任天堂は、自社の公式サイトに2021年6月29日に開催された“第81期 定時株主総会”の質疑応答を掲載。株主総会の質疑応答と言えば、経営に関するものや今後の戦略などへの質問が多いが、今回の質疑応答ではユニークでゲームファンに興味深い質問が挙がっていたので、そちらを紹介しよう。
それは、質疑応答の“Q3”。“任天堂の要職に就く方にはゲーム制作の技術がなかったとしても、せめてゲーム好きであってほしい。各取締役候補者の人となりを知るためにも、好きなゲームを教えてほしい。”というもの。
この質問に対し、任天堂 代表取締役社長の古川俊太郎氏や、代表取締役 フェローの宮本茂氏らが回答。最近遊んだゲームや、印象に残っているゲームを挙げている。任天堂の社長や役員が株主総会の場で遊んだゲームを回答しているのも微笑ましいのだが、新作だけでなく、往年のゲームタイトル名が出てくるのが、ゲームファンにはうれしいところだろう。
『スーパーマリオ』や『ゼルダの伝説』の生みの親である宮本茂氏は、『ポケモンGO』などを回答。昨年(2020年)、ファミ通.comに掲載したインタビューでも『ポケモンGO』を楽しんでいる状況を話していたのが記憶に新しい。
また、高橋伸也氏と柴田聡氏の回答で、数ある任天堂タイトルの中でも、ファミコンのディスクシステムで発売されたアドベンチャーゲーム『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島』、『ふぁみこんむかし話 遊遊記』のふたつが出てくるのがおもしろい。
この2タイトルは、どちらも童話を題材にしつつも、ユニークなアレンジを施したアドベンチャーゲーム。筆者もとても好きなゲームであり、先日Nintendo Switchで発売された『ファミコン探偵倶楽部』のようにリメイクをしてほしいところだ。
Q3の質疑応答は、下記に転載。そのほかの質疑応答の全文は、任天堂公式サイトにてチェックしてほしい。
Q3
任天堂の要職に就く方にはゲーム制作の技術がなかったとしても、せめてゲーム好きであってほしい。各取締役候補者の人となりを知るためにも、好きなゲームを教えてほしい。A3
古川:
私は中学生のころに『スーパーマリオブラザーズ』が発売された、まさにど真ん中のファミコン世代です。今でもプライベートでは、自社他社問わずさまざまなゲームを遊んでいます。本件については、各候補者からできる範囲で回答させていただきます。取締役 上席執行役員 塩田興:
私も古川と同じくファミコン世代で、ファミコンやスーパーファミコンとともに育ってきました。今もハードウェアを担当していますが、当時からハードウェアをいじるなど、モノの仕組みに興味がありました。それもあり、最近の当社商品ですと『マリオカートライブ ホームサーキット』のようなゲームが自分に合っていまして、子どもと一緒に遊んでいます。取締役 専務執行役員 高橋伸也:
私はすべての自社ソフトの責任者ですので「これが好き」と選ぶのは、立場上難しいのですが、入社して最初に携わったソフトが、ファミリーコンピュータ ディスクシステムの『ふぁみこんむかし話 遊遊記』でした。あまり著名ではないアドベンチャーゲームですけれど、最初に携わったソフトとして、印象に残っています。宮本:
私は基本的に自分が作っているゲームばかりを遊ぶことが多く、他社さんのゲームからあまり影響を受けずにきました。ですが、ゲーム開発という仕事を始めて、影響を受けた最初のソフトは『パックマン』で、デザインとしてすばらしいと思うのは『TETRIS』です。また、今は『Pokemon GO』にはまっていまして、妻と一緒に遊んでいるのですが、「家族みんなでゲームを遊びたい」という夢がこのゲームで実現しまして、ここ2年ほど、妻や近所のお友達と一緒に、『Pokemon GO』を楽しんでいます。ひょっとしたら日本の『Pokemon GO』の平均年齢は60歳ぐらいかもしれませんね(笑)取締役 上席執行役員 柴田聡:
私はアドベンチャーゲームが好きで、つい最近もNintendo Switch『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者/うしろに立つ少女』をクリアしたところです。昔で言うと、ファミリーコンピュータ ディスクシステム『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島』も本当に好きでした。また、私はソフトメーカーさんとの窓口となる業務本部を担当していますが、ソフトメーカーさんのゲームにもアドベンチャーゲームがたくさんあり、それらも楽しんでいます。古川:
私は自社のタイトルはだいたいプレイしているのですが、最近は『世界のアソビ大全 51』の花札をよく遊んでいます。
出典:任天堂公式サイト“第81期 定時株主総会 質疑応答”