経済産業省
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商工業実態基本調査

調査概況のポイント-平成11年6月30日公表-


  •  平成10年調査における中小企業の数は、製造企業では65万9千企業、卸売企業では29万8千企業、小売企業では110万8千企業、飲食企業では38万1千企業となった。
  •  なお、我が国の商工業における中小企業の推移をみると、近年、減少傾向にある。
  •  製造企業に占める中小企業の割合は、企業数で99.5%、従業者数で59.7%。売上高で34.1%となった。
  •  卸売企業に占める中小企業の割合は、企業数で98.3%、従業者数で59.2%。売上高で36.6%となった。
  •  小売企業に占める中小企業の割合は、企業数で99.0%、従業者数で60.4%、売上高で43.4%となった。
  •  飲食企業における中小企業が占める割合は、企業数で99.4%、従業者数で66.4%、売上高で65.6%となった。

中小企業のウェィト

中小企業のウェイト

(注)ここでいう中小企業とは、製造企業では従業者300人未満、卸売企業では従業者100人未満、 小売企業及び飲食企業では従業者50人未満の法人企業及び個人企業をいう。

  •  例えば、製造企業における中小企業の企業数は、昭和46年調査以降一貫して増加してきたが、昭和56年調査の71万企業をピークに減少に転じ、昭和62年調査では67万6千企業、平成10年調査では65万9千企業となった。昭和62年調査に比べ▲1万7千企業の減少、前回比▲2.5%の減少となった。
  •  なお、企業数からみた中小企業の割合(ウェィト)は、昭和46年調査以降99.5%で推移している。

製造企業における企業数の推移

  •  製造企業における中小企業の従業者数は、昭和46年調査以降増加してきたが、昭和62年調査の725万4千人をピークに減少に転じ、平成10年調査では661万2千人となった。
  •  昭和62年調査に比べ▲ 64万2千人の減少、前回比で▲8.8%の減少となった。
  •  なお、従業者数からみた中小企業の割合(ウェィト)は、昭和46年調査以降ほぼ60%前後で推移している。

製造企業における従業者数の推移

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  •  中小企業の売上高営業利益率をみると、製造企業では3.9%、卸売企業では 1.5%、小売企業では3.4%、飲食企業では10.9%となり、中小企業が得意とする 分野では大企業より高い収益率を挙げている。
  •  製造企業における売上高営業利益率は、中小企業では3.9%、大企業では4.0%となり、大企業との規模間格差は▲0.1ポイントとなった。
  •  卸売企業における売上高営業利益率は、中小企業では1.5%、大企業では0.9%となり、大企業との規模間格差は0.6ポイントとなった。
  •  小売企業における売上高営業利益率は、中小企業では3.4%、大企業では0.9%となり、大企業との規模間格差は2.5ポイントとなった。
  •  飲食企業における売上高営業利益率は、中小企業では10.9%、大企業では3.6%となり、大企業との規模間格差は7.3ポイントとなった。

営業損益に関する経営数値

営業損益に関する経営数値

(注)
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上総利益率(%)=売上総利益(粗利益)÷売上高×100
販管費比率(%)=販管費(販売費及び一般管理費)÷売上高×100

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  •  製造企業における中小企業では、ほぼ4分の1の企業が本業の儲けを示す営業損益の段階で赤字となった。他方、売上高営業利益率がプラスの企業の中で高い利益率を挙げている企業が存在するなど、中小企業の多様性が目立つ。
  •  例えば、製造企業における中小企業の売上高営業利益率の分布をみると、売上高営業利益率がマイナス(営業損益が赤字の状態)の企業が25.9%、プラス(営業損益が黒字の状態)の企業が74.1%となり、ほぼ4分の1の企業が本業の儲けを示す営業損益の段階で赤字となった。他方、大企業ではマイナスの企業が15.7%、プラスの企業が84.3%となり、ほぼ6分の1の企業が営業損益が赤字となった。
  •  プラスとなった企業の分布をみると、中小企業では0~2%の12.9%をピークに10%までの範囲に3分の1の企業が散在している一方で、10%以上の高い利益を挙げている企業が見られるなど、収益の多様性がうかがえる。他方、大企業では0~2%の28.4%をピークに4%までの範囲に約半分の企業が集中するなど、低い利益率に偏在している。

製造企業における売上高営業利益率の分布

(注)中小企業の売上高営業利益率50%以上に分布する企業の殆どは、1~4人の小規模企業である。

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  •  中小企業の自己資本比率をみると、製造企業では24.9%、卸売企業では18.8%、、小売企業では16.0%となり、大企業に比べて事業基盤が脆弱である。
  •  製造企業における自己資本比率は、中小企業では24.9%、大企業では40.3%となり、大企業との規模間格差は▲15.4ポイントとなった。
  •  卸売企業における自己資本比率は、中小企業では18.8%、大企業では22.6%となり、大企業との規模間格差は▲3.8ポイントとなった。
  •  小売企業における自己資本比率は、中小企業では16.0%、大企業では21.9%となり、大企業との規模間格差は▲5.9ポイントとなった。

財務に関する経営数値(法人企業)

財務に関する経営数値(法人企業)

(注)
自己資本比率(%)=自己資本(株主資本)÷総資本(総資産)×100
固定資産比率(%)=有形固定資産÷自己資本×100
流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100

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  •  製造企業における中小企業では、ほぼ6分の1の企業がバランスシート上で債務超過の状態となった。
  •  例えば、製造企業における中小企業をみると、自己資本比率がマイナス(バランスシート上の資産総額が負債総額を下回っている状態)の企業が17.4%、プラス(資産総額が負債総額を上回っている状態)の企業が82.6%となり、ほぼ6分の1の企業がバランスシート上債務超過の状態となった。他方、大企業ではマイナスの企業が3.8%、プラスの企業が96.2%となり、バランスシート上の債務超過の状態にある企業は中小企業に比べ少ない。
  •  プラスとなった企業をみると、中小企業では5~10%及び10~15%の8.7%をピークに30%までの範囲にほぼ半数の企業が存在している。他方、大企業では10~15%の8.2%をピークになだらかに散在し、自己資本の厚みが見られる。

製造企業における自己資本比率(法人企業)

(注)自己資本比率=自己資本(株主資本)÷総資本(総資産)×100

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  •  W/R比率が2.26に低下し、流通機構の多段階制の変化が進んでいる。(注)
  •  流通経路の長さを示す指標としてのW/R比率(wholesaler retailer salesratio)が2.26となり、平成4年調査に比べ▲0.55ポイント低下した。このことから、我が国の流通業の特徴とされてきた卸売機構の多段階制の変化が進んでいることがうかがえる。
  •  なお、商品等売上高に占める中小企業の割合は、製造企業では31.4%、卸売企業では36.8%、小売企業では43.9%となり、流通機構において依然として中小企業が重要な役割を果たしている。

商品等売上高の流通構造

商品等売上高の流通構造

(注) ここでいうW/R比率(卸売・小売販売額比率)とは、次の算式により求めたものである。

W/R比率=(卸売企業における卸売業者+小売業者)÷卸売企業における小売業者=2.26

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  •  我が国の企業が海外に所有している海外関係会社のうち中小企業が所有している割合は、海外子会社では4社に1社、海外関連会社では10社に4社となった。

(1)海外子会社の状況

  •  我が国の企業が海外に保有する海外子会社の数は15千社となった。これを規模別にみると、中小企業が3千4百社(22.9%)、大企業が11千6百社(77.1%)となり、海外子会社の4社に1社は中小企業が所有している。なお、中小企業が所有する海外子会社のうち、10社に7社はアジア地域に所在している。

海外子会社の所有状況

(2)海外関連会社の状況

  •  我が国の企業が海外に保有する海外関連会社の数は9千2百社となった。これを規模別にみると、中小企業が4千社(43.1%)、大企業が5千3百社(56.9%)となり、海外関連会社の10社に4社は中小企業が所有している。なお、中小企業が所有する海外関連会社のうち、4社に3社はアジア地域に所在している。

海外関連会社の所有状況

(注)ここでいう海外子会社とは、海外の会社の発行済株式総数又は出資口数の過半数を直接所有している場合の海外の会社をいう。また、海外関連会社とは、海外の会社の発行済株式総数又は出資口数の百分の20以上、百分の50以下を実質的に所有している場合の海外の会社をいう。

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  •  中小企業における女性従業者比率は、製造企業では約43%、卸売企業では約38%、小売企業では約55%、飲食企業では約64%となり、小売企業及び飲食企業においては女性従業者が男性従業者を上回った。
  •  また、中小企業におけるパートタイム従業者比率は、製造企業では約16%、卸売企業では約13%、小売企業では約29%、飲食企業では約38%となり、小売企業及び飲食企業においては3人に1人はパートタイム従業者となった。

(1)女性従業者比率

  •  製造企業における女性従業者の割合は、中小企業が42.5%、大企業が22.9%となり、中小企業が大企業を19.6ポイント上回った。卸売企業では、中小企業が37.7%、大企業が31.6%となり、中小企業が大企業を6.1ポイント上回った。小売企業では、中小企業が55.4%、大企業が55.7%となり、中小企業が大企業を▲0.3ポイント下回った。飲食企業では、中小企業が63.9%、大企業が62.9%となり、中小企業が大企業を1.0ポイント上回った。

(2)パートタイム従業者比率

  •  製造企業におけるパートタイム従業者の割合は、中小企業が16.3%、大企業が6.7%となり、中小企業が大企業を9.6ポイント上回った。 卸売企業では、中小企業が12.9%、大企業が11.5%となり、中小企業が大企業を1.4ポイント上回った。小売企業では、中小企業が28.9%、大企業が44.7%となり、中小企業が大企業を▲15.8ポイント下回った。飲食企業では、中小企業が37.9%、大企業が74.0%となり、中小企業が大企業を▲36.1ポイント下回った。

雇用形態の状況

雇用形態の状況

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  •  製造企業における研究開発を行った企業の割合は、中小企業では約11%、大企業では約70%となり、総じて中小企業は低水準に止まった。
  •  なお、研究開発を行った企業の売上高研究開発費比率は、中小企業では1.7%、大企業では4.4%となった。
  •  製造企業において研究開発を行った企業の割合をみると、中小企業は11.2%、大企業は69.6%となり、大企業との規模間格差は▲58.4ポイントとなった。
  •  また、研究開発を行った企業の売上高研究開発費比率をみると、中小企業は1.7%、大企業は4.4%となり、大企業との規模間格差は▲2.7ポイントとなった。
  •  なお、売上高研究開発費比率の分布をみると、中小企業では0~1%の34.8%が最も多く、次いで1~2%の19.5%、2~3%の11.4%となり、3%までの範囲に7割弱の企業が存在している。他方、大企業では0~1%の42.1%が最も多く、次いで1~2%の17.9%、2~3%の11.4%となり、3%までの範囲に7割強の企業が存在する。このことから、売上高研究開発費比率の分布でみる限り大企業との規模間格差はそれほど見られない。

製造企業における研究開発投資比率の分布(法人企業)

(注)売上高研究開発費比率(%)=研究開発を行った企業の研究開発費÷研究開発費を行った企業の売上高×100

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最終更新日:2007.10.1
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