どのようなハラスメントが存在するのか例をフォークドロードが解説します。
パワーハラスメント
パワーハラスメント(パワハラ)は職務上の優越的な立場にある者が、業務の範囲を超えて身体・精神的に苦痛を与えたり、就業環境を害する言動です。例えば明らかに業務時間内に収まりきらない量の仕事を課したり、プライベートへの過剰な干渉などが挙げられます。上司や先輩が「指導」だと思っていても、部下が苦痛に感じた場合、パワハラと受け取られかねません。接し方に頭を悩ませる上司も多く存在するでしょう。
セクシャルハラスメント
セクシャルハラスメント(セクハラ)は相手の意に反する、性的な言動です。例えば不要なボディータッチや、執拗な食事への誘いなどが該当します。なお同姓に対する性的な言動も、セクシャルハラスメントの対象です。
アルコールハラスメント
アルコールハラスメント(アルハラ)は飲酒にまつわる嫌がらせや迷惑行為、人権侵害となる言動です。無理にお酒を強要したり、飲めない・飲まないことを侮辱する行為が当てはまります。アルコールハラスメントは急性アルコール中毒や、昏睡状態を引き起こし、傷害に発展する可能性もあります。
ジェンダーハラスメント
ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)は女性、男性という社会通念上の性差を理由とした、差別的な言動です。「なぜ子供をつくらないのか」と女性に尋ねたり、「男なのにこんなこともできないのか」と男性に叱責する行為が挙げられます。
マタニティハラスメント
マタニティハラスメント(マタハラ)は女性の妊娠・出産・育児休業などを理由とした嫌がらせや不利益となる言動です。なお男女雇用機会均等法では妊娠・出産を理由とした、降格や解雇などの不利益な取り扱いを禁止しています。
時短ハラスメント
労働人口の減少や長時間労働の慢性化が社会問題となり、日本では働き方改革が進行しています。年次有給休暇の取得義務や時間外労働の上限規制など法案も施行されたこともあり、経営陣から残業に関する注意を受けないために、残業時間を削減するよう圧力をかける管理職が増えました。この行為が時短ハラスメント(ジタハラ)です。業務量が減っていないにも関わらず、残業時間のみが減る場合、サービス残業や自宅持ち帰り業務などの温床となります。企業や組織が労働時間を減らす努力をせずに、労働時間を制限する企業は多く、昨今増加しているハラスメントでしょう。
エイジハラスメント
エイジハラスメント(エイハラ)は年齢を理由とした、嫌がらせや人権侵害となる差別的な言動です。「その歳でまだ結婚していないのか」「これだからゆとり世代は」といった発言や、目上の方に対して、「昭和生まれ」などと発言することが該当します。独身の方に対する差別は、セクハラに分類されたり、「マリッジ・ハラスメント(マリハラ)」と呼ばれることもあります。
セカンドハラスメント
セカンドハラスメント(セカハラ)は、あるハラスメントを受けた被害者が、その内容を周囲に相談した際、その被害者が責められたり、嫌がらせを受ける、二次的なハラスメントです。被害者が相談したにも関わらず、さらに責められる結果となるので、より精神的に追い込まれますし、企業がハラスメントを容認している結果となりかねないため、未然の対策が不可欠です。
エアーハラスメント
エアーハラスメント(エアハラ)は、ふたつの意味があります。
1.場の雰囲気を意図的に険悪にし、相手に精神的な苦痛を与えたり、評価を下げようとする言動
2.エアコンの温度を、特定の人物が体調不良を起こしたり、業務に支障をきたす温度に設定するハラスメント
1の意味におけるエアーハラスメントはパワーハラスメントとも捉えられるため、職場においては、1が問題となるケースが多いといえるでしょう。
テクノロジーハラスメント
テクノロジーハラスメント(テクハラ)はPCやスマートフォン、タブレットなどのデバイスの操作が苦手な人物に対する差別的な言動です。例えば説明する際に、相手がわからないであろう専門用語を意図的に使い続ける行為が挙げられます。
その他のハラスメント
この他にも、「ソーシャルメディアハラスメント(ソーハラ)」というハラスメントも存在します。このハラスメントはSNSにおけるフォロー申請や自分の投稿に対する反応の強要、投稿へのチェックコメントなどが該当します。また体臭や香水などで不快な思いをさせてしまう「スメルハラスメント(スメハラ)」など次々と生まれるため、ハラスメントに関する情報はアップデートし続ける必要があるでしょう。
「何もできないのではないか」と感じられた方もいるでしょう。その考え方は非常に重要です。大切なのは、ハラスメントの種類ではありません。どんなことでも相手が不快に思う言動はハラスメントになる、という認識を持つことです。