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2011/12/5
最終回。感想とこれからと
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  アルジゲート証券、二階堂イリーナへの社長インタビュー

東京IPOスタッフ CFA協会認定証券アナリスト 深井浩史
  09年7月29日
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アルジゲート証券は日本において、個人投資家がロシア株式や債券などに投資する機会を提供する数少ない金融機関です。ロシア出身ですが日本に帰化され、日ロ間の金融ビジネスの拡大に向けて邁進する二階堂社長にインタビューしました。

(アルジゲート証券のHP http://www.arujigate.co.jp/



Q.アルジゲート証券設立の経緯、二階堂社長の社長就任の経緯を教えてください。

A.一橋大学・大学院を卒業し、卒業後、日ロ間の経済交流やビジネスに取り組んだラヒモフ・アリシェルが、日本とロシア間のビジネスを促進するために、投資やコンサルティングを行うアルジ・グループ株式会社を2003年に東京で設立しました。その後グループの金融機能を担うため、アルジゲート証券を2006年に設立しました。

アルジは「主」、さらに「柱」、「住」、「注」の漢字の意味を込めています。つまり、お客様を支える柱のような存在であり、主体性を持った社員が集う住まいであり、ロシアと金融に関する情報を注ぎ込む、そんな会社であり、お客様に仕えていきたいという気持ちを表現しています。ゲートは「門」、ロシアと日本、それぞれがお互いを知る上での入り口、両者を繋ぐ存在となる。こうした意味を込めた社名です。

私もロシアで生まれ東京大学・一橋大学大学院で学び、卒業後は日本や外資系の金融機関、シンクタンクに勤務していました。そして昨年、アルジゲート証券に入社して、今年の1月に役員に選ばれ、2月に社長に就任しました。また、8年前に日本に帰化しています。


Q.アルジゲート証券の事業内容を教えてください。

A.当社は2006年設立後、1年間を開業準備とし、2007年からサービスを開始致しました。現在は日本国内の個人投資家向けにロシアの株式(125銘柄)、債券(33銘柄)、ETF(2銘柄)の仲介をしています。取引の大半はオンライン取引ですが、電話注文も可能です。対面、店舗での営業は行っておりません。また信用取引は取り扱っておりません。

また、今年からは、企業向けの投資銀行サービスを開始しました。現在は、ロシア進出を考えておられる日本企業のサポートやロシア企業買収の斡旋等に力を入れています。社員数は15名で、いずれもロシアと日本の経済情勢に精通し、金融・コンサルティング知識と経験を備えています。


Q.ロシア経済の現況とロシアへの投資の魅力について、教えてください。

A.ロシア経済は日本と同様、金融危機の影響を受けているものの、政府の政策や原油価格の上昇のおかげで回復軌道に乗ったと見ています。 ロシアの強みは、発展途上国の経済発展に欠かせない石油・ガス・鉱物など豊富な資源があることと、世界において深刻になりつつある食料問題に対応できる豊富な農地を保有していることです。そうした分野の企業は国際的にも強い存在感を有しています。例えば、天然ガスのガスプロムや石油のルクオイル、金のポリュス・ゴールド、また、チタンなど鉱物を精製販売するアビスマというように、各分野で世界的にトップクラスの企業があります。また世界の食料問題解決に貢献する可能性を秘めている広大な農地があります。農業関係の企業でもラズグリャイ・グループのように躍進している企業があります。

* 主要な生産物
石油    生産量:世界2 位(2008年) 埋蔵量:世界7位(2008年)
天然ガス  生産量:世界1 位(2008年) 埋蔵量:世界1位(2008年)

こうした世界のトップ企業の株式や債券は非常に割安であり、中長期的に大幅な成長を期待できると考えられます。たとえば、ガスプロムの1株は約500円で、金融危機前の3分の1の株価となっています。ロシアの世界トップクラス企業の多くは財務面でも堅調であり、万が一の場合は政府からの支援が見込める「プーチンのリスト」へ登録されているため、安全性の高い銘柄であると言います。


Q.最近、地下鉄車内で貴社の広告を見ました。カラフルなイラストを使った観光マップのような感じで印象に残ります。個人向けの広告などを強化しているのでしょうか。

A.あのポスターの企画とイラストは私自身が考えました。ロシアに親しみを持ってもらいたいと考えて、ソフトなデザインを考えました。それは、日本の外務省の調査「対露感情調査」からも覗えるように、日本人のロシアに対するイメージは、あまり良くないからです。様々な書籍、映画、メディアでの扱いを通して、ロシアは、恐い国、独裁的な国、共産主義など、ネガティブなイメージが定着してしまっています。私たちは、日ロ間でビジネスを行い発展させるためには、これは大きな障害であり、改善する必要があると感じています。一方、ロシアでは親日家が非常に多く、日本の自動車、家電、化粧品、マンガやゲーム、文学や映画作品、和食などが人気です。日本のことが大好きなロシア、ロシア人なのに、日本では正反対のイメージを感じます。弊社も微力ながらメディアなども利用して、まずは、ロシアという国のイメージを変えて行きたい、皆様にロシアのファンになっていただきたいとの希望を持って広告活動をしています。


Q.ロシアの発行体(企業、政府等)は日本の資本市場をどう見ているのでしょうか?

A.さきほどの質問の回答でも触れましたが、ロシア人には親日家がとても多いのです。品質の良い日本製品のブランドはやはり強力です。一般市民を始め、プーチン首相のような政治家、さらに企業経営者にも日本びいきが多数います。こうした経営者が率いる企業も日本との関係を強化する機会を狙っています。世界的に優れた技術を持つ日本企業に対して、資本参加などを狙う企業は出てきています。ただ、日本の資本市場を使った資金調達などの動きは今のところ見られません。さらに、繰り返しになりますが、日本人のロシアに対するイメージは悪く、ロシア企業による資本参加ということになると、抵抗が少なくないと思います。日ロ間の友好関係の構築や相互理解の改善は資本市場のみならず、その他の分野においても不可欠であると感じています。


Q.今後、注力する事業は何ですか?

A.個人向けの証券仲介では、一気に事業を拡大することは難しいと思います。ネガティブなイメージが残っているロシア関連のビジネスとなると尚更です。しかし、リテール業も地道なPR活動等をしながら、着実に伸ばして行きたいと考えています。また、投資銀行業務の拡大にも力を入れていきたいと考えています。今のところの流れは、日本からロシアへの投資が主流です。日本の金融機関からも、協力して日本企業の対ロ投資を支援していこうというお話をいただきます。これについては、当社も前向きに取り組んでいます。そして少しずつですが、ロシア企業の対日投資の支援も拡大していきたいと考えています。今、実際に、あるロシアのハイテク企業の要請で、日本におけるパートナー探しをしています。


Q.会社(グループ)としての中期的な目標を教えてください。

A.当社は、まだ創業から3年ほどで、赤字が続いています。まず、株主の資金援助に頼らない、一人前の企業として、できるだけ早い黒字化を目指します。そして、その原動力となるのは、投資銀行ビジネスであると考えています。ロシアは発展段階の国であり、資源など潜在価値が高い分野においては、有望なビジネス・チャンスがたくさんあります。当社の事業目的は、日ロ間の相互理解およびビジネス拡大にあります。特に、日本の皆様のロシアに対する理解を深め、日本とロシアの事情に精通した金融機関として両国間のビジネスの拡大に貢献していきたいと思っております 。


東京IPOスタッフ CFA協会認定証券アナリスト 深井浩史
コーヒーブレークのブログ書いています ⇒ http://ameblo.jp/mplstwins/


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