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倒産・動向記事

2011/04/04 (月) 10:36:09
業 種ホテル業
商 号王子リゾート株式会社
 <オウジリゾート>
企業コード610385935
所在地岡山県
倒産態様特別清算開始決定受ける
負債額負債38億円
「岡山」 王子リゾート(株)(資本金5000万円、玉野市永井2726、代表清算人安田寛氏)は、3月16日に岡山地裁より特別清算開始決定を受けた。

 当社は、1988年(昭和63年)12月に玉野市が出資する第三セクター方式で設立されたホテル業者。瀬戸大橋の開通に伴い、それまで四国からの旅客に対する本州側の窓口であった玉野市を取り巻く環境が厳しくなることが予想されるなか、地域振興を目的に大規模なレジャー施設を建設する計画を進め、玉野市と地元企業の事業化支援を国に要請。環境庁(当時)が全国で5カ所指定した国立・国定公園施設整備事業の第一号に選ばれ、外郭団体の環境事業団が総合保養地域整備法(リゾート法)による財政投融資を活用して約40億円を投じてホテルを建設することとなった。ホテルは、瀬戸内海を一望できる王子が岳(標高234メートル)山頂近くに、「王子アルカディアリゾートホテル」の名称で、10階建てのホテルを92年に着工、93年9月の建物完成を経て、当社がホテルを運営する受け皿会社として買い取り、内装工事を経てオープンする予定であった。

 しかし、バブル経済が崩壊した状況下で、かつ過少資本でスタートしたため、内装工事代金の支払いが滞り、新たな資金調達が困難となり工事を中断。その後、当社の初代社長が死去し事業計画も立てられぬまま、実質的に休眠状態となっていた。こうしたなか、当初の売買代金の支払いが滞っていたため、債権者の環境事業団より同物件が差し押さえられた後、2006年5月に競売を経て地元不動産業者オーナーが落札していた。

 その後も、各機関との調整がつかず、建築工事が再開されることもなく、2010年3月25日開催の株主総会で解散を決議していた。

負債は約38億円が見込まれる。


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