東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの最高位スポンサーを務めるトヨタ自動車は19日、五輪に関するテレビCMを国内では見送る方針を明らかにした。豊田章男社長ら関係者は開会式に出席しない。広報担当の長田准執行役員がオンラインで報道陣の取材に応じた。
長田氏は理由について説明していないが、CMを放映することで参加する選手への批判が強まったり、企業イメージが低下したりすると判断した可能性がある。長田氏はこれまでの五輪を巡る経緯を踏まえ「いろんなことが理解されない五輪になりつつある」と指摘。「徹底的にアスリートを支援し、大会関係車両などで貢献したい」と強調した。
販売促進向けではなく、アスリートの精神などを伝える内容のCMを用意していたが、取りやめることにしたという。無観客中心の開催となったことで、トヨタの製品や技術をPRする展示や試乗会などのイベントも中止した。
大会関係車両としては3340台を提供する。観客が使う車両が必要なくなったことなどで、当初発表した3700台からは縮小した。全体の90%以上が水素で走る燃料電池車や電気自動車(EV)といった電動車で、二酸化炭素(CO2)の排出抑制に貢献する。(共同)