累計3700万部突破の大ヒットコミック『七つの大罪』。アニメ化もされ、このたび映画としては2作目となる『劇場版七つの大罪光に呪われし者たち』が公開に。
「ゲスト声優のオファーをいただいたときは“やらせてください!”と即答したものの、自分はこの声しか出せないので、大丈夫かな、と。喜び7割、不安3割という感じでしたね」
最近やらかしてしまった“大罪”
麒麟の川島明が声を吹き込んだのは、魔神族の精鋭部隊“十戒”の1人であり主人公・メリオダスの弟(ゼルドリス)に仕える魔神。
「ファンが多いし、自分も作品のすごさはよくわかっているので、邪魔だけはしたくないなと思いました」
同じくゲスト声優で、別の魔神役のノンスタイル・井上裕介とともにアフレコを行った。
「朝からのど飴しか食べてません。のどの最終履歴をのど飴にしておきたくて(笑)。やっぱり、米のひとつでも引っかかったら、失礼にあたりますんで。のどとしてはだいぶ絶好調の状態で絞り出せました」
では、NGを出すこともなく?
「いや。“もっとゆっくりしゃべってください”“少しテンションを上げてください”などと言われ、恥ずかしいなぁと思っていたら、井上君も同じくらいNGを出してくれて(笑)。やはり、バラエティーとは違う空気ですし。とにかく、一生懸命やりました」
原作マンガはコミックスでもデジタルでも、全巻そろえているほどのファンだという。
「僕は全マンガ、いったんデジタルで買って、移動中とかにスマホで読んでますね。で、“何十年後も読むんだろうな”という作品は紙媒体でも買う。でも家族がいるんで、そんなことをしてると本棚がパンパンになってしまう。
ウチはベッドがめちゃくちゃでかく、下に引き出しが2つありまして。そこに『七つの大罪』を含めた、お気に入りマンガは入れています。寝る前にさっと取り出して読めるので」
そんな川島に、最近やらかしてしまった“大罪”を尋ねてみると、
「大罪をやってたら、僕は今、ここにいられてないと思うので(笑)。小罪? 僕には3歳の娘ともうすぐ1歳になる息子がいて。ウチの奥さんは結構“何々は買い与えるな”って言うんですが、そんなに遊ぶ時間があるわけじゃないので。
娘が“新幹線に乗りたい!”って言ったら、こっそり品川から東京まで乗せましたし。欲しいと言ったものはとりあえず買い与えてますから。もうデレデレです(笑)」
将来的には『七つの大罪』を読ませてあげたい?
「もちろん。“こんなすごい作品にお父さんは出ていたんだよ”と自慢する日が楽しみですね。あと、その威光を借りて、反抗期を回避したいですね(笑)」
“笑いごとじゃないよ!”(笑)
テレビで川島の姿を見ない日はないほどの大活躍。好感度も高い。4月からは、朝の情報バラエティー番組『ラヴィット!』(TBS系)と音楽番組『シブヤノオト』(NHK総合)でMCも。本作の声優を含め、活動領域をぐんぐん拡大させている。
「ありがたい話です。でも、声優はゲストなので(笑)。今、42歳なんですけど、先輩を含めた周りの芸人を見ていると“今がピークか?”と思うほど頑張っていたり、輝いていたりする人が多い。だから“もう42歳”ではなく“まだ42歳”。何でも挑戦していきたい気持ちが強いです」
春からは生活時間もだいぶ変わったのでは?
「夜8時には布団に入ることを目指してますね。ほぼ3歳児と同じスケジュールになってます(笑)。僕は基本、10時間は寝たいタイプ。やっぱり、しっかり寝た人がいちばん面白いと思っていて。
ちゃんと実力が出せるから。寝てない自慢するやつに限って、噛み倒してますからね(笑)。やっぱりクオリティーを下げたくないので、何とか寝るようにしています」
そんな多忙な日々を送る中で、癒しになっているものは、
「完全に子どもですね。もう今はそれだけですね。娘が食事中にフォークで遊びだすと、ウチの奥さんは怒る。でも娘は笑う。すると奥さんは“笑いごとじゃないよ!”ってさらに注意するんですが、そのワードがえらくお気に入りで。それが言いたくてたまらない。
僕が歯磨きしてたら、風呂から出てきた娘が、全裸でめっちゃ尻を振ってきて。さすがに笑ったら、“笑いごとじゃないよ!”と(笑)。笑わせておいて、それはズルいでしょ(笑)」
さすが芸人の娘! さらにはこんなほっこり話も。
「近所を歩いていたら、“ウチの息子は保育園嫌いだったのに、川島さんの娘さんが隣に座ってくれたり、しゃべってくれたりするから、家で娘さんの話ばかりしています”と言われまして。しゃべらない子に振ってあげたりしてるんでしょうね」
それはまさに、ひな壇で芸人がさりげなく話題を振ったり、質問したりすることで話を広げていく“裏回し”。
「もう、やっていることは父親とあんま変わらへんなぁと思ってます(笑)」
切れ長な目を、さらにさらに細めた。
『七つの大罪』の魅力って?
「個人の感想になるんですけど、物語が進む中で、主役のメリオダスを含めてキャラクターのポジションがバンバン変わる。このシーズンの主役はバンだったな、エリザベスだったな、みたいな。フォーメーションによってフォワードが変わる感じ。影が薄かったアーサーが後々ドーンとメインになったり。いい意味で不安定なので、目が離せないですね」
原作は41巻もある大作だけど、この劇場版だけを見ても楽しめる?
「もちろん! きれいで可愛らしいキャラ、カッコいいキャラがたくさん出てきますが、個性が違うので分別がつきやすい。そして、丁寧にエピローグからやっておりますんで。映画を見終わったころには“何かこのキャラ好きやな”“このキャラのクリアファイル欲しいな”っていう推しが、久しぶりにできていると思いますよ」
〈憤怒の罪〉・メリオダス率いる史上最凶最悪の騎士団〈七つの大罪〉の活躍により、人間、女神族、妖精族、巨人族ら四種族が魔神族と争った『聖戦』は終結。その後、大罪人たちはそれぞれの道を歩んでいた―。