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【青天を衝け第21回感想あらすじレビュー】
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慶応3年 アルフェー号で出発
成一郎も長いこと会えなかったものの、やっと面会が許されます。さすがに偶然が続き過ぎて、不自然な感じも……。
長七郎は体調がよくないらしい。牢屋ではそうなりましょう。
栄一はここで「見立て養子」のことを相談。平九郎を養子にと言います。
簡単に言えば血統の話です。渋沢家の栄一と尾高家の千代、この二人はイトコ婚にあたります。本作ではいろいろとアオハル路線にしていますが、要するに昔ながらの血統維持の結婚ですね。
そして別の心配ごととして、千代から返事がないとか。
千代は誇り高いので、愛で夫を縛らないためにも、あえて節制していました。そんな幕末らしい烈婦であるがゆえのことですが、本作では今時の萌える女性なのでわかりにくくなっている。
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むしろ千代を裏切って新選組隊士とまで女の取り合いをしていたのは栄一なのですが。そしてこの先のフランスでも色々とあるのですが。それはさておき。
長いトークをして、お互い死ぬときは悔いを残さないようにと語り合います。
慶応3年(1867年)1月11日――。
渋沢栄一はフランス船・アルフェー号で出発し、その一報を手紙で知った血洗島の家族は驚いています。
千代宛の手紙を読む一家。千代を忘れないと手紙を送る栄一。パリで美女とアバンチュールを楽しみ、お持ち帰り未遂をするのですけれどもね。すごい精神力です。
そのころ成一郎と慶喜は軍事訓練をしていました。
フランス船を頑張って撮影し、予算が尽きないか、一瞬不安になりますが、VFXでかなりごまかせそうなので対策済みなのでしょう。
高島秋帆の回想が出てきて、さらには「自分が作った幕府が潰れる前夜」なのに、なぜか嬉しそうな徳川家康も出てきて終わります。
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総評
やっぱり、このドラマは何だかおかしい。
しかし、新たなモデルは生み出せたと思います。
コロナとオリンピックでどうしようもない、スケジュールが立てられない。でも、スタジオ撮影と急拵えの脚本でナントカしたい。そういうシステムを確立したのでしょう。
回想シーンも長い。
そもそも今回はもっとコンパクトにまとめて良かったのでは?
引き伸ばしを感じますが、果たして?
攘夷に大小あり
栄一のぐるぐるだの、おかしれぇだの、とりあえず忘れてください。ここは大攘夷と考えましょう。
攘夷には大小があり、ざっと以下の通り。
大攘夷に目覚めたと褒めたいところです。
幕臣は海外へ向かう前にそこまで到達していたのに、それを活かせなかったのが本当にもったいなかったですね。
タラレバを言っても仕方ありませんが、余計な血を流さずに済んだ可能性もあります。
幕末の外国人は侍にガクブル 銃でも勝てない日本刀も切腹もヤバすぎ
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しくじった慶喜の計算
孝明天皇が若くして崩御してしまいました。
かくして慶喜の見通しは決定的に終わります。
というのも、水戸学は「天下の副将軍」としての機能を求めるところもあったのです。
後期水戸学、徳川斉昭と藤田東湖コンビはそう。将軍とならずに、副将軍として将軍と天皇を持ち上げるシステム構築をめざしていた。
徳川家茂が死に、孝明天皇が崩御としたとなると、もうガードができません。
慶喜の命運は終了です。
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孝明天皇の死因と岩倉具視
孝明天皇崩御については、このドラマの描写を全部忘れないとかえって危険かもしれません。
死因は何か?
実はこれが確定できていない。疱瘡にかかっていたことはそうですが、実はかなり回復してよくなっていたという見方もある。
それがガクッと悪化して、急に崩御したため、当時からこんな噂が囁かれておりました。
「岩倉具視がな、殺したらしいで……」
全く根も葉もない噂というわけでもない。岩倉の妹・堀河紀子が宮中にいた。
この紀子が筆に毒を仕込み、帝が舐めるとじわじわと蝕まれてゆく……そんな噂がありました。当時の来日外国人を含めて、複数の人物が暗殺説を書き残しています。
岩倉はどうだったか?
激怒して否定するかというと、当惑するばかりでした。どうして岩倉の名前が挙がるか?というとミステリでおなじみのこんなセオリーが成立します。
“Cui bono?”
誰がこの事件で利益を得られるか?
孝明天皇崩御の場合、岩倉だったということです。
孝明天皇暗殺説は、それこそ荒唐無稽なものならば「ない!」と言えるのです。
しかし、ちゃんとした記録でも「不明」となる。ナポレオン1世と違い、遺体調査ができないからには迷宮入りでしょう。
そこを踏まえると、本作の岩倉具視は一体なんだったのでしょうか。突然のことであまりに白々しく、かえって怪しく見える。というか、怪しく見えてOKなんですかね。
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