ERP

「中小企業のDXをクラウドERPで推進」--GRANDITが新サービスで挑戦

本連載では、筆者が「気になるIT」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、GRANDITの「GRANDIT miraimil」を取り上げる。

中小企業向けに特化したクラウドERPを提供する思いとは

 今回、このサービスを取り上げたのは、ユーザー系SI企業を中核としたコンソーシアム形式による共同開発や、中小企業向けに特化した国産統合型クラウドERPであることに興味を抱いたからだ。

写真1:GRANDIT代表取締役社長の石倉努氏
写真1:GRANDIT代表取締役社長の石倉努氏

 GRANDITが7月6日にオンラインで開いた発表会見では、同社代表取締役社長の石倉努氏が図3を示しながら、「私たちが提供するGRANDITはユーザー系SI企業が集まり、日本企業にとって本当に使いやすいERPをつくろうという思いから誕生した」と説明。コンソーシアムによる運営体制は図4に示す通りである。

図3:GRANDITコンソーシアムのスキーム(出典:GRANDIT) 図3:GRANDITコンソーシアムのスキーム(出典:GRANDIT)
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図4:GRANDITコンソーシアムによる運営体制(出典:GRANDIT) 図4:GRANDITコンソーシアムによる運営体制(出典:GRANDIT)
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 石倉氏によると、GRANDITコンソーシアムは顧客視点に立ち、日本企業に最も適し、最新技術基盤を採用したERPパッケージソフトを開発するために2003年10月に設立された。製品完成後も製品とサービスの絶え間ない成長を目指し、定期的な活動を続けているという。

 ちなみに、オンプレミス型GRANDITは2004年に提供を開始し、これまでに国内1200社を超える導入実績がある。

 また、石倉氏は中小企業向けに特化した国産統合型クラウドERPを提供する思いについて次のように語った。

 「中小企業ではDX化が進んでいないのが現状だ。その大きな要因としてIT人材不足がある。中小企業では『ひとり情シス』と言われるようなIT担当者への業務の過集中や属人化により、社内システムの刷新や最適化が妨げられている。こうした中小企業の状況を踏まえたシステム導入により、クラウド化や自動化による業務効率化が急務となっている」

 会見ではmiraimilのデモンストレーションも行われたが、「使いやすさ」は筆者も十分に感じることができた。石倉氏は「中小企業向けにこれだけの機能を統合しつつ使いやすいクラウドERPというのは比類が無く、業界初だと自負している」と強調した。

 だが、この領域は既に多くの導入実績を持つ財務会計パッケージが複数存在し、それらもこぞってクラウドERPへと変身を遂げつつある。その意味ではまさしく激戦市場だが、その中でmiraimilが確固たる存在感を示せるかどうか、注目していきたい。

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