自閉症の子を、しかも、知的にもやや重い障害のある子を幼稚園に行かせるなんて!!
信じられない!
虐待じゃない?
言ったほうは素直な感想で、子供の将来を心配した一言だったかもしれない。
ただ、
この言葉は、ものすごく親の心をえぐる不適切な言葉、出来れば本人や親に聞こえないところで勝手に思っていて欲しいと思った。
知的障害のある自閉症の子の母になった。
それだけで、重責を担った気がしている。
この子が幸せに生きていけるように出来る事は何でもしたい。
確かに、身辺自立や、学習支援、早期療育も重要であると思っている。
だから、放っておくという事はしなかった。
そりゃ、だいたいのお母さんがやるように身辺自立の促しもやって来た。
ただ、本当にビックリするくらい、
え?それも出来ないの?
の連続だった。
手でパンを持って
パンを口に近づけて
噛みちぎる
この動作すら出来なくて、3歳くらいまで私が食べさせていた。
徐々に徐々に練習をさせながら、本人の自尊心を傷つけないようにものすごく小さな小さなステップで積み上げてきた。
この子は色々人よりだいぶ時間がかかりそうだ。
そんな覚悟をして、じっくり付き合う事を選択した。
心を潰さない事
それが第一条件だった。
その分、社会では少し頑張ってもらおう!
出来ない子もいるって、たくさんの人に知ってもらおう!と思った。
出来ない中で、どのくらい成長するか?
専門家じゃなくても、成長させる事は出来る。
母だって専門家じゃないし
これから先、発達障害や自閉症と診断される子は増える傾向にある。
専門家ばかりを頼っていたら、待ち時間も半端ない。
診断を受けるだけでも半年待ち。
訓練を受けるのも数ヶ月待ち。
そんなに待っていられない。
日本には素晴らしい教育者がたくさんいる
ただ経験があまり無かっただけ。
母親がじっくり我が子を観察するように、
先生たちだって出来ないわけがない。
知る機会、教える機会が無ければ、そりゃノウハウも学べんだろう
だから、協力者を募った。
普通じゃないよ?
大変だよ?
それでも受け入れ可能ですか?って、事前に面談もして。
OKして、2ヶ月で匙投げたらアカンやろ?
って思いません??
行けると思ったんなら判断ミスか、能力の無さを認める、それって大事な事。
受け入れると決めたなら色々方法を試してみれば良かったし、加配をつけると言っていたじゃないか?と、疑問だらけだった。
何のための面談だったんだよ?
でも、誰しも判断ミスはあるだろうし、思っていたよりも難しかったんだろうと理解はしたから、私なりに協力出来ることをしようと思った。
行事に付き添えと言われれば行った。
運動会も'園児席は難しいでしょうから観覧席でお母さんと一緒にいて欲しい'と言われれば承諾もした。
おかしいな?とは思っても、先生たちが大変だろうから!と協力出来る事は何でもした。
付き添えば付き添うほど、園の内情が見えてくる。
本当は三男が出来る事気づいている先生もいた。
ここまでしなくても…って思っている先生もいた。
結局、トップの考えには逆らえない
それがヒシヒシと伝わって来て。
担任も副園長派だったから、退園を促す側だった。
運が悪かった
担任が違ったら、また違う未来があったかもしれない。
でも!
あのままあの幼稚園にいたら今のような成長は無かったかもしれない。
だから、
運が良かったのかもしれない。
サポート枠のある園は定員いっぱいで空きは無く、諦めかけていた中での受け入れ。
小規模の幼稚園だったこと、
トップの意見は絶対では無い幼稚園だったこと、
熱心な先生についてもらえたこと
おかげで、三男は日に日に成長しています
そりゃ、知的障害を伴う自閉っ子ですもの、順風満帆に、というわけには行きません。
え?偏食っ子に無理やり食べさせるんですか
強引にトイレトレーニング始めますね
いやいや、ストローでも水分取れりゃいいんですが
みたいな、心の本音が漏れ出す時もありますよ??
でもね!
先生の'出来るようにしてあげたい気持ち'が痛いほど伝わって来るし、
出来るようになる!と信じて疑わない気持ちを見ていたら、
もう任せようって思って。
1年経って、驚くほど出来る事があれば、何度教えても出来る様にならない事があると、先生方も身をもって知ってくださった。
私が何故幼稚園にこだわっているのか?も伝わったみたい
療育が大事な事、専門家の指導が伸びやすいという事は重々承知の上で、何故幼稚園にこだわったのか?
自閉っ子も当たり前に皆と同じ場所で学べる事を知って欲しかったし、先生達も実際に関わる事で得るものがあると思ったので。
専門的な場所もありながら、地域でも学べる場所やスキルがあれば、定員の奪い合いが減るのかな?と思って。
え?余計なお世話?
でもね、今の幼稚園で、確かについていけない事が多い中、三男が三男なりに出来る事が増え、周りのお友達と関わり、過ごしている姿を見ると、
やっぱり、幼稚園に来て良かったと思うのです
円も書けず殴り書きだったお絵かきも、今はカラフルで、得意になったアンパンマンだらけ
のりを触れず、絵の具も触れなかった三男が、今やしっかりと工作をし、お絵かきを楽しんでいる
ふらふらとどこかに行けば、お友達に促されニヤニヤと嬉しそうに自席に帰ってくる。
白飯しか食べず、ポテトが唯一の野菜みたいな三男が、幼稚園では頑張る!と決め、揚げ物は大体何でも食べられるようになり、野菜もチャレンジしているそうな
食べれるんやんと、家で出したらブチギレられましたがね
嫌いなものでも食べてみようと頑張る社会性が身についたのではないかと思っています!
通い初めの頃は色々と不安でしたが、今は心からこの幼稚園に入園出来て良かったなと思っています。
ついつい考え過ぎて、
迷惑をかけてしまってる
私のエゴで先生達も、三男も困っているんじゃ?とか、
ゴリ押しするなんて最低だ!とか、私はモンペだ
とか、自分責めして心が潰れそうになりますが、
冷静に見て!と。
三男が大好きで、とにかくなんとかしてあげたいと頑張ってくださる先生。
ありのままを受け入れ仲良く過ごしてくれるお友達
成長や頑張りを一緒に喜んでくれるママ友さん達
悪いほうの意見にばかり耳を貸し、実際には起きていない事まで妄想し、ビビり過ぎたり、疑心暗鬼になり過ぎる自分をどうにかしなければ!!
と、思いました
素直に感謝して、周りを信じて、三男のために良好で適切な環境を作って行こうと思います
協力を得られている事が当たり前では無い事、肝に銘じながら、今ある幸せに感謝して、雑音に惑わされぬように、大切なものを失わないように気をつけて行こうと思います
定型児の中に知的障害ありの自閉っ子がいるというのは、母のメンタル的には確かに辛いです。
でも、ここにいる事で学べる事もたくさんあるし、色々な選択肢があっていいんじゃないかな?と。
協力出来る事はして、任せてください!と言われれば信頼する。
子供を真ん中に。
学び合い、育ち合い、
定型児も障害児も適切なサポートのもと共存していければ最高だなぁと思っております。
障害児者が、邪魔者扱いされる事なく、丁重に扱われ過ぎる事もなく、
ひとりの人間として、大切にされ、また誰かを大切に思えるように。
心のバリアフリー社会が、実現できたらいいなと思っています