クラウドコンピューティングやネットワークの仕組みとオンプレミスとの違いとは
AWSは代表的なクラウドコンピューティングを提供するサービスです。では、クラウドとは、そもそもどのようなサービスなのでしょうか?
クラウドコンピューティングの仕組みを学びつつ、オンプレミスとの違いについて解説いたします。
「AWSはクラウドです!」といわれても、そもそもクラウドが何なのか分からない人も多いでしょう。
クラウドとは、いつでもどこでもインターネット回線を利用してアクセスできる環境のことを指します。クラウドサービスの代表格としては、MicrosoftのOffice 365やGoogle、AWSなどのファイルストレージサービス、音楽配信サービス、画像、動画の保存サービスなどがあげられます。
これらクラウドサービスの利用者はスマホやPCからインターネットに接続して利用しています。クラウドを利用しない場合は、自分の持っている端末にインストールしたソフトウェアや保存したデータしか使えません。
クラウド環境を使えば、インターネット上の画像や動画・音楽・ソフトウェアなどのリソースを使えたり、データをローカルストレージに保存するようにクラウドストレージに保存することもできます。
またクラウド環境は自分で作ることもできれば、レンタルする事もできます。
ローカルとクラウドの違い
ローカルの場合
- スマホやPCなどの本体ストレージに保存したデータを、インターネット接続なしに利用できる
クラウドの場合
- スマホやPCなどの本体ストレージに保存していないデータを、インターネット接続にして利用できる
インフラをまるごと借りられる「クラウドコンピューティング」

クラウドの中でもサーバーやネットワークなどのインフラ一式をレンタルできるサービスが、AWSやMicrosoft Azure、Google Cloud Platfromなどです。
このように、クラウド上に用意されたインフラを利用するサービスや、利用することをクラウドコンピューティングといいます。
日本では単に「クラウド」といえば、一般的に「クラウドコンピューティング」のことを指します。
クラウドコンピューティングでは、仮想化技術を用いて、いつでもどこでも好きなようにサーバーやインフラを作って運用できるしくみが構築されています。利用するときは、これらのインフラやサーバー機能をレンタルすることが主流です。
レンタルなら、ハードウェアやネットワーク機器など、物理的な設備を保有する必要がないからです。
オンプレミスとレンタル

クラウドといえば「オンプレミスから次世代クラウドへ」などの広告文をよく耳にします。
オンプレミス(on-premies)とは、自社でサーバー機器を用意することを言います。不思議に思うかもしれませんが、データセンターにサーバーを置いたとしても、それは「オンプレミス」です。
なぜなら、所有権が自社にあるからです。レンタルサーバーとの違いが難しいですが、サーバーのみを借りているものは、レンタルサーバーと呼ぶことが多く、ネットワークや場所などを借りている場合は、オンプレミスと呼ぶ傾向にあります。
オンプレミスのメリットは自社で自由に設計・運用できることです。ただし、その分だけ頻繁なサーバー機器の構成や変更や、メンテナンスに追われたり、技術スキルのあるスタッフも必要とします。
では、オンプレミスの対義語はクラウドなのでしょうか、対義語とされる事も多いですが、厳密には違います。オンプレミスの対義語はオフプレミス(off-premises)という言い方もしますが、一番近いのはレンタルやパブリックでしょう。
自社で所有・運用するのではなくレンタルや、公共の場に用意されたりしたものを使用する形態です。
レンタルのメリットは、自社で管理する必要がないことでしょう。基本的には提供するサービス会社側が全てのメンテナンスを行いますので、技術者を用意する必要もなく、手間がかかりません。
デメリットは、提供する側のルールに縛られることです。OSのアップデートやインストールできるソフトウェア、料金プランによって構成に制限がある事も多く、自由度と値段は比例します。
パブリッククラウドとプライベートクラウド

なぜこのような、単語の説明を細かくしているかと言うと、クラウドにはパブリッククラウドとプライベートクラウドがあるからです。
パブリッククラウドとはAWSのようなレンタル制のクラウドのことです。一方、プライベートクラウドは、自社で構築するクラウドです。
クラウドとは、あくまでも「インターネット経由で利用できるIT資産(データファイルなど)」なので、必ずしもレンタルする必要はないです。もちろん自社で構築が可能です。
大きな開発会社などはレンタルせずに、プライベートクラウドで運用しているところもあります。
つまり、「オンプレミスからクラウドへ」といった場合には2つのじくで変化が起こります。1つは自社運用からレンタルへ、もう一つは非クラウド型から、クラウド型へ変化します。
現在の環境と、AWSなどクラウドサービスを比較した場合、それぞれの特徴が見えてきますが、それがどちらの軸によるものなのかを切り分けつつ、自社にあう形態と選択することが重要です。
2つの軸における変化

このようにオンプレミスとクラウドは、完全に対比する言葉ではありませんが、「自社で物理的に全てを構築・運用する」の体制から、「クラウド環境をレンタルし、利用する」体制へと大きく動きつつあるのだと、理解しておきましょう。
クラウドとオンプレミスとの違い-まとめ-
-まとめ-
- クラウドとはインターネットごしにアクセスできる環境のこと
- AWSやGCP、Azureはクラウドコンピューティングを提供するサービス
- オンプレミスとは自社でサーバー機器などを用意すること