米国株の一次情報、「Form10-K」と「10-Q」の活用術。英語がわからなくても理解する方法

出典:Getty Images

米国株関連の情報は、現在英語でも日本語でもあふれています。

Yahoo!Financeの英語版でティッカーシンボルを打ちこめば、現地で話題になっている英語ニュースが見つかります。

例えばアメリカ版のモトリーフールの記事もよくピックアップされています。

マネックス証券や楽天証券、SBI証券など大手オンライン証券のメディアでも米国株関連の情報がわかりやすく日本語で読めます。(日本版モトリーフールもマネックス証券のマネクリに転載されています)

これらのメディアで得られる情報は分かりやすい反面、アナリストやライターの解釈や見立ても入っています。

もちろん解釈や見立てが価値や分かりやすさでもあります。

しかし、あえて解釈を挟んだ2次情報、3次情報ではなく、1次情報だけを見てみたいケースもあるのではないでしょうか。

そこで米国株の中級者におすすめしたいのが、Form10-Kや10-Qという日本の有価証券報告書にあたる一次情報です。

本記事ではForm10-Kや10-Qを活用する方法をご紹介します。

米国株に必要な一次情報はSECにつまっている

米国株に必要な一次情報は米国の証券取引委員会(SEC)につまっています。

参考:SEC

右上にある検索ボックスに気になるティッカーシンボルや企業名を入力して検索してみてください。

米国株の有価証券報告書にあたるForm10-KやForm-10-Qの一覧が出てきます。

全世界の米国株投資家を保護するEDGAR

米国市場は世界中から資金を集めています。

そのため、全世界の投資家に対して投資家保護、株主保護を目的としたシステムがあります。それがEDGARです。

EDGARは米国企業の決算情報のデータベースです。

SECの公式ページでティッカーシンボルを入力するとEDGARという単語が出てくるので、クリックしてみましょう。

10-Qや8-Kなど米国株の有価証券報告書にたどりつけます。

日本のEDINETも一次情報の宝庫

参考:EDINET

日本の有価証券報告書の開示書類が集積されているEDINETも、米国のEDGARを手本に生まれました。

こちらも書類検索から企業名や証券コードを入力すると四半期報告書の閲覧が可能です。

日本株投資でも気になる企業名をEDINETで検索してみると、面白い情報が手に入ることが多いので気になる方は試してみてください。

日常的にお世話になっている企業、よく知っている企業もEDINETで有価証券報告書を読むと意外な発見があることも少なくありません。

今更聞けないForm 10-K、10-Qなどを確認しよう

米国株の有価証券報告書にあたるForm10-Kや10-Qとは、そもそも何なのでしょうか。

  • Form 10-K(年次報告書)
  • Form 10-Q(四半期報告書)
  • Form 8-K(臨時報告書)
  • S-1(IPO前に企業が発行する発行届出書)

これだけ分かれば十分です。

しかし、これらを実際に開いてみると当たり前ですが米国のサイトなので英語で書かれています。

しかもデザインも素っ気なく読みづらいと感じる人が多いかもしれません。

一次情報にあたることは何となく大切だと思っていても、これでは英語が得意でなければ読み進めるのはなかなか大変です。

日本語でも有価証券報告書を読むのは骨が折れるのに、英語で目を通すのはさらに大変でしょう。

そこで活躍するのが翻訳ツールです。

【AIを活用】翻訳ツールDeepLでForm10-Kも読める

参考:DeepL公式

最近注目されている翻訳ツールがDeepLです。

一部ではGoogle翻訳よりも精度が高いのでは、と言われるほど高性能なAI翻訳が売りです。

翻訳ツールの多くは英語から日本語に翻訳しても、不自然な翻訳になってしまうと感じる人も多いのではないでしょうか。

(DeepL 公式)

試しにDeepLで日本でもお馴染みのコストコの10-Kに書かれている企業概要の部分の英文を翻訳にかけてみましょう。

かなり自然な日本語が出てきます。

英語に苦手意識がある方でも10-Kや10-Qに書かれていることが読めると思います。

気になる企業の10-QをDeepLで翻訳にかけて読んでみるのも、勉強になるのではないでしょうか。

10-Qや10-Kを読むメリット

わざわざ読みづらい10-Qや10-Kを直接読むメリットとは何なのでしょうか。

まず情報量がかなり豊富です。

日本でも米国株の情報を集めた分厚い書籍が販売されていますが、誌面の関係上ひとつひとつの企業に対してさける情報量は限られてしまいます。

Webメディアの二次情報でも情報が断片的であるケースは珍しくありません。

気になる企業のことを深く知りたいときに10-Qや10-KをDeepLで翻訳にかけることで、より詳しい情報にあたることができます。

10-Qや10-Kは同じフォーマットで決算情報や企業情報が掲載されています。

企業のIRページでIR情報を読むのも良いのですが、それぞれの企業ごとにデザインが違っており、必要な情報にたどり着きづらいことも少なくありません。

また綺麗に装飾されていないからこそ、見えてくるものもあります。

そして10-Kや10-QはSECという確かな情報源に提出されているため、情報そのものに信頼性もあります。

また公式のドキュメントだからこそ2次情報、3次情報ではない良さもあります。解釈やポジショントークが少ないところも良いところです。

うまく情報源を使い分けることで投資のアイデアや判断が磨かれる

米国のForm10-Qや10-Kのような一次情報と、モトリーフールのような投資メディアの情報を使い分けて情報収集をすることで、投資アイデアも広がります。

そもそも話題になっている企業や注目されている業界のことが分からなければ、Form10-Qや10-Kで具体的な企業名を検索できません。

また投資メディアの識者のポジショントークや見解自体も参考になります。

二次情報や三次情報ならではの良さもあります。

情報源をうまく使い分けていけば、投資の精度も高まるのではないでしょうか。

まとめ

米国株の有価証券報告書にあたるForm10-Kや10-Qは、SECの公式サイトからアクセスできます。

すべて英語で読みづらいと感じるかもしれませんが、AI翻訳のDeepLを使えば、かなり自然な日本語で読めるので心配はいりません。

ひとつの企業のより深く、信頼できる情報、解釈やポジショントークが入っていない情報がForm10-Kや10-Qにはつまっています。

モトリーフールをはじめとした投資メディアとうまく組み合わせることで、投資アイデアの幅も広がるのではないでしょうか。

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