ANAHD子会社CA、検疫補助業務後にPCR検査なしで国際線乗務…現場CAが戦々恐々
検疫補助業務に就いた者が、所定の勤務ルール(インターバル時間取得など)に則って、国際線に乗務する場合もございますが、その場合は、通常時と同様、出勤時の体調確認、検温を実施しており、体調不良時には、勤務を外すことを徹底しております。
Q2:上記が事実の場合、乗客や検疫補助業務に従事したCAの家族、AJの同僚への感染リスクが高まると考えられますが、AJのCAおよび接触者の感染防止対策が適切に取られているかにつきまして、貴社のご見解をご教示いただけますでしょうか。
【回答】
Q1の通り感染防止策の徹底を図っております。
ANAHD、PCR検査「厚労省の定めにないから実施してない」
ANAHDの回答を精査していこう。
Q1に対する回答から。検疫補助業務後のPCR検査については「厚生労働省成田空港検疫所の指示に従って業務についており、その中で検疫補助業務後にPCR検査を実施するという定めはございません」との理由で実施していないといい、感染防止対策として「マスク、手袋を着用するとともに、お客様との間にアクリル板等での仕切りのない業務(誘導業務等)においては、防護メガネ、またはフェイスシールドの着用などを徹底」しているという。
まず、厚労省の指示にないから、国際線乗務を担うCAが感染者の可能性のある社外の人間と対応する補助業務に従事した後にPCR検査をしないというのは、適切な対応といえるのか。社員の安全を確保する点からも疑問だが、乗客の安全を第一に考えて最大限配慮するのは航空会社としての責務だろう。
ANAHDは「検査後の誘導」と業務内容を説明しているが、実際には、より感染リスクの高い検査前の誘導も実施している。さらに、AJ社員への防護メガネ、フェイスシールドは貸与制である。「在庫がなくなるとメガネもフェイスシールドもなしで業務に従事しているケースもある」(現役社員)という。
アクリル板も「1メートルも間隔が開いていたり、ガムテープでペラペラ貼っているだけのところもあり、適当に設置されている」(現役社員)というから、徹底とはほど遠い。一般的に建屋内はコロナウイルスの感染リスクは高まるとされている。このフェイスシールドや感染防止のガウンも、筆者の記事が出た以降に会社側から貸与されるようになったという。
また、Q2への回答については以下の証言が別のAJ社員からあった。
「検疫場所は、抗原検査のところを行き来するので、特に北1次検査場前は感染リスクが高く、AJ社員はみんな通るのを避けています。検査後の案内は、検査結果がはっきりしていない人たちの案内で、結果待ちの人と長時間同じ空間におり、正直怖いです。上からの指示が不徹底のため、AJだけでなく補助業務を実施する他会社の人たちでも保護メガネやフェイスシールドをしていない光景が目立ちます。全員がしっかり感染対策をしないと意味がないのに、徹底とはほど遠い」