松本洋子
「ぬすまれた放課後①」(1987年3月6日第1刷発行)
「ぬすまれた放課後②」(1987年4月6日第1刷発行)

・「ぬすまれた放課後」(赤川次郎・原作)
「両親が仕事でアメリカに行くことになったため、白川亜由美(中等部二年)は、おじが理事を務める手塚学園に転入する。
 最初は不安だったものの、すんなりとクラスにとけ込み、友人もできる。
 また、その翌日には、彼女と同じく大阪から、杉野英人(高等部二年)が転入してくる。
 亜由美の唯一の気掛かりは、大阪の学校で、親友が校舎から転落死したことで、彼女はその唯一の目撃者であった。
 しかも、その死には麻薬が絡んでいたらしい。
 ある日、亜由美は、小野治子、柳田真弓、細川恭子の三人組と共に、いじわるな先生への仕返しするため、視聴覚教室に忍び込んで、いたずらを企む。
 亜由美は掃除当番で遅れるが、彼女が行った時には、三人組はもう帰っていた。
 その夜、恭子が轢き逃げにあい、死亡。だが、単なる轢き逃げではなく、一度轢いた後、再びバックで轢いていた。
 次に、真弓が、講堂でピアノを練習している時に、ライトが頭に当たって亡くなる。
 そして、治子もまた、自宅で首吊り死体となって発見される。
 亜由美は、三人の死が視聴覚教室と関わりがあると考えるのだが…。
 視聴覚教室のビデオテープに映っていたものとは…?
 そして、亜由美と共に謎を暴こうとする杉野英人の正体は…?」

・「閉じられた森」
「両親の離婚騒動で、リビー=ジョンストン(13歳)はウィンスローの別荘に行かされる。
 別荘の横には森があり、そこでリビーは黒髪の少女の姿を見かける。
 その少女は、別荘の管理人、カーティスの娘のサラだとリビーは知る。
 だが、四年前、リビーと同じ、13歳の彼女は、何者かに森の中で喉を切り裂かれて、殺されていた。
 リビーはウィジャ盤(西洋版こっくりさん)でサラとコンタクトを取り、犯人を見つけ出そうとする。
 両親の離婚で不安定なリビーの心と、サラのさまよえる魂が同調する時…」

 「ぬすまれた放課後」は赤川次郎の名作「死者の学園祭」を原作としております。
 ただし、私は赤川次郎の作品は全く読んだことがありませんので、原作との比較はできません。
 個人的には、かなり脚色しているように感じましたが…。
 「閉じられた森」は、ラストで明かされる真実が説得力に乏しく、イマイチに思いました。

2021年3月20日 ページ作成・執筆

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