2018.4.23
, EurekAlert より:
2つの鉄化合物(クエン酸第二鉄とEDTA鉄水和物)が既知のがんのバイオマーカーを上昇させるようだ、というスウェーデン・チャルマース工科大学からの研究報告。
クエン酸第二鉄はサプリメントとして、EDTA鉄水和物は食品添加物として一般的に使用され世界中で販売されている。どちらも先行研究でマウスの結腸がんを増悪させることが報告されていたが、そのメカニズムやヒト細胞への影響はほとんどわかっていなかった。
研究チームは培養ヒト結腸がん細胞を用いて、通常サプリメントとして用いられる濃度のこれら化合物の影響について検討した。対照には硫酸第一鉄を用いた。
硫酸第一鉄にはまったく影響がみられなかったが、クエン酸第二鉄とEDTA鉄水和物は、低用量でも、既知のがんマーカーであり、しばしば長期の予後不良に関連している、アンフィレグリンの形成を増加させた。
「我々は、既知のがんマーカーであるアンフィレグリンを上昇させたのであり、クエン酸第二鉄とEDTA鉄水和物は、発がん性があるかもしれない、と結論づけることができる」と筆頭研究者のナタリー・シアーズ助教授は語っている。
出典は『腫瘍標的』。 (論文要旨)
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