(台北中央社)台湾積体電路製造(TSMC)と鴻海(ホンハイ)精密工業が中国企業とドイツ・ビオンテックの新型コロナワクチンの購入契約を結んだことに関し、総統府の当局者は12日、中国政府が譲歩した真の理由は、日本や米国が台湾にコロナワクチンをタイムリーに提供したことにあるとの見解を明らかにした。
TSMCと鴻海は12日、中国の医薬品大手、上海復星医薬の香港子会社とビオンテックのコロナワクチン計1000万回分の購入契約を結んだと発表した。購入分は全て政府に寄贈する。政府はビオンテックから500万回分のワクチンを購入する交渉を進めていたが、最終段階で頓挫していた。これについて蔡英文(さいえいぶん)総統は5月下旬、「中国の介入」があったと明らかにした。
総統府の当局者は、日米が台湾に提供したワクチンが現時点で約487万回分に達していることに触れ、民主主義国家が台湾に「即時救援」を行ったことは中国にとって大きなプレッシャーになったと指摘。この時点で中国が手を放さなければ、かえって中国が台湾のワクチン購入を妨害していた証明になるとの見方を示した。
(葉素萍/編集:名切千絵)