東京〇〇病院

院長 〇〇〇〇・画像診断科 〇〇〇〇

紙やパソコンと格闘する時間を減らし、患者と向き合う時間を増やしたいと考えました。

 

■【今日の問診票】の利用状況

当社:病院では「今日の問診票」をどう使っていますか。

開業医:東京北部病院では初診患者の問診に利用しています。当院の外来数は1日あたり平均300名、初診問診は1日平均10件程度(多いときで20件)です。

今日の問診票内臓のタブレットを5台用意し、日々運用しています。
「問診から診察への流れ」は次のとおりです。

受付に患者さんが来られましたら「問診をお願いいたします。こちらのタブレットに質問が表示されるので順にお答えください。5分程度で終わります」と説明し、タブレットを手渡します。

患者さんが操作を終えると、タブレットが受付に戻されます。そのタイミングで直ちに拭き取り消毒も実施します。

患者さんが操作を終えた時点で、問診データは医師のPCで表示可能になります。医師はPC上で問診内容を一読し、診察に臨む。というのが流れです。

■ 患者さんの反応

当社:患者さんが、タブレットを使うAI問診に拒否反応を示すことはありますか。

一定数あります。反応には2種類あり、一つは「機械やPCに対する拒否感」です。
もう一つは「高齢者の方の中で、タブレット操作が不可能」というもので、これは拒否ではありませんが現実的に難しいというものです。
このような場合は、ご家族が同伴している場合は、その方に操作を依頼します。
ご家族が患者さんにタブレット画面を見せる、あるいは内容を口頭で伝えるなどしていただき、タブレット操作をご家族に行っていただきます。
ご家族の同伴がない場合は、担当職員が補助します。当院では、受付職員とは別に「問診補助」の要員を設定しています。

担当職員は午前中、受付がある1階で自分の仕事をしています。問診補助が必要になった場合は受付に出向き、患者さんのタブレット操作を補助または代行します。
当院の患者さんはご年配の方が多く、ある程度の拒否反応があることは最初から見込んでいました。とはいえ対応手順を定めれば、現場が混乱することはありません。
しかしながら一方で「AI問診を歓迎する反応」も一定数あります。
ご年配の方から、「便利になったねえ」「病院もいろいろ良くなるんだねえ」のように、タブレットを渡したその場で喜びの声が上がることも、少なからずあります。

■AI問診を導入した理由

当社:AI問診を導入した目的を教えてください。

開業医:大きくは次の3点です。
【患者さん満足の向上、感染症対策】
患者さんの在院時間を減らす。

【医療現場のDX化の推進】
医療DX化の「入り口」としてのAI問診。

【医療の質の向上】
医師や看護師は紙やパソコンではなく、患者さんに向き合う。

■患者さんの在院時間を減らす

当社:目的1.「患者さん満足の向上、感染症対策」とは具体的には。

開業医:現在コロナウイルスが蔓延しており、医療機関は十分な対策を取る必要があります。
当院で実施している対策の一つとして、今日の問診票の導入が挙げられます。
これにより「在院時間の低減」「社会的距離の確保」が推進されると期待がありました。
まず「在院時間の低減」。
感染症対策の観点で言えば、多くの人がいる場所には長く留まらない方がよい。診療時間はともかく、待ち時間や問診時間はなるべく短くし、合計の在院時間を低減したい。ここでAI問診が役立ちます。

次に「社会的距離の確保」。どの場所でもそうですが、不特定多数の方が出入りする外来では特に、人と人が必要以上に近づかない、近距離で話をし続けないことが重要です。
AI問診を使えば、受付職員と患者さんが必要以上に長時間の会話をする必要がなく問診が完了します。
紙の問診と比較しても、手渡しの作業が最小限になりますし、タブレットは消毒も可能なためそういう意味でもメリットもありました。
在院時間の低減は、コロナ禍が起こる以前から望まれていたことでした。みなさん、病院に長い待ち時間があるよりも早く帰れる方が嬉しいわけです。
AI問診を活用した滞在時間の短縮が、患者さん満足度の向上にもつながっていると考えます。

■医療DX化の「格好の入り口」

当社:目的2.【医療現場のDX化の推進】とは。

開業医:医師の観点から申し上げますと、救急医療を中心とした急性期医療を行うには、患者さんの容体を迅速に判断し、的確に対処することが重要です。そのために、病院業務のDX化はきわめて有効です。
先日、象徴的な場面がありました。
ある日、院内で会議をしている最中、院内用スマホが鳴り、豊島区の関連クリニックに激しい腹痛を訴える患者さん様が来られました。CTが取れたので直ぐに見て欲しいとの依頼でした。
手元のスマホで、VPN(仮想専用ネットワーク)で接続されたPACSビューアー(医療画像を見るソフト)でただちにに画像を確認。患者さんの状態を伺い、『これは手術適応ですので、すぐに救急車を手配し、患者さんを転送してください』とお伝えました。
所要時間は10分程度。このスピード感が実現するのは、業務をDX化しているからこそです。

これがもし中途半端なIT導入ならどうなるか。
他院でCT画像をCD-ROMに焼く、封入、患者さんが手紙を持って来院、到着、受け取り、開封、CD-ROMへのウイルス検査、電子カルテに取り込み。
この過程を経て、やっと私がCTを見ることができる。これでは時間がかかりすぎます。
このように病院のネットワーク化、DX化は喫緊の課題ですが、現実には遅々として進みません。
病院間の情報共有も、実現はまだ先のようです。
だが嘆いていてもしかたがない。できるところから始めるしかない。

はじめて今日の問診票のことを知ったとき、「診療の入り口である『問診』から電子化するだけでなく、AIで医師言語に変換+参考情報まで記載される」というのは良い着眼点だと感心しました。
問診にAI技術を取り入れていれば、患者さんにも「この病院は、新しいことに取り組んでいる」と思ってもらえる。これは病院の業務改善、DX化を進めるための、格好の入り口だと感じました。

■医師は紙やパソコンではなく、患者さんに向き合う

当社:目的3.【医療の質の向上】とは。

開業医:医療のDX化に対し「医師がパソコンばかり見て、患者さんと向かい合わなくなる」という意見があります。これは話が逆で、実はDX化が進めば進むほど、医師や現場職員がパソコンや紙と格闘する時間が減り、その分、患者さんに向かい合う時間が増えます。
DX化は重要です。しかし医師は診察中にキーボードをカチャカチャと叩いていてはいけません。
基本的には診察後に問診票の内容を含め電子カルテに入力しますが、これもまた時間と労力を要し、その上、問診内容の誤転記の危険がある。
転記業務は極力減らせるに要したことはありませんし、できればゼロにしたい部分です。
さて今日の問診票ですが、患者さんがタブレットで問診し、医師の端末で問診データを見る。この過程に、紙も転記も発生しません。
PC上に表示された問診内容は、電子カルテに一瞬でコピー&ペーストできる。そして医師は診察の中で得られた情報の追記など、やるべき業務に注力できます。

■【今日の問診票】との出会い

当社:今日の問診票のことは、どのように知りましたか。

開業医:最初に知ったのは、2年前、日経新聞の記事を読んだときです。「若手医師主導のおもしろいベンチャー企業が出てきたな」と感心しました。
そして今年、コロナ対策のためオンライン診療を導入することが院内で決まったのですが、そのタイミングで思い出しました。
流れで院内に提案したところ、「よい考えなので精査、検討する」となりました。

■ 現場医師、受付職員の反応

大きくは、先ほど述べた課題、「患者さんの在院時間の低減できるかどうか」、「紙やパソコンと格闘する時間を減らせるかどうか」、そして「費用が合理的かどうか」を基準に検討しました。
そして「使いやすさ」も重視しました。当院の患者さんには年配の方が多い。そのみなさんが無理なく簡単に使える必要がある。この点では、字も大きく画面も見やすく、色合いも目に優しく健康的。見た目と操作性はきわめて良好でした。
院内の医師13名にも意見を聞きました。もちろん温度差はありますが、みな肯定的な反応でした。
「これはいい、すぐ入れよう!」という歓迎から、「別にいいんじゃないですか」という緩い肯定まで様々です。しかし反対する声はありませんでした。

つづいて受付職員十数名にも意見を聞きました。
正直、最初は大半が否定的な反応でした。仕事が増えるんじゃないかと思ったようです。
これについては、導入目的をよく説明し、実物も見せて触ってもらい、簡便さを納得してもらいました。
こうして今日の問診票の導入が決定しました。2020年8月のことです。

■ ユビー導入の手順

当社:現場への導入はどのように行ったのですか。

開業医:次のような手順で導入しました。

【機器の到着】

発注後、タブレットやスキャナなどユビーがインストールされた状態で各種ハードウエアが届く。

【リハーサル】

その機器を使い、院内でリハーサルを実施。職員が患者さんの役となり、来院~問診するまでの課程を演習する。
この時、ネットワーク接続など運用上の諸問題も洗い出し、つぶしていきます。

【試験運用】

発熱外来で実際の患者さんを相手にテスト運用を行いました。このときコロナ対策の観点から、タブレットに「さわる」ことに抵抗感を持つ患者さんもいました。
ここでユビーの来院前問診機能を使いました。患者さん本人のスマートフォンでユビーのQRコードを読み取れば、その後はそのスマートフォン上で、タブレットを使うのと同様にAI問診できるという仕組みです。
これは患者さんに好評でしたし、タブレットを追加しなくても済むため費用的な負担もありませんでした。

【申請開始】

2020年11月4日。ついに一般外来で運用開始。この日はユビーの担当者も、不具合などに備え同席してくださいました。

しかし、特に何事も起こらず、無事に稼働開始に至りました。

■ 使ってみて分かった評価

当社:使ってみて分かった今日の問診票への評価をお聞かせください。

開業医:その他問診情報を医師のPCに表示する際、AIがその情報を「医師向けの表現」に変換します。このAI変換の精度は、最初にデモを見た段階では「まあまあかな」という印象でした。
しかし、使い続けるにつれ、精度が格段に向上しており驚いています。
変換後の文章に対し医師が、それは間違っている、こう書くべきである、などフィードバック出来る仕組みになっています。
今日の問診票は、それを取り込んで自身を改善していきます。いま今日の問診票は全国400以上の施設で使われているそうで、ということは「全国400以上の施設の医師が、皆で賢くしている」ようなもの。これがAIの醍醐味です。
今後もAIの精度は向上していくでしょうし、その点に期待しています。

この他、放射線技師からも好評の声がありました。従来、紙の問診票は、放射線技師のところまで回ってこなかった。
でも本当は、患者さんの情報がよく分かった方が良い検査ができる。そして今はPC上で問診情報を見ることができる。仕事がやりやすくなった、とのことです。

■ 先行ユーザーとしてのアドバイス

当社:現在、今日の問診票の導入を検討している病院に向け、先に使っているユーザーの立場でアドバイスなどあればお聞かせください。

開業医:導入を検討したとき、受付職員から拒否反応があったという話をしましたが、これは、どの病院でも起こりうることだと思います。
人は、現状の仕事のやり方を変えることは好まない。DXかだかなんだか知らないが、結局、現場の仕事が増えるだけではないか、そう思うのは無理からぬことです。

この反応への対処としては、まず実機を見せて操作してもらうのが最良だと思います。使ってもらえれば簡単さは伝わります。理屈をいってもだめ。まず触ってもらうことが重要かと思います。

当院は、信頼される地域のかかりつけ医として幅広い医療を提供すべく、様々な取り組みを続けていきます。今日の問診票にはそうした当院の取り組みを、優れた技術、サービス、製品を通じて支援いただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。

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