無人機は戦闘機のパイロットが操作して複数の機体を同時に飛ばし、戦闘機と無人機の編隊を構成する。無人機から得られた情報を戦闘機が統合して活用する。有人機と無人機がワンチームとなることから「チーミング」と呼ばれ、人的資源が節約できる一方で対処力は強化される。
すでに中国やロシアは戦闘機と連携する無人機の開発を進めている。数的に有利な中ロでさえ導入する技術を戦闘機数で劣る自衛隊が導入するのは必然ともいえる。
防衛省は、当時防衛庁だった1995年から無人機の研究を開始。昨年12月になってようやく運用構想が固まり、2021年度防衛費に無人機の飛行制御技術と有人機側の遠隔操作技術の獲得に必要な経費などに約16億円を計上した。
つまり次期戦闘機の開発費を押し上げる要因のひとつは、過去の戦闘機開発では想像さえしなかった無人機との連携といった関連経費が含まれるためだ。
空中戦といえば、戦闘機同士が近距離で戦うドッグファイトを連想する。しかし、ミサイル技術や情報共有のためのネットワーク技術の進展により、近年、空中戦の様相は大きく変化した。
今では肉眼では見えない遠方からミサイルを発射する戦い方が主流だ。この戦いではレーダーに映りにくいステルス機が優位になる一方、情報を複合的に組み合わせて敵機の位置を正確に把握する機能が求められる。
このため次期戦闘機には、機体にステルス性を持たせると同時に敵のステルス機を発見し、相手から妨害波を浴びても戦える能力を保持する技術が求められている。そのため新規事業が数多くあり、やはり開発費高騰の要因となっている。
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