約2億5千万年前に陸から海へ“進出”した爬虫類(はちゅうるい)は、やがてどんどんと多様化していった。全長約90センチの全身が岩に封入された「グリフォデルマ・カンギ」もその一つで、日本初公開となる。中国・雲南省の約2億3800万年前(三畳紀中期)の地層から発見された。
「板歯(ばんし)類」という絶滅した爬虫類の一種で、石畳のような板状の歯が並ぶ特徴を持つ。ただ下あごの先には歯がなく、口先で海底の泥などを払い、貝などを食べていたとみられるという。
板歯類は進化するにつれ、背中に薄い板状の骨「皮骨」が甲羅のように発達していった。属名の「グリフォデルマ」は、細かな凹凸模様が刻まれた皮骨という意味。その意味通り、甲羅部分に多角形のごつごつした凹凸がびっしりと広がる。カメそっくりだが、実はカメと異なり、背骨や肋骨(ろっこつ)が甲羅につながっておらず、現代のアルマジロの構造に近いという。
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福井県立恐竜博物館(勝山市)の特別展「海竜~恐竜時代の海の猛者たち~」(同博物館、福井新聞社主催)が7月16日に始まる。絶滅した海生爬虫(はちゅう)類に焦点を当てた同館初の企画で、展示標本の一部を開幕に先駆けて紹介する。