都内のマンションン屋上の立ち入り禁止の柵を潜り抜けて屋上に立ってみた。
2月にしては暖かく、頬っぺをなでる風が気持ち良い。
道路を歩いている人は、女の人でもパンツ姿で、スカートをはいているのは寒さよりカワイサに命をかけられる女子校生達。ああ。私にもそんな青春時代があったハズ。一瞬だけ目頭が熱くなった。屋上から飛び降りるだけなのに、もう、散々悩んだのに、とっくに涙なんて枯れたのに、ほんの少しだけ残っていた私の生への欲求を刺激したのが、無垢な女子高生の集団だったなんて。私、今の格好で飛び降りたら、発見されたときにパンツ丸見えだろうな・・・いつもスカートだからジーパン持っていないし、スカート抑えて飛び降りるのって出来るのかしら・・・。最後の最後にそんな恥をさらしたくはない。今日は一旦、自殺中止。
何を買うわけじゃないけれど、家に戻って財布をとり駅のほうに歩き始めた。
商店街のはずれにある昔からの八百屋の前では、いつも時代錯誤のラジオ放送が流れている。店主の趣味が聖子ちゃん明菜ちゃんの時代で止まっているせいで、大音量で80年代の歌手があたかも今大ヒットしているかのように流れている。今日は、珍しく、TOKIOの
宇船が流れていた。空っぽの心に力強い歌詞がしみ込むよ。今ここで私が死んだら、悲しむ人より喜ぶ人がたくさんいる。1億踏み倒した自称うつ病の元社長、私を騙した税理士、演技派関西タカリ社長、金に目のくらんだお客、そして一生懸命がすべてだと思っていた大バカな私。
生きていく気力はもう無い。
借金の金額が大き過ぎて、生きて返せる額ではない。
スヌーピーの便箋に遺書を書いたら涙で水玉模様が出来すぎて、読めなくなっちゃった。
さよなら私の人生。ありがとう&ばかやろうを残して死ぬことに決めました。もう、こんな思いの人が後からでませんように。決して、人前では弱音を吐けないバカな女の一生をつづります。