次期総選挙への不出馬を表明した自民党の安藤裕衆院議員(56)。その理由が女性問題と報道されたことに対し、6月26日、ユーチューブで「そのような事実は一切ない」と釈明したのだが――。
神奈川県出身の安藤氏は慶大卒業後、相模鉄道に入社。税理士活動を経て、2012年に自民党の落下傘候補として京都6区から出馬し、初当選。安倍政権では内閣府政務官も務めた。
「現在当選3回で、いわゆる“魔の3回生”ですが、党内若手有志の議員連盟『日本の未来を考える勉強会』の会長を務め、経済政策の分野で注目を集めていました」(政治部記者)
23歳で結婚し、2人の子もいる安藤氏。ただ、妻は神奈川在住で、選挙区には顔を見せない。そのことを前回選挙時に支援者らに問われ、「妻は病身で、週に3〜4回透析を受けている」と明かしていた。
病身の妻を労りつつ、政治活動する政策通――。だが今年3月、不穏な空気が漂い始めた。自身のツイッターにこう投稿したのだ。
〈離婚調停中です〉
突然の告白の背景には、ある女性の存在があった。
「約2年前から、50代女性と不倫していると噂されていたのです」(地元関係者)
地元では公然の秘密であり、飲み屋街で同伴する姿が度々目撃されたという。
「しかも昨年7月から9カ月間、女性の借りるマンションに住んでいた」(同前)
お相手の名は「大奈(だいな)」。マルチタレントとして、京都のラジオ局で冠番組も持つ。
「東京で歌手をした後、20年ほど前から地元京都で活動。CDを何十枚も買う地元財界の重鎮もいる“おじいさんキラー”の美熟女です。昨年11月に安藤氏、大奈氏の息子と3人で京都駅のレストランで食事し、年末は東京・お台場のホテルで共に過ごした。夫とは、安藤氏と関係が深まった時期から別居中です」(後援会関係者)
その最中に放たれた“調停中”ツイート。地元では「奥さんと離婚して大奈氏と結婚するのではないか」という疑念が高まり、自民党京都府連でも聞き取り調査が始まった。
その席で安藤氏は、「離婚調停はしているが、大奈氏とは関係ありません」と主張。議論が平行線を辿る中、府連の長老格、伊吹文明元衆院議長が声を上げた。
「調停を取り下げ、奥さんとよりを戻せば解決するよ」
渋々うなずく安藤氏。だが1週間後には、
「夫婦関係はすでに破綻している。やっぱり調停の取り下げはできません」
これには伊吹氏も「ワシの顔を潰した!」と激怒。支援者を納得させるためにも、府連は「大奈氏とは結婚しない」と内々の文書として書くように要求。しかし安藤氏は、大奈氏の名前を書くのを嫌がるのだった。
「『当該女性とは結婚する予定はない』という表現ではどうでしょうか」
そう言う安藤氏に、京都府連会長の西田昌司参院議員が詰め寄った。
「予定という表現にこだわるのは、将来的には結婚の可能性があるからなのか」
将来のことはわからない、と言葉を濁す安藤氏。府連幹部はこう口を揃えた。
「それでは支援者に説明がつかず、事実上、不倫を認めたことになる。我々も次の選挙で応援できない」
そうした中、安藤氏は6月20日、突如としてこう漏らしたのだった。
「じゃあ、辞めます」
関係者一同、呆れるしかなかったという……。
大奈氏に聞いた。
――不倫関係にあった?
「絶対ない。私の仕事は安藤先生に限らず、いろんな男性とご飯食べます。お台場のホテルには先生は泊まってない。私は息子の用事で上京し、先生が東京案内をして、ホテルに送ってくれただけ」
――別居と安藤氏と親密になった時期が同じでは?
「それはね……偶然っていうのがあるのでね」
――大奈さんの部屋に安藤氏が住んでいた?
「私の事務所をお貸しした。ボイストレーニングの仕事などのために借りたが、コロナ禍で維持が大変に。先生に話したら新しい地元事務所に通うのに便利なマンションを探してて、ちょうどいいと。旦那も『ええやん』っていってくれた」
一方の安藤氏はこう語る。
「不倫はないので、結婚する予定もない。ただ、文書に彼女の名前を書くと表に出てしまうと思った。相手とその家族に迷惑がかかる」
そんな理由で政界を引退する安藤氏。地元支援者の「目を覚まして」という声が空しく響くのだった。
source : 週刊文春 2021年7月8日号