沖縄県立中部病院で5~6月に起きた新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)は、患者の入院時にPCR検査を実施していなかったことが、発端の一因となった。入院時の検査体制について県立6病院や他の病院を調べると、各院で対応が異なる実態が見えた。(社会部・玉城日向子、篠原知恵)
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中部病院はこれまで、疑わしい発熱とせきがある人や肺炎患者などに限って、緊急入院時の検査を行っていた。クラスターの発端となった患者は、緊急入院時に発熱はあったもののせきはなかったことや、持病の関連で別の診断がついていたため「検査なし」と判断。結果的に入院12日後に陽性が分かり、院内で計51人に感染が広がった。同院は再発防止として6月末から、緊急入院だけではなく予定入院も含めた患者全てに入院時のPCR検査を始めている。
他の県立病院も対応はまちまちだ。南部医療センター・こども医療センターと北部病院は、緊急入院の際は患者全員にPCRや抗原検査をするが、予定入院の場合は2週間の健康観察を呼び掛け、発熱などの症状がある人に限り検査している。
南部医療センターの担当者は「検査機器が足りず、外注すると患者を待たせてしまうため、現状での全員検査は難しい。ただし無症状の陽性者もおり、機器の整備を検討している」と話す。
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精和病院は入院時に全員検査するが、宮古病院は感染を疑う症状がある人以外は検査しない。また八重山病院は、島内で感染が拡大している間、入院時の全員検査に切り替える。県立病院を所管する病院事業局は「現場の判断に任せている」(担当者)という。
県立以外の病院の対応を見ると、琉球大学病院は「症状だけでは感染を判断できない」として、昨年8月から緊急・予定の入院時に全員、また内視鏡検査を受ける人にも検査を実施。これまで10人余りの陽性者を事前に見つけ隔離した。
中部徳洲会病院は以前は症状がある人だけだったが、県内の感染者急増を受け、入院時の検査対象を全員に拡大したという。担当者は「無症状の人もいる。院内感染を出さないための対応」と話した。













































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