桜の国チェリンと七聖剣【百九十一】
十八号さんと別れた俺たちは、無人島の奥へ足を進めていく。
無言のまましばらく歩き続けると、木々の合間から生々しい戦いの跡が見えてきた。
ゼオンの闇に染められた大地・ディールの猛毒に
(このおぞましい霊力の
彼女は険しい表情のまま、漆黒に侵された土を指でつまむ。
(自我を保ったまま、これほどの力を引き出したということは……まさか『道』を繋げたのか……!? いや、あり得ない。それは道理が通らない。もし本当に
霊力の残滓を分析しているのか、先生は押し黙ったまま動かない。
(しかし、どういうことだ!?
「あの、先生……? 何かあったんでしょうか……?」
「……すまない。ちょっと考え事をしていた。――先へ急ごうか」
どこか歯切れの悪い回答を口にした彼女は、多くを語ることなく、無人島の奥へ進んで行った。
そしてついに『あの場所』へ到着する。
バッカスさんが最期の一撃を、桜華一刀流奥義鏡桜斬を解き放ち、光る粒子となって消滅したあの場所。
そこにはなんと――これまで見たことのないほど立派なお墓が建てられていた。
『桜華一刀流十六代継承者バッカス=バレンシア
墓石にはバッカスさんの名が刻まれている。
「これは……いったい誰が……?」
ローズの呟きの直後、
「――両手をあげて、三秒以内に出て来い。不審な動きを見せたら、即座に殺す」
レイア先生が、これまで見せたことのない『本気の殺気』を放った。
「「「「「「……ッ」」」」」」
その
少年ヤイバを読んでケタケタ笑っている普段の彼女からは、想像もできないほどの圧だ。