2021年6月29日に4周年を迎えたスマートフォン向けアプリ『アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』。同作の4周年を記念して実施した、徳川まつり役の諏訪彩花さんのインタビューをお届けする。
※本インタビューは6月上旬に実施しました。
※本記事は週刊ファミ通2021年7月15日号に掲載したインタビューに加筆、修正を行ったものです。
諏訪彩花(すわ あやか)
5月27日生まれ。愛知県出身。声優として、数多くのアニメやゲーム作品に出演しているほか、ラジオ番組のパーソナリティーを務めるなど、多方面で活躍。代表作は、『悪魔のリドル』(東兎角役)、『ニーア オートマタ』(ヨルハA型二号役)、『SSSS.DYNAZENON』(ムジナ役)など。(文中は諏訪)
初めての涙を見せた、日本武道館でのステージ
――まつりとの出会いとなったオーディションのことは、覚えていますか?
諏訪はい、鮮明に覚えています! オーディションでは、まつりちゃん、(春日)未来ちゃん、(伊吹)翼ちゃんの3役を受けました。歌唱審査では、『キラメキラリ』と『太陽のジェラシー』を歌わせていただいたのですが、当日のオーディションでは、すごくバタバタしてしまって。じつは、オーディション会場に向かう途中、道に迷ってしまい、到着したのが開始の5分前でした。全力でダッシュしていたので、着いたころには息も切れ切れで……。それから間もなくオーディションが始まったので、汗だくになりながら必死に演技、歌唱審査を受けました。
――全力で走った後に『キラメキラリ』を歌うのは、すごくたいへんそうですね。
諏訪アップテンポで楽曲のキーも高いですし、本当に、倒れちゃうかと思いました(笑)。でも、オーディションに間に合った安心感と、走ってきた疲れのおかげか、緊張せずに審査に臨むことができたのは、ある意味ラッキーだったのかもしれないです。
――会場で資料を渡されたときの、 まつりの第一印象はいかがでしたか?
諏訪まずは、髪型が緑色ということで、すごく驚きました。あとは、その資料でまつりちゃんが着ていた衣装や表情から、だれが見てもかわいい、アイドルらしい子だなと思いました。ですが、資料を読み込んでいると、とてもクセのある、個性的な女の子だということに気づいて(笑)。自分のことを“姫”と呼んでいたり、「~なのです」という口癖があったり。それでいて、アイドルっぽいセリフが多かったので、「どういう子なんだろう?」と、とてもまつりちゃんに興味を惹かれたのを覚えています。
――オーディションでまつりを演じるときに意識したことはありますか?
諏訪すごくかわいらしい、お姫さまのような女の子という第一印象を受けたので、少し甘めな声を出しながら、お姫さまっぽい上品さが伝わるように演じました。
――そうして演じたオーディションに合格し、まつり役に決まるわけですが、その後の収録でディレクションされたことで印象的だったことはありますか?
諏訪私とスタッフさんたちが考えていた“まつりちゃん像”が似ていたということもあり、収録は初めからすんなりと進められていたと思います。ただ、まつりちゃんは初期のころ、まわりを振り回すような一面が色濃く描かれていて。プロデューサーさんを困らせちゃう、みたいなこともたくさんありました。でもそれは、単なるわがままというよりは、プロデューサーさんに甘えたいという、そうした、どこかかわいらしさの感じられるわがまま加減を、見ている方に違和感を感じさせることなく表現するのには苦労しました。
――そこの感覚を掴めた、というタイミングはありましたか?
諏訪この時期という明確なものはないですね。ずっとまつりちゃんを演じていくなかで、まつりちゃんがどういう子なのか、彼女の内面をだんだんと理解できていったのがいまのお芝居に繋がっているのかなと思います。シナリオを通じて垣間見えるまつりちゃんの素の部分から、19歳の等身大の彼女の姿が見えるようになって、私ももっとまつりちゃんを好きになりました。
――まつりと出会ってから 約8年が経ちましたが、まつりとの関係性はどのように変化していきましたか?
諏訪昔に比べて、いまのまつりちゃんは本心というか、特にプロデューサーさんの前ではより、素直な彼女の心を見せるようになったなぁと感じています。それに加えてこれまでのまつりちゃんは、その不思議ワールドでまわりの人たちを混乱させるような場面も多くありましたが、実はすごくムードメーカーだし、みんなのことをちゃんと見ていて、さりげなくまとめ役になっていたり、なんだかお姉さんっぽいなと感じています。なので、私もそんなまつりちゃんにつられて、以前より少しお姉さんみを感じながら演じることが増えていきまた。
――とくに『ミリシタ』だと、ほかのアイドルとの掛け合いも多く描かれているので、まつりの新たな一面が見れるようになったのも影響しているかもしれないですね。
諏訪そうですね。ほかの子たちとの会話で、一見いつものまつりちゃんだけど、ポロッと助け舟を出してあげているシーンもあって。破天荒なことを言っているのかなと思いきや、周りを助けてあげているところが、すごく頼りがいがあって、かっこいいなと思っています。
――いま、アイドル同士の掛け合いのお話がありましたが、まつり以外でとくに好きなアイドルはいらっしゃいますか?
諏訪(菊地)真ちゃんが好きです。すごくかっこよくて王子様っぽい一面があるけど、乙女なところもあって。そこがめちゃくちゃかわいいし、キュンってなります。あとは、ふんわりしたお姉さんにもときめくので、(豊川)風花さんや(桜守)歌織さんも好きです!
――好きなユニットや楽曲はいかがですか?
諏訪『ココロがかえる場所』がすごく好きです。私はハートフルなバラード曲が好きなので、この曲は歌詞も含めて、刺さりましたね。あとは、7thライブで歌わせていただいた、エミリー(スチュアート)ちゃんの『君だけの欠片』も大好きです。ユニットは、“夜想令嬢 -GRAC&E NOCTURNE-”が、ユニットや楽曲の雰囲気を含めて、お気に入りです。
――この8年のあいだに行われたライブやイベントで、とくに印象に残っているものがあれば教えてください。
諏訪やっぱり、日本武道館での4thライブ(※1)は忘れられませんね。ちょうどあの時期から、私自身もライブを楽しめるようになったんです。それまでは、 ちゃんと歌やダンスを間違えずにできるかということを考えすぎて、 あまりライブを楽しむ余裕はありませんでした。1stライブ(※2)では、まつりちゃんのソロ曲『フェスタ・イルミネーション』を歌わせていただいたのですが、そのときはガチガチに緊張して、笑顔だけど目は笑っていなくて。 最後のほうは息切れもしてしまいました。ですが、4thライブで歌ったときには、自分からコールを煽るぐらい心から「楽しい!」という気持ちがあふれて、とてもうれしかった思い出がありますし、自分でも少し成長できたのかなと思うことができました。そのせいか、ふだんあまりライブで泣くことがなかったのですが、武道館では最後のあいさつのときに感極まって、初めて泣いちゃいました。 あとは、ふだんなかなか会えないメンバーとも4thライブでは会えたので、とても印象に残っていますね。
※1 4thライブ……“THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 4thLIVE TH@NK YOU for SMILE!!”。2017年3月10日、11日、12日に日本武道館で開催された。
※2 1stライブ……“THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 1stLIVE HAPPY☆PERFORM@NCE!!”。2014年6月7日、8日に中野サンプラザで開催された。
――4thライブDay3の、“ミリオンスターズ”全員が揃ったステージは、壮観でした。
諏訪私も、とても興奮しました! 成長できた実感があったのと、武道館に来られたといううれしさ、支えてきてくださったプロデューサーさんへの感謝への気持ちが混ざり合って、とても感動的だったなと思います。
――先日、1年越しの7thライブも行われましたが、ひさしぶりにプロデューサーさんの前に立ってみて、いかがでしたか?
諏訪なかなか皆さんと会うことが難しいご時世の中で、今回、ひさしぶりにみんなでステージに立ってパフォーマンスをプロデューサーさんに見てもらえて、すごくうれしかったです! やっとホームに帰って来られたというか、改めて『ミリオンライブ!』が、私のなかで特別な場所だったんだなと実感しました。
――私も拝見させていただきましたが、『Flyers!!!』を聞いた瞬間に、「ああ、『ミリオンライブ!』のライブって、こうだったな!」と、すごく感極まりそうになりました。
諏訪1曲目の『Flyers!!!』は、私もとても興奮していました! 今回は野外でのステージでしたので、開放感たっぷりで、ライブの始まりからとても楽しくパフォーマンスできました。
――7thライブでは懐かしい楽曲も歌われていたと思いますが、パフォーマンスしたもののなかで印象的だった曲はありますか?
諏訪私は、(佐竹)美奈子ちゃんの『SUPER SIZE LOVE!!』をいっしょに歌わせていただいたのですが、パフォーマンス中、プロデューサーさんたちが声の出せない状況のなかで、一生懸命ペンライトを振ったりしながらライブを盛り上げてくれようとしているのがわかって。それがすごくうれしかったですし、そのおかげで、私も皆さんといっしょに楽しみながら歌唱することができました。
――今回のライブでは、ガールスカウトをイメージした衣装でパフォーマンスされていましたが、過去のライブ衣装で、とくに気に入っている衣装はありますか?
諏訪ライブ衣装はもれなく全部かわいいし、着るといつもテンションが上がるんですが、“ハッチポッチフェスティバル”(※3)の衣装は、英字が衣装のなかに散りばめられていてとてもオシャレで、お気に入りです。あと、実際に着ていて、シルエットが素敵だなと思ったのは、“ルミエール・パピヨン“です。まつりちゃんとしては初めてのパンツスタイルの衣装でしたので、とても新鮮で。着るとテンションの上がる衣装のひとつですね。
※3 ハッチポッチフェスティバル”……“THE IDOLM@STER 765 MILLIONSTARS HOTCHPOTCH FESTIV@L!!”。2017年10月7日(土)、8日(日)に日本武道館で開催された。
――やっぱり、衣装を着ると、テンションは上がるものなのですか?
諏訪めちゃくちゃ上がります。衣装を着ると、アイドルになれていると実感できるので、衣装の力は強いですね。“Charlotte・Charlotte”の衣装は、最初着たときは少し気恥ずかしく感じたのですが、郁原ゆうちゃん(エミリー役)といっしょに衣装を着てみると “双子コーデ”みたいでかわいくて。いまでは大好きな衣装です。
――先ほど、まつりを演じるときのお話を伺いましたが、ステージに立つときの立ち振る舞いなどで気をつけていることや、意識していることはありますか?
諏訪私はステージに立つとき、「よし、まつりになるぞ」とスイッチを入れるというよりは、ステージに立って曲が始まったら、自然とまつりちゃんになっている感じですね。
――なるほど。まつりとは約8年の付き合いですから、自然とまつりが憑依しているのかもしれないですね。
諏訪そうですね。あとは、まつりちゃんといっしょに成長できているのも大きいのかなと思います。プロデューサーさんたちもその姿はよく見てくれていて。まつりちゃんの曲は、息継ぎをするタイミングが難しいものが多く、慣れないうちはすごく必死に歌っていたのですが、最近では笑顔で楽しく歌えていて。「成長したね!」と温かい言葉をいただけることも多々あり、私もうれしい気持ちになります。
――今後のライブやイベントで、やってみたいことはありますか?
諏訪馬車に乗りたいです! やはり、お姫様っぽい登場をしてみたいですね。あとは、神輿に担がれて登場するのもまつりちゃんにピッタリだと思うので、やってみたいです。
――今後の活動といえば、4周年記念楽曲として『Harmony 4 You』が公開されましたが、この楽曲を初めて聞いたときの印象はいかがでしたか?
諏訪いままでの全体曲と比べてすごく大人っぽい楽曲だなと思いました。ひとつステージが上がった感じというか、これまでの歩みをしっかり感じられる曲だなと。きっと皆さんにも親しんでもらえる楽曲だなと。レコーディングもすでに終わっているのですが、実際に歌ってみて、これを全員でパフォーマンスしたら、グッとくるものがあるだろうなと、感動しちゃうと思います。
――ちなみに、これまでご自身がライブで歌ったことのない曲で、歌ってみたい曲はありますか?
諏訪私、(高坂)海美ちゃんの『スポーツ!スポーツ!スポーツ!』が大好きなんです! パフォーマンスをするとなるととてもたいへんそうな曲ですが、一度歌ってみたいですね。あとは、バラード曲が大好きなので、歌うのが難しい曲だとは思いますが、『dear...』や『プラリネ』も歌ってみたいです。
――それでは最後に、プロデューサーさんへのメッセージをお願いします。
諏訪プロデューサーの皆さん、いつも応援、本当にありがとうございます! ここまで私たちが歩んでこれたのも、プロデューサーさんが心から『ミリシタ』を愛してくださっているおかげです。この先も、私たちはどんどん進化すると思いますし、もっともっと成長して、素敵なパフォーマンスも見せられると思いますので、今後も私たちといっしょに歩んでいってくださったらうれしいです。これからもプロデュース、よろしくお願いします!
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