今回は、ブレンデッドウイスキーの定番、オールドパー12年を改めて飲んでみます

最長寿の男の名を冠したウイスキー

_DSC3861_01オールドパーは、15世紀から17世紀にかけ、152歳9ヶ月生きたとされる「トーマス・パー」の愛称からつけられています。

このウイスキーの販売を行おうとしたグリーンリース兄弟は、オールドパーのように末永く愛されるウイスキーになって欲しいとの願いから、オールドパーという名称を与えたのです。

岩倉具視を始め、伊藤博文、木戸孝允、大久保利通らが参加した欧米使節団は、イギリスを訪れた際にオールドパーを購入、帰国時に明治天皇に献上されました。
オールドパーは、日本人が初めて知ったウイスキーのブランドでもあります。

現在、発売元はモエ・ヘネシー・ディアジオ社となって、ラインナップとして12年の他、シルバー、スーペリア、18年があります。2019年にボトルデザインがリニューアルされました。

キーモルトとしてはスペイサイドのクラガンモアとなっています。

ウイスキーらしさを堪能できるボトル

グラスからの香り、液色

正露丸を思わせる香りから始まり、続いてレーズンの香りが広がり、奥からリンゴの香りも得られます。
液色は少々濃厚なアンバーです。

ストレート
正露丸を思わせるピートが広がった後、レーズン、リンゴのフルーティな香りが続き、奥からカカオのような渋い香りが続きます。

味わいは、多少アルコールの辛みがあるものの、その後は苦みが主体となり、奥から軽い酸味も得られます。

ロック

レーズンと言うよりもブドウそのものの香りが目立つようになり、ピートは後になり、それとともにライムの香りが広がります。そして残り香としてバニラ、シナモンの香りも得られるようになります。

味わいは、苦みが若干シャープに感じられるようになりますが、奥から甘みがやってくるようになります。

ハイボール

レーズンの香りの後にシナモンの芳しさが続きます。ピートは思っているより香りが弱くなります。

味わいは、苦みと酸味が混ざった印象で、ロックで得られた甘みはそれほど感じられません。

まとめ

「おかわり」といっても、かつてしっかり飲んだのが2014年で、今のようにストレート、ロック、ハイボールとの見分けることもしない、まだまだ素人レベルの時なので、今回のように詳細に調べるように飲んだのは初めてと言えます。

改めて飲んでみると、意外にスモーキーで、おそらくはアイラモルトも加えて居るであろう正露丸の香りを伴いスモーキーなピートを感じられたことに驚きました。

初めて日本に伝えられたウイスキーだけあって、著名人も好んで飲んで、これがウイスキーだと感じていたであろうことを考えると、日本におけるウイスキー作りにおけるベンチマークだったのかも知れません。

サントリーオールドも、「O」の文字を赤くしてオールドパーを意識したラベルデザインにしていて、1970年代のオールドはスモーキーさとシェリー樽原酒からの甘い香りを強調していたものになっていたため、ウイスキーを作り始めたときのサントリーの目標が、オールドパーだったのかも知れません。

700mL、アルコール度数40度、価格は3000円。

<個人的評価>

  • 香り B: 正露丸のようなピート。リンゴ、レーズン、カカオの香りが続く。加水でライム。
  • 味わい C: 苦み、酸味がメイン。ロックだと奥から甘みも得られる。
  • 総評 B: ウイスキーらしさを堪能するには申し分ないブレンド。