遅ればせながらですが、皆様、都議選お疲れさまでした。

立憲も共産党も議席が増えて、ひとまず良かったです。
ただし、3悪党の議席を合わせると殆ど変わらないままですし、れいわが全敗してしまったのは悔しい限りです。
この自公都ファの3悪党は反目してるように見えて、実際は主張もネオリベで同じ穴のムジナですので、皆さまには気を付けていただきたいです。
 


とにかく、ボランティアの皆さんには本当に頭の下がる思いですし、やはり地道なコア層獲得が最も力になるのだろうと感じました。

れいわ新選組に関しては、地盤もない、支持母体もない、マスコミは黙殺、コロナで街宣はゲリラのみ、選挙準備期間も短いと、逆風しかない選挙戦でした。
おまけに国民が政治に興味を持たないから投票率は40%台前半で、これは組織票に有利になります。
そんな中で大健闘できたのは、やっぱりボランティアの皆さんのおかげでしょう。

先月からだいぶ忙しくて何もできなかった自分が口先だけで論評するのは恐縮ですが、どうやったら勝てるんだろうか、と考えていました。

本日は経済学の理論的な話を少し離れて、世論の話に寄りたいと思います。

世界的に実施されるいろんなアンケート調査があって、そういうのを見ると「日本人って冷酷だなあ」と思うことが以前からしばしばありました。
以前までは、「冷酷だなあ」と思う程度だったんですが、そのいろんな調査についてよく検証してみると、なかなか興味深い傾向が浮かび上がりましたので、少し書いてみたいと思います。

といっても、「世論調査の結果からオレが思ったこと」という程度の感想文なので、参考になるかはわかりません。

でも、例えば、各党が政治的に人々に対してどのようにアプローチすべきか?といったことや、皆さんが普段生きていて、他人と話をするときに、どのような態度を取ることが望ましいのか?ということに関して、少しばかり気になるものになるかもしれません。

 

*長い文章を読むのが苦手な人は最後の「結論部分」だけご覧ください


 

< 「世界の潮流」は社会主義や社会保障の拡充に賛同 >


この変化は、特に「社会主義を標榜とすることは罪」だとさえ考えられてきたアメリカで顕著に見られます。
 

 

上記調査からわかることは…、
〇 米国の世論調査では、2019年に「社会主義に好意的な層」は39%だったが、2021年には41%に上昇した。

〇 若者やマイノリティーほど社会主義に好意的な層が激増。それもわずか二年で起こっている。

〇 19年→21年比の18〜34歳の「資本主義に肯定的」は層は58→49%と激減、「資本主義に否定的」が38→46%と激増。

〇 「政府は富の格差を縮小すべき」と考える若い共和党員は、2019年に40%だったが、今年は56%に急増。

 

 

 

< 日本は、社会主義や社会保障の拡充に世界断トツで反対 >


あのアメリカでさえ社会主義や社会保障の拡充に賛同しつつあるなか、翻って日本はどうでしょうか?
(「社会主義」という言葉から得られるイメージは人によって大きく違うことに注意してください)

▼ イプソスの「Global Socialism Survey(2018)」
https://www.ipsos.com/sites/default/files/ct/publication/documents/2018-05/global_socialism_survey-ipsos.pdf

 「現在の社会主義は社会発展にとって価値はあるか」の質問。
日本が断トツの最下位です。
人によって「社会主義」という言葉のイメージが異なりますが、これは教育やマスコミの影響が大きいのではないでしょうか。



しかし、奇妙なことに、相対する概念であるはずの「個人の自由」や「自由競争社会」、「能力主義」には、世界レベルで平均程度しか賛同していません。(https://twitter.com/cargojp/status/1410380103075307521)

日本人は社会主義には大反対、いっぽうで過度に自由主義を礼賛してるわけでもないと言えます。
では、社会主義の何に反対しているのでしょう?

以下の画像のように、日本人は、「無料の医療保障に賛成か」「無料の教育に賛成か」という質問には、世界断トツの最下位です(笑)
彼らは、社会主義の「大きな政府」的側面に反対であることがわかりました。




 

日本人は社会保障費を増やした分、増税されることを心配してるのでしょうか?
もしくは、財務省とマスコミの影響で「クニノシャッキンガー」と気にするあまり、賛成できないとか…。

一方で興味深いのが、「富裕層にもっと税を課し貧困層支援すべきか」には下から4番目で賛成していません
再分配さえ否定する人が3割もいるのですから、もう何がなんだかわかりません(笑)
とにかく大きな政府主義には反対するネオリベ志向なのかもしれません。



また、他の調査「内閣府・国民生活に関する世論調(2017)」になりますが、日本人の自己認識はだいぶ屈折していて、年収200万円未満の世帯は全体の17.9%、年収300万円未満は31.2%もいるのに、国民の9割以上(92.4%)が「自分は中間層だ」と考えています。
(最新の19年版では92.8%が自分を中流だと思っている https://survey.gov-online.go.jp/r01/r01-life/2-1.html
(2018年の給与階層構成は、年収300万円以下が37% 標本調査結果|国税庁 (nta.go.jp) )

ひょっとしたら、医療や教育を無償にすると、自分に課税されると考えているのではないでしょうか?
もしそうだとするなら、これは二つの意味で不正解です。
まず、上述したように約4割が年収300万円以下ですし、90%以上の日本人は富裕層ではないので課税される可能性は低い(現在の日本政府なら、消費増税等の中間層への課税で財源を捻出しそうですが)です。

そして、そもそも税収は財源ではありません。

「クニノシャッキンガー」に関しては、NHKの都民への世論調査になりますけど、「衆院選で重視する政策」に36%の人が「財政健全化」をあげています
経クラは、これを「バカなのだろうか」と突き放してはいけません。これが教育の失敗とマスコミのプロパガンダの結果なのです。


https://twitter.com/fumikaz58886248/status/1411878577977450501/photo/1

 

●結論:
日本人は年収300万円以下の人が4割近くもいるのに、なんと9割もの人が「自分は中間層」だと認識する、誤った自己認識をもっている。
その誤認識が反映されたように「医療や教育の無償化」には世界断トツで反対、さらに3割が富裕層税にさえも反対し、なぜか政府支出を削り課税を増やす財政健全化を求めている
税と政府の負債、財政に関する知識が誤っているのではないか。

 

 

<  「世界人助け指数」最下位 ~日本人は寄付もボランティアもしない >


チャリティ援助財団(CAF: Charities Aid Foundation)による、World Giving Index(世界人助け指数)という調査があって、その21年度版では、日本は114位と最下位でした。しかもワースト2位のポルトガルに8ポイントも差をつけた断トツの最下位です。
https://www.cafonline.org/about-us/publications/2021-publications/caf-world-giving-index-2021

この指数は、人助けの頻度、寄付した金額、ボランティアにかけた時間の3点を調べた結果を総合したものです。



ちなみに2018年の"CAF World Giving Index 2018"では、144カ国中の128位でした。
日本より下位にある国は戦争をしてたり最貧国であったりするのにです。

 

この調査が外国人に見つからないことを祈ります(笑)

さらに別の調査ですが、共同通信の2021年の4月の世論調査を見ると、もっと驚愕します。



「時短営業した飲食店への補償はなくてよい」と考える人がなんと47%もいます。
他人が苦しんでいても、自分ではないので助ける必要はないと考えるのが日本人です。ひょっとしたら「自己責任」とさえ考えているのではないでしょうか。
おそらく、「他人の損失を自分の税金で払うことになる」等と考えているのでしょうし、「一部の誰かが困窮しても経済全体には影響しない」「俺には関係ない」などと誤解もしているのでしょう。

 

●結論:
日本人はとにかく冷酷で利己的といえる。
他人を助ける気はないし、寄付もボランティアもしない。
コロナ禍で「時短営業した飲食店への補償はなくてよい」と考える人が半数もいる。
他人を助ける義理はないと考えるため、「医療や教育の無償化」にも世界断トツで反対しているのではないか。

 

 

< 日本人は、政府に「安全」を求め、「生活に政治は重要」と考え、「為政者への従順さ」を嫌うのに、政治・社会活動はしない(笑) >


ツイッターの人に教えてもらいましたが、同志社大・電通調べの「世界価値観調査(2020年版)」というのがあって、世界77カ国に聞いた世論調査になっていて、これも興味深いです。

「政治に関心がある」とする日本人は約60%で、世界8位。
かなり多いです。政治意識が高いんですね。



「生活に政治は重要か」との質問にも約65%で、世界6位。
ちゃんと自分ごととして認識している。とてもよろしいですね。




「民主主義に必須なのは為政者に従順であること」か?という質問には67%が反対で、世界5位。

日本人は正義感にあふれているんですね。実に誇らしい。



 

以上三点から、日本人は世界に誇るべき、極めてまっとうな感覚を持っているといえるのではないでしょうか。

ところが、以下でわかるように、日本人は頑なに政治参加はしない(笑)
上で答えたものが、口先だけ、建前だけであることがわかります。

心中で願っていれば民主主義は勝手に訪れる、と思っているようです。

 




では、その政治意識の内容のほうも見てみましょう。
 

「自由と安全どちらが大事か」との質問。
下から7番目、82%の人が「自由より安全が大事」と答える。




「安全な暮らしに政府が責任を持つべき」と考える人が76.6%で、世界5位。



 

これはとても不思議な現象です。
イプソスの調査では「医療や教育の無償化」には世界断トツで反対していたのに、同志社大の調査では「政府は安全に責任がある」と、ある意味矛盾した回答をしています(笑)
この場合の「安全」とは、「自由」に対置したものなのですから、当然「社会保障」や「大きな政府」になるはずです。
「軍事的な安全」を念頭に置いて答えた人もいるでしょうが、だいたいが社会保障のことですよね。一体何を考えて矛盾した答えたを導き出したのでしょうか。

「民営化を進めるべき」には、世界三位で、約75%の人が賛成。



 

ここも非常に不可思議な現象が起こっていますね。
日本人はそれほど「自由主義」や「自由競争社会」、「能力主義」には賛同していないのに、「民営化」には世界三位という割合で賛成。

おそらく、「民営化」が「私有化」であることを理解してないのでしょう。
英語だと民営化は「Privatization」で、プライベート化、つまり私有化であることがしっかりと意識されますので、これは日本語化する際に誤ってしまったために起こった悲劇である部分も大きいと思います。

約65%の人が「マスコミは信頼できる」と答える。世界3位。




世界8位で、「子供に身につけさせたいのは節約心」と答える。

 

 

●結論:
日本人は、行き過ぎた自由市場主義には反対で、政府に「安全」を求めながら、なぜか「民営化」には大賛成
「生活に政治は重要」で、「民主主義に為政者への従順さは必要ない」と考えているのに、抗議運動などの政治活動には全然参加しない(笑)
そして、やたらマスコミを妄信し、「節約が大事」だと考えている

 

「一体なんなんだこいつら?」と笑ってしまいますよね。
日本人は、アニメとかドラマの世界に住んでるのでしょうか。
妄想上では「為政者には屈しない!」と思っているのに、現実で声を上げることはできないようです。


最後にインフラ投資に関する世論調査について記載させてください。

 
 
< 世界トップクラスでインフラ投資を嫌う日本人 >


▼ イプソス「インフラに関する調査 2020」
https://www.ipsos.com/en/global-infrastructure-index-2020

世界27カ国、約2万人への世論調査です。
世界の79%が、インフラ投資が新しい雇用を創出し、経済を後押しすることに同意(4%が不同意)
世界の68%が、コロナ禍の景気対策として、政府はインフラ投資を優先すべきだと考える。(8%が不同意)

調査の中で、日本人特有なのが以下になります。

政府は十分なインフラ投資をしてない?
→下から3番目 
(つまり日本人はインフラは十分だと考えています)



コロナ後の経済対策としてインフラ投資すべき?
→下から2番目


 

インフラ投資は新しい雇用を生む?
→下から二番目


 

●結論:
日本人は、災害大国である自国のインフラは「万全である」と考えている(老朽化の進む現在のインフラの惨状を理解していない)
公共投資が雇用を生む、またコロナ後の経済対策に有効であるとも考えていない。 

 

よく「中抜きガー!」という公共事業反対者がいますが、それはまた別の問題です。
「インフラ構築が大事だ」という話と、中抜き構造の話は分けて考えるべきです。

 

このへんは立花隆氏の功罪の「罪」の部分が大きいでしょうね。彼が「公共事業は悪である」という路線を始めてしまいました。残念ながら日本をダメにした言論人の一人です。

立花氏には「功」の部分も大きかった(私も著書を何冊も読みました)ですが、この点に関しては一言「間違ってました」と誤ってから死んでほしかったです。

 


最後に、結論部分をまとめます。
 

 

● < 結論 : 日本人とはどんな人たちなのか。 >

〇 米国では若い層やマイノリティーを中心に、社会主義・大きな政府主義の賛同者が急増している。

〇 日本人は年収300万円以下の人が4割近くもいるのに、9割もの人が「自分は中間層」だと誤った自己認識をもっている。
その誤認識が反映されたように「医療や教育の無償化」には世界断トツで反対、さらに富裕層税にさえも3割が反対している「小さな政府志向」にある。加えて政府の支出を絞り税負担を大きくする「財政健全化」を重視している。
(*税と政府の負債、財政に関する知識が誤っている)

〇 日本人はとにかく冷酷で利己的。世界で一番、他人を助ける気はないし、寄付もボランティアもしないドケチ気質。
おまけに「コロナ禍で時短営業した飲食店への補償はなくてよい」と考える人が半数もいる。
(*他人を助ける義理はないと考えるため、「医療や教育の無償化」にも世界断トツで反対しているのではないか)

〇 日本人は、行き過ぎた自由市場主義には中立で、政府に「安全」を求めながら、なぜか「民営化」には大賛成
「生活に政治は重要」で、「民主主義に為政者への従順さは必要ない」と考えているのに、抗議運動や署名運動などの社会活動・政治活動には全然参加しない(笑)

〇 やたらとマスコミを妄信し、「節約が大事」だと考えている。
(*池上彰さんのデマに騙されて「クニノシャッキンガ―」と誤解してるし、、主に「報道の自由度・世界67位」のマスコミのおかげで「日本は一億総中流で貧困などない」「ニッポンすごい!」「日本人は世界一親切」と勘違いしている疑いもある。)

〇 日本人は、災害大国である自国のインフラは「万全である」と考えている。公共投資が雇用を生む、またコロナ後の経済対策に有効であるとも考えていない。 
(*日本人は老朽化の進む現在のインフラの惨状も、マクロ経済の基本も理解していない)


こんなヤバめの奴らを相手に、政治家は彼らの間違った認識を変え、国を良くすべく、正しい政策を発しなければならないのです(笑)
これもう無理ゲーだろ、と匙を投げたくなりますね…。

もう経済ってのは自然現象なので何をやっても意味がないし、社会も自己責任で廻っているのだと諦めて、布団かぶって寝ていたいです(笑)

私たち日本人の敵は、自民党や経団連、マスコミだけではなく、私たち日本人自身でもあるのですね。


私のれいわ新選組の選挙の戦い方に関する認識は、一年前の都知事選の頃からあまり変わっていませんが、今回のブログのリサーチを参考にすると、余計に同じ結論にたどり着くという思いを強めました。

れいわ・山本太郎は「経済的弱者を助けて格差を解消すると、中産階級や富裕層も儲かる。本物の好景気を見せてやる」という路線をもっと強調すべきだと思います。


残念ながら、9割が「自分は中流」と考え、世界一「社会保障の無償化」に反対し、世界一「弱者に冷酷」な日本人に対して、弱者救済を強調して訴えてもあまり刺さりません。

「本物の好景気を見せてやる」路線をもっと前に出すべきではないかと考えます。
別に弱者救済や中間層の底上げを脇に置くわけでなく、やることは同じで、ただ、訴え方を少し変えるべきだと思うのです。


自己評価が異様に高い日本人は「自分は惨めな貧困層ではない!」と考えていますので、「貴方たちをもっと儲けさせますよ!」と射幸心を煽ったほうが効くのではないかということです。

勿論いたずらに好景気にするという行為はマクロ経済学的には間違っているけど、政治的レトリックとしては正解だと考えるべきなのです。

 

7割の人間がコロナ禍でも所得が下がらず、特に悲壮感も感じていませんし、所得を失った残り3割ほどに対してもあまり共感もしていないのですから、政策立案者はその事実は受け入れるべきですし、そういう人たちに「社会保障を手厚く」とか「弱者を救え」と言っても、逆に反感を買うことすらあるのだと理解すべきだと思います。

消費増税とコロナ不況、おまけに日本政府は国民の生活保障もほとんどやらないという滅びの道まっしぐらの状況で、「政治家は何か明るい未来を示せ」と言う方がどうかしてますが、それでも日本人の気質を考えれば、それをやる以外の選択肢はないと考えます。

 

私の好きな映画に黒澤明の「七人の侍」というのがあって、その映画で特に好きなキャラが、「そのへんの農民」というモブキャラ達です。初めてこの映画を観た10代の頃から、この農民たちの弱く、卑怯で、他人任せで、陰険で、妬み深く、ダサすぎる姿に、私は「これこそ我々日本人の本当の姿なんだな」ととても強いシンパシーを感じていました。

 

最近のれいわの演説はちょっと悲壮感や焦燥感が前面に出過ぎているようにも感じます。

映画で言うと、水俣病や原発のドキュメンタリーみたいなジャンルになってしまっています。

その手のモノは観る人を選んでしまいますので、私はもっと万人受けし、エンタメ要素の多い三谷幸喜とか井筒和幸、矢口史靖、石井克人らの映画を目指すべきではないだろうかと感じます。

笑いあり、涙あり、義憤を感じることもあれば、勇気も得られる、そして観たあとに「明日もがんばろう!」と思えるような万人受けの良い映画を作る感覚で街宣をプロデュースするのはどうだろうかと思いました。

 

「七人の侍」でも、最後には農民たちは野武士たちに対して武装蜂起します。

ダメダメな農民たちをその気にさせるテクニックが必要なんだと思います。

押してもダメなら引いてみるというのも一つの手ではないでしょうか。

 


そんなわけで、衆院選、がんばりましょー!! 
オー!! \(^o^)/

 

 

長文、ご覧いただきありがとうございました。

 

 cargo