AWSの導入事例-大手企業や政府機関での採用も多数-
AWSは、どのような場面で導入されているのでしょうか。
事例としてよく紹介されているのは大きいプロジェクトが多いものの、AWSの強みはそれだけではありません。自社の目的や事業者によって組み合わせたり、どのような形の運用が考えられるのか見ていききましょう。
日本国内でのAWS導入事例が多くなってきました。AWS公式サイト(https://aws.amazon.com/jp/solutions/case-studies-jp/)でも、複数の会社の導入事例が紹介されています。
AWSは用途に応じたさまざまなサービスを提供しているため、導入事例もさまざまです。代表的なサービスであるAmazon EC2やAmazon S3の導入事例もあればビックデータやロボットフレームワークを使っているケースもあります。
また個人やスタートアップ企業から、エンタープライズ企業まで幅広い顧客が導入しています。AWSを導入するからといって全てをAWSにする必要はありません。
他のレンタルサービスや自社のインフラと組み合わせるのが合理的であれば、組み合わせて良いのです。まずはどのような導入が向いているか、よく検討するのが肝心です。
例えば、化粧品販売のコーセーは、顧客情報管理システムをAWSに移行しました。これにより、運用保守負担および、コストの削減に成功しました。タブレットやスマホなどのマルチデバイスにも対応しています。
また全農ビジネスサポートでは、プライベートクラウドを利用して、JA全農グループに対するセキュアな会計システムを構築しました、
東芝メディカルシステムズでは、医療機関で撮影したX線、CR、MRIなどの画像データの保存にAWSのAmazon S3を採用しています。参考になる導入パターンから検討すると良いでしょう。
AWSは多くの企業でさまざまな導入がされています
- Webサイト・コンテンツ配信
- Web・モバイルアプリケーション
- 基幹・業務システム
- 用途に応じた分析
- ビックデータの活用
- バックアップ・災害対策
- スタートアップ企業
- 政府・教育機関
- エンタープライズ企業
- 金融・証券サービス
導入事例1 小規模なブログサイトの例

WordPress(CMS)を利用した、小規模ブログサイトの例です。WebサーバーとDBサーバーで構成されており、WebサーバーにはWordPressがインストールされています。
小規模なブログサイトの例
- VPC(仮想ネットワーク)
- WordPressをインストールしたWebサーバー(EC2)
- DBサーバー(RDS)
- EC2インスタンス(サーバ1)×1
Webサーバして使用、WordPressのソフトウェアをインストールします。 - RDSインスタンス(DBサーバー)×1
通常はマルチAZ(物理的に独立した複数の拠点で運用すること)にして冗長構成をとります。WordPressに必要なDBサーバーとして使用します。 - VPCはAmazon EC2やAmazon RDSを利用するのに必要な仮想ネットワークです。
導入事例2 中規模なブログサイトの例

WordPress(CMS)を利用した、中規模ブログサイトの例です。Webサーバーを2台構成で負荷を分散し、商品登録用サーバー、DBサーバー、画像・動画サーバーでが別になっています。
中規模なブログサイトの例
- VPC(仮想ネットワーク)
- ロードバランサー(ELB)
- WordPressをインストールしたWebサーバー(EC2)×2
- DBサーバー(RDS)
- 商品登録サーバー(EC2)
- 画像・動画サーバー(S3)
- EC2インスタンス(サーバ)×3
Webサーバー2台と商品登録サーバー1台として使用します。 - RDSインスタンス(DBサーバー)×1
通常はマルチAZ(物理的に独立した複数の拠点で運用すること)にして冗長構成をとります。WordPressに必要なDBサーバーとして使用します。 - S3バケット(ストレージ)×1
画像・動画サーバーとして使用します。 - EBL(ロードバランサー)×1
サーバーに負荷がかると別のサーバーに処理を移動する負荷分散装置 - VPCはAmazon EC2やAmazon RDSを利用するのに必要な仮想ネットワークでAmazon S3はVPCの外側に置くサービスです。
導入事例3 業務システムの例

業務システムをAWSで構築した例です。業務システムサーバーおよび、認証サーバー、DBサーバー、ファイルサーバーで構成されています。
業務システムの例
- VPC(仮想ネットワーク)
- 業務システムサーバー(EC2)
- 認証サーバー(EC2)
- DBサーバー(RDS)
- ファイルサーバー(S3)
- 社内からの接続(Direct Connect)
- EC2インスタンス(サーバ)×2
業務システムサーバーと認証サーバーとして使用します。 - RDSインスタンス(DBサーバー)×1
通常はマルチAZ(物理的に独立した複数の拠点で運用すること)にして冗長構成をとる。WordPressに必要なDBサーバーとして使用します。 - S3バケット(ストレージ)×1
ファイルサーバーとして使用し、接続にはゲートウェイエンドポイントを使用します。 - Direct Connect(接続回線)×1
社内からの接続用回線として使用します。 - VPCはAmazon EC2やAmazon RDSを利用するのに必要な仮想ネットワークでAmazon S3はVPCの外側に置くサービスです。
導入事例4 集計システムの例

ECサイトなどの状況を集計するシステムの例です。Webサイトから収集したログや売り上げデータを保存し、集計・解析した結果を書き出します。
集計システムの例
- VPC(仮想ネットワーク)
- ECサイトなど(EC2)
- 売り上げやログデータ受け取り、結果の書き出し(S3)
- 集計・解析(Redshit)
- EC2インスタンス(サーバ)×1
ECサイトなど。サイトの構成によって異なります。 - Redshift(データウェアハウス)
集計・解析サーバーとして使用します。 - S3バケット(ストレージ)×2
売り上げやログデータの保存と書き出し先として使用します。 - VPCはAmazon EC2を利用するのに必要な仮想ネットワークでAmazon S3はVPCの外側に置くサービスです。
導入事例5 ゲームサイトでオンプレミスとAWSを併用するの例

ゲームサイトで、オンプレミスで用意したサーバーと、AWSサービスを併用する例です。
全てをAWSで構成すると、システムによっては高額になってしまします。そこで、固定で考えられる部分はオンプレミスで用意し、イベントなど変動率の高い部分をAWSで構成することで、弾力性を持たせるシステム構成となっています。
オンプレミスとAWSを併用する例
オンプレミス
- ロードバランサー
- Webサーバー×2以上を規模に応じて追加
- DBサーバー2以上を規模に応じて追加
AWS
- DNSサーバー ラウンドロビン(Rote 53)
- VPC(仮想ネットワーク)
- ロードバランサー(ELB)
- Webサーバー(EC2)×2以上を規模に応じて追加
- 画像やログの保存、HTMLの静的Webサーバーとして使用します(S3)
- DBサーバー(RDS)×2以上を規模に応じて追加
- DBサーバー(DynamoDB)
- EC2インスタンス(サーバ)×複数
Webサーバー、APIサーバーとして使用します。 - RDS(DBサーバー)×複数
RDSサーバとして使用します。レプリケーションするため複数台であることが多いです。 - S3バケット(ストレージ)×複数
画像やログの保存やHTMLの静的Webサーバーとして使用します。 - ELB(ロードバランサー)
ロードバランサーとして使用します。複数の場合もあります。 - DynamoDB(DBサーバー)×複数
キューバリューストア型DBとして使用します - VPCはAmazon EC2、ELB、RDBを利用するのに必要な仮想ネットワークでAmazon S3やDynamoDBはVPCの外側に置くサービスです。
導入事例6 その他

このほかにも、開発サーバを手軽に何台も作る、キャンペーンサイトやテレビのアンケートシステムのような一時的に負荷のかかるサイトを作る、日本国内で大災害が起きても大丈夫なように海外にバックアップを取る構成にする、とても多くの計算能力を必要とする機械学習を行うなど、様々なAWS運用の事例があります。
AWSの導入事例-まとめ-
AWSの導入事例-まとめ-
- AWSは日本国内でも多くの企業に導入されている
- AWSをどのように導入するのかよく検討することが肝心である