機関が発行する公的な資格ではなく、人間の「こころ」をみる公認心理師が
兼ね備えておく必要があるとして、人の「こころ」をみるためにはどんな素質が必要でどのような物があれば心をみる【資格がある】のか、という点で考えていく。

私の考えとしてはただ1点だけであり、過去にもこれからも私個人としてこの考え方は決して崩さないだろうと考えている。「人のこころを見る資格」とは、「治療者である」という概念を持たないこと。であり、経過、過程を問わずまず「本人が楽になること」が着地点だと考えている。それが例えクライアントの当初の意思や希望、願望、願いでなくても時間の経過後、「楽である」「生きやすくなった」と認識することである。と、定義している。

そこに
・私が
・ここで
・この技術で
・この心理療法で
・この学会で

などの【固執した考えや、既成概念】にとらわれてしまうと全体が見えなくなってしまう。

例えば
・有能で有名な技術だから
・非常に高額のセラピー技術の講座料金であった
・TVや雑誌に出ている著名な人が協会にいる
・自分が作り出した療法である
・長年繰りかえし実験がされていてエビデンスが確証されている
・治療院をもち改善者が多く絶対的な自信がついてしまった

これらは治療という考え方以外でも私たちの生活で多くの間違いやトラブルの元を生み出す。それは既成概念から先入観である固定観念へと変わっていってしまう。あれだけ店の前に並んでいるし雑誌にも載っている、口コミだって高評価だから・・・と、美味しい料理だったとSNSに載せる。などは典型ではなかろうか自分が療法を選択するときに自分が信じ、勉強し知識を得て確証に代わり治療として選択することは間違いではないがそれはあくまでも技術であり、知識なだけである。目の前に座るクライアントはいつも常に人間だ。実験動物ではない。１００％の治療は存在しないし、クライアント自体も必ずしも本心から治したいと思っているわけでもないかもしれない。西洋医学と同じように切れば治る、投薬すれば治癒するというものではない。また、西洋医学、外科でも手術が必ず聞いて病気は絶対に治るものなども存在しないように「こころ」にも特効薬は存在しない。これを飲んでおけば治るからというようにこの療法をやっておけば治るという考え方は「治療者」だからこそ起きる考え方である。

よって私は
「治療をするもの」ではなく「案内をする人」が資格ではないかと考える。地図とコンパスを渡して目的地に早く行けるように

現在地（今の自分の心の状態と気づきと目的地までの遠さ）
オススメの乗り物（心理療法や投薬、医療との連携、サポート支援の方法）
乗り方（自分でもできる方法、強い精神性への訓練）

を教える人でありたいと考えている。本人が自転車で京都駅まで行きたいのかもしれない。飛行機でアリゾナへ行きたいのかもしれない。旅の過程そのものを大切にしているかもしれない。
治すことに集中せず、中庸で固執した考え方を持たずに接していきたいと考える。