路線価 長野県内平均0・5%下落 税務署別最高路線価は6地点下落

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 関東信越国税局が1日公表した路線価によると、長野県内標準宅地(約5300地点)の2021年分の対前年比の平均変動率は、0・5%の下落だった。計算方法を見直した10年以前を含めて下落は26年連続。新型コロナウイルス感染拡大に伴う事業活動の停滞によりマイナス幅は前年より0・4ポイント拡大した。県内10税務署別の最高路線価は6地点で下落、4地点で横ばいとなり、上昇した地点はなかった。

 10税務署別の最高路線価で最も高く、20年に唯一上昇(3・5%)した長野市南長野の長野駅前通りは3・4%下落。1平方メートル当たりの価格は28万5千円だった。近年はビジネスホテルやマンションの建設が相次ぐが、不動産鑑定士によると、コロナ下で観光需要が激減し、ホテルや飲食業の業績が悪化、下落につながったとみられる。都道府県庁がある都市の最高路線価の順位では高い方から31番目で前年(30位)より下がった。

 県内の他の9税務署の最高路線価のうち、松本市深志1丁目のしらかば大通りは4年ぶりの下落。別の不動産鑑定士によると、松本駅前では飲食店などの個人営業型店舗の撤退が目立つという。伊那市荒井の県道南箕輪・沢渡線は10年連続の下落。他の下落地点でも事業環境悪化や人口減少の影響がみられるという。

 北佐久郡軽井沢町軽井沢の旧軽井沢銀座通りは2年連続で横ばい。新型コロナを避けようとする首都圏などからの別荘地需要が堅調で、商業地も底堅く「今後の上昇余地は大いにある」(不動産鑑定士)という。

 県内の用途別標準地は、住宅地(2カ所)のうち、長野市上駒沢が1平方メートル当たり4万3千円、松本市蟻ケ崎台が4万2千円で、ともに横ばい。商業地(同)は長野、松本両税務署の最高路線価の地点と同じ。工業地は長野市大豆島で、1平方メートル当たり1万6千円で横ばいだった。

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