「政翔会をお願い」 - 酒井奈良市議のリポート/議長選ゴタゴタ報告・1
奈良市の6月定例議会の議長選で、当時議長の山本清氏(73)=政翔会所属、9月2日付で議員辞職=による贈賄工作が発覚し、大阪地検特捜部が自宅や市役所などを家宅捜索したが、同じく副議長だった中西吉日出氏(59)による酒井孝江議員(48)への贈賄工作疑惑が深まっている。中西氏は無所属で当選3回。建設委員長などを歴任、部落解放同盟県連(川口正志委員長)の杏中支部幹部で県企業連合会常任理事。先月16日の会見で中西氏は疑惑を否定しているが、酒井議員が議長選直後に支持者に送ったメール「議長選のゴタゴタ報告」の中で、中西議員との会話を詳細に明らかにしている。酒井議員の了解を得て、ほぼ全文を紹介する。議長選は6月24日に行われ、「報告」内容は、その2日前から始まっている。
時系列でご報告しましょう。
22日(水)の夕方、私は自分の一般質問の出番が終わり、ホッとして、帰ろうと控え室の扉を開けようとした時でした。中西副議長が急に入って来られ、なんだかんだ言いながら、応接間の席にどっしり座りはりました。
私は夕方で、早く帰って子どもを迎えに行き、ご飯の支度をせんと……と、少々急ぎたい気持ちでしたが、どっしり客席に座られてるので、仕方なく向かいに座りました。なんだかんだと世間話をされ、相づちを打って聞いていました。聞いていれば、話し終われば、帰ってくれると思いましたので。
自分の先生は池田(慎久)議員だ。年下だが、とのことでした。議長選は誰に入れますか、等とか聞かれ、「さあ、分かりません」等と、とぼけました。私は誰に近いか、明らかにしていませんでしたので、常に。
議長選に政翔会をお願いします、とのことで、はぁ、等と応えました。30分くらい話して帰られました。
どういうことを話をされるかと言いますと、
「委員長や副委員長になりたいでしょう?」と。つまりは常任委員会の委員長ということでしょうか。1年生ですから、意識したこともありませんでしたが…。
「僕は議員なって8年やが、一期目で、もう役をやったよ」と。「支持者のお年寄りは自慢しはんねん。支持者は自慢がしたいんですよ。支持者のために役を持たないとダメです。それには仲間が必要です。仲間を持ちましょう!いつでも声をかけてください」と。私とは見ている世界がかなり違うな、考えておられることもかなり違うな―とか思いました。
1カ月くらい前にも同じように来られました。(そのときには)「最近は岡田(佐代子議員)さんと距離を置いてられますね。どうしたんですか」とあらためて言われて困りました…。
「票を分けますよ。選挙の時に有利ですよ。僕らと仲間になりましょう」と。
政翔会と関われば私の支持者はそれこそ離れると思いますが…。
「今日の発言(一般質問)を聞いていても思いましたが、酒井さんは反市長派ですね。僕らと一緒ですね」とか言われ、「私は是々非々です」と返事。私の質問を聞いて、私が反市長派だと判断されるとは、この方は議論とか、人とせんのかなと思いました。「市長の回答はどうでしたか」とか聞かれ、「私の時間が無いから、元の原稿よりもかなり削って、急いで読んでくれはりました」と応えると、「削るんですか。いつもそうだ。問題だ」と。勝手に悪く解釈して話を変な方向へ向けようとしはる。
「僕の先生は池田さんです。年下ですけど」とのこと。「国会も民主党には任せておけない」等、どこまで話が広がるねん。時間を引き延ばされるほど、イライラしました……。
「僕ほど副議長で色々発言するのは初めて、と言われたよ」「今日も酒井さんが時間が無いのが分かっているから協力したよ」と。確かに、前の答弁者がイスに座る前から、次の答弁者が手を上げて指名されてましたので、助かりましたが。「○○(議会事務局)にも、酒井さんのことを、ちゃんとするように言ってあるからね。だからちゃんとやってるでしょう?」と。仕事やからちゃうの、とか思いつつ聞きました。
何か、自分が色々副議長として活躍している、力を持っている、とお示しになりたいご様子でした。
「ありがとうございました!!」「ありがとうございました。今後ともご指導よろしくお願いします」と頭を何回も下げ、もう話は終わった、と取っているように示すと、やっと帰ってくださいました。帰るのが遅くなり、迷惑でした。(つづく)
▼ 記事の詳細は本紙をご覧ください
購読のお申し込み