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- 第2章 中小企業の収益状況
- 4.中小企業の商品(製品)回転率
商工業実態基本調査
4.中小企業の商品(製品)回転率
中小企業の商品(製品)回転率
(注) ここでいう商品(製品)回転率とは、商品又は製品売上高を期末の商品又は製品棚卸高で除して求めたものである。商品(製品)回転率は、商品又は製品の手持期間を知ることができる。なお、通常、棚卸資産回転率は売上原価を期末棚卸残高で除して求めるが、ここでは売上原価に代えて売上高を用いている。したがって、ここでいう商品(製品)回転率は、売上高に利潤を含むから、その分だけ高めに出ていることに留意されたい。
製造企業
製造企業における製品回転率は、製造業全体で11.1回となった。これを規模別にみると、中小企業が12.6回、大企業が10.5回となった。この結果、中小企業が大企業を上回り規模間格差は2.1回となった。
製造企業における中小企業の製品回転率をみると、製品回転率が高いのは、プラスチック製品製造業の17.0回、ゴム製品製造業の16.7回、食料品製造業の16.6回、パルプ・紙・紙加工品製造業の16.2回などとなった。他方、製品回転率が低いのは、繊維工業の7.1回、衣服・その他の繊維製品製造業の7.3回となった。この結果、製品回転率が最も高いプラスチック製品製造業と最も低い繊維工業との業種間格差は9.9回となった。
次に、製造企業における製品回転率の規模間格差をみると、中小企業が大企業を上回っているのは、一般機械器具製造業の7.3回、金属製品製造業の4.9回、パルプ・紙・紙加工品製造業の4.6回となった。このように同業種の中で規模間格差が生じているのは、主として中小企業が部品メーカー、大企業がセットメーカーの分業体制と関係しているものと考えられる。他方、中小企業が大企業を下回っているのは、出版・印刷・同関連産業の▲11.9回、飲料・たばこ・飼料製造業の▲5.4回、石油製品・石炭製品製造業の▲5.3回となった。
卸売企業
卸売企業における商品回転率は、卸売業全体で19.9回となった。これを規模別にみると、中小企業が15.9回、大企業が23.3回となった。この結果、中小企業が大企業を下回り規模間格差は▲7.4回となった。平成4年調査と比べ中小企業では0.9回の上昇、大企業では▲5.1回の低下となった。
卸売企業における中小企業の商品回転率をみると、商品回転率が高いのは、飲食料品卸売業の24.2回、建築材料、鉱物・金属材料等卸売業の19.0回、各種商品卸売業の18.0回となった。他方、商品回転率が最も低いのは、繊維・衣服等卸売業の8.0回となった。この結果、商品回転率が最も高い飲食料品卸売業と最も低い繊維・衣服等卸売業との業種間格差は16.2回となった。
次に、卸売企業における商品回転率の規模間格差をみると、中小企業が大企業を下回ったのは、各種商品卸売業の▲21.8回が最も大きく、次いで建築材料、鉱物・金属材料等卸売業の▲9.5回、飲食料品卸売業の▲9.5回となった。他方、中小企業が大企業を上回っているのは、機械器具卸売業の0.3回のみとなった。
小売企業
小売企業における商品回転率は、小売業全体では11.4回となった。これを規模別にみると、中小企業は9.5回、大企業は13.5回となった。この結果、中小企業が大企業を下回り、規模間格差は▲4.0回となった。平成4年調査に比べ、中小企業は0.9回の上昇、大企業は▲1.4回の低下となった。
小売企業における中小企業の商品回転率をみると、商品回転率が高いのは、日常の生鮮食料品を小売する飲食料品小売業の17.1回、各種商品小売業の13.3回となった。他方、商品回転率が低いのは、織物・衣服・身の回り品小売業の5.1回、家具・じゅう器・家庭用機械器具小売業の6.8回となった。この結果、商品回転率が最も高い飲食料品小売業と最も低い織物・衣服・身の回り品小売業との業種間格差は12.0回となった。
次に、小売企業における商品回転率の規模間格差をみると、すべての業種で中小企業が大企業を下回った。中でも、飲食料品小売業の▲14.3回が最も大きく、次いで織物・衣服・身の回り品小売業の▲5.6回、各種商品小売業の▲2.8回となった。