ストーリー
不思議な出会い、成長、恋そして別れ―
東京・渋谷には人間の知らないところにバケモノが暮らす街・“渋天街”が存在する。ある日、女手一人で育ててくれた母(麻生久美子)を亡くし家を飛び出した孤独な少年・蓮(宮﨑あおい)は、渋谷を散歩していた熊徹(役所広司)というバケモノと出会った。彼を追って渋天街に入り込んでしまった蓮は、熊徹から九太と名付けられ、彼と共に暮らすことに。折しも、渋天街では長年バケモノを束ねてきた宗師(津川雅彦)が引退して神に転生すると発表し、誰が次の宗師になるのか話題沸騰中。宗師候補の一人に挙げられていた熊徹は、宗師になるための条件である“弟子”を探していたのだ。人格・強さともに次期宗師間違いなしと言われる猪王山(山路和弘)と互角に渡り合うために九太を受け入れた熊徹だったが、人にものを教えたことも、教わったこともない彼は九太と衝突してばかり。
親友の百秋坊(リリー・フランキー)や多々良(大泉洋)が心配する中、「強くなりたい」一心で熊徹の真似をし続ける九太は徐々にたくましさを身につけていく。一方の熊徹も九太との生活の中で自らの技と心を成長させていき、二人はいつしか本当の父子のような関係に変わっていく。
8年後。立派な青年に成長した九太(染谷将太)は久しぶりに訪れた渋谷で、高校生の少女・楓(広瀬すず)と出会う。彼女に惹かれ、渋天街から渋谷に通ううちに大学進学について本気で考え始めた九太は、実の父(長塚圭史)と再会する。一方、九太が人間の世界に行っていたことを知った熊徹は激怒、九太と激しい言い争いになってしまい…!?