逮捕男性が死亡、警官の制圧原因 二審も三重県に賠償命令

三重県四日市市で2004年、窃盗犯と間違われて逮捕された男性(当時68)が警察官に押さえつけられ、翌日に死亡したのは行き過ぎた制圧行為が原因だったとして、妻が県に約5700万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が9日、名古屋高裁であった。高田健一裁判長は妻側の請求をほぼ全面的に認め、死亡との因果関係を認めなかった一審判決を変更、県に約3644万円の支払いを命じた。

昨年11月の一審・津地裁判決は、警察官の制圧行為が必要な限度を超えていたとして県に880万円の支払いを命じる一方、制圧行為と死亡との因果関係は否定した。

高田裁判長は判決で、「長時間にわたる強度の制圧をしなくとも目的を達成できた」と一審に続き県警側の違法性を認定。そのうえで体重94キロの警察官が約20分間馬乗りで押さえつけた状況から、死因となった心不全が「経験則上、(制圧)行為により生じたと解するのが相当」とした。

県警は今年2月、被疑者死亡のまま窃盗未遂容疑で男性を書類送検し、津地検が不起訴とした。同地検は国の被疑者補償規定に基づく補償金の支払いを決め、事実上男性の無実を認定している。

三重県警警務部の浜口昇首席監察官の話 今後の対応は判決内容を検討した上で決めたい。

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