認知とは?
①認知とは何かを知りましょう
②認知と行動の関係について知りましょう
なぜ認知について学ぶ必要があるのでしょう
性加害は,性欲の問題だけで起こるのではありません。その人の中にある「考え方」や「感じ方」の傾向が大きく関係しています。その中でも,「勝手なものの見方」,「偏った考え方」,「間違った信念・価値観」といった認知は,大きなリスク要因になります。
こういったリスクの高い認知に気づき,修正していくことは,再犯を起こさないために非常に重要なことです。
認知とはなんでしょう?
認知とは,何か出来事があったときに,わたし達の頭の中に浮かんでくる「考え(思考)やイメージ」のことです。たとえば,晴れの日が何日も続いたときに「良い天気が続いて嬉しいなー」と思う人もいれば,「もうそろそろ雨が降って欲しいな」と思う人もいます。このように,認知は人や状況によって変わってくるものです。
認知と性加害の関係
認知と性加害の関係性を見てみましょう。
ある強姦事件の例です。
Aさんは先輩から「強姦をした」という話を聞き,その先輩に誘われる形で強姦事件を起こしてしまいました。
こういう事件は,「先輩から誘われた(出来事)」ので「強姦した(行動)」と考えられやすいですが,実はこのケースにも認知が強く影響しています。
先輩からの話を聞き,一緒に強姦しに行こうと誘われる」という出来事があったことで,Aさんには「やってみたい」,「先輩は捕まってないし,先輩についていけば大丈夫だ」という考え(認知)が浮かびました。そうした考え(認知)から「興奮」という感情が生じ,「先輩と一緒に強姦事件を起こす」という行動に発展してしまいました。
Aさんの事件を図にしてみましょう
このとき,先輩の話を聞いて「そんなことをしたら警察に捕まるぞ!」という考えや,警察に捕まって手錠をかけられるイメージが頭に浮かんだ人は,強姦には行かないでしょう。
強姦に行かない人の認知を図にしてみましょう
このように,性加害行動が起こる背景には,「出来事」から生じる「認知」,「感情」「行動」の連鎖があり,その中でも認知は,その後の行動を決定づける重要な役割を果たしています。
認知が及ぼす影響
認知の影響を受けるのは,性加害だけではありません。普段の感情や行動にも,認知は大きな影響を与えます。例で見てみましょう。
このように,同じ出来事でも,どのようにその出来事を認知するかによって,その後の感情や行動が変化してきます。認知の仕方には人それぞれの傾向があるので,まずは自分の認知の傾向に気づくことが大切です。
次回以降では,認知の傾向を変化させるための具体的な方法について学んでいきます。