私は、1969年4月より京都大学に在籍し、2012年3月末に京大を定年退職しました。その間、約43年間の長期に渡って京大で学び、また、生体材料学に関する研究と教育を行い、日本人を始め韓国や中国留学生など多数の研究者を育てました。その間、約400報の研究論文、総説や著書、および100件以上の特許出願を行い、さらに、基礎研究をもとに、数多くのメデイカルデバイスが臨床応用でき、国の研究投資に対する社会的還元を行うことが出来ました。
21世紀は未知と不確実性の時代と云われ、大学も国際社会とのコミュニケーションが必須となるグローバル化へ飛躍することが強く求められています。このような環境の中で、若い学生には大きな期待が寄せられています。人生には失敗も成功もあり、失敗は苦しいが、そのとき迷わず行動を起こし、自分の個性を磨くことが学生生活にとって最も大切なことだと思います。
私は現在、京都工繊大で研究生活を送っていますが、これまでの研究をさらに進展させ、再生医科学の基礎と臨床応用に貢献できるよう、またこれらの研究を通じて独創性を有する21世紀型の研究者を育てられるよう、生涯現役の精神を持って研究と教育に邁進する所存であります。