚えもないし王家に幾度と送っていると聞いたのは15歳の誕生日だった。
「私は、絶対、君と、婚約は、しない」
わざわざ言葉を区切ってわかりやすく伝えてくださって彼は、これを言うためだけに声をかけたのだろうか、勘弁してほしい。
流石に傷つくな、と去っていく彼の背中を眺めながら思うが今に始まったことではない。
15歳を迎えた春、めでたく入学したのはいいのだが
「…」
入学式校舎へ向かう途中1人の男子生徒がこちらへ向かい私を見下ろしている
大変よろしくない表情をされている、といよりも睨まれている
「なんでいるんだ」
この人はこの国の王太子様、エリック・アルバート。
父に何度か連れて行かれエリック王子とは面識がある。
だがしかし、声を掛けられたのは今日が初めてだ
『まさか、認知されているとは思いませんでした、王太子殿下』
「随分堅苦しい呼び方だな、吐き気がする。」
「君の両親から婚約候補として幾度も写真が送られてくれば流石に嫌でも覚えるだろ」
『まさか、写真を開いて毎度見て下さっているとは驚きました』
「婚約候補の写真は毎度必ず見ないといけないからな、不可抗力だ」
ふんと明らかに嫌悪感まるだしな彼を横目に小さく息を吐いた。
私の両親も目敏いものだ。
女であることを武器とし王家に取り入ろうとしている。
公爵令嬢として、いつかは誰かと婚約するとは思っていたが、こちらの希望はおかまいなしときた。
婚約の写真だって撮った覚えもないし王家に幾度と送っていると聞いたのは15歳の誕生日だった。
「私は、絶対、君と、婚約は、しない」
わざわざ言葉を区切ってわかりやすく伝えてくださって彼は、これを言うためだけに声をかけたのだろうか、勘弁してほしい。
流石に傷つくな、と去っていく彼の背中を眺めながら思うが今に始まったことではない。
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