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新曲「ポリゴンウェイヴ」配信リリースしました!【2021年7月号 Perfume 連載】『たちまち、語リンピックせん?』
ファンにとって待ちに待ったライブ「Perfume LIVE 2021 [polygon wave]」の8月開催決定という吉報に続き、新曲「ポリゴンウェイヴ」が7月2日(金)にデジタルリリースされ、しかも同曲が9月3日(金)配信開始のAmazon Original番組『ザ・マスクド・シンガー』のテーマソングに決定し、同番組のパネリストに就任するなど、再び躍動を始めたPerfume。そんな彼女たちが2007年以来続けてきた連載『たちまち、語リンピックせん?』が、いよいよTV Bros.WEBでも配信されます。
新調された久保ミツロウ先生による題字イラストの感想や、「ポリゴンウェイヴ」リリースまでの過程を振り返りつつ、同曲への思いに、ライブへの意気込みなど、TV Bros.note版と変わらず大容量のPerfumeをこれからもお届けします。
取材・文/照山紅葉
[テーマ]「2021年初のリリースとなる「ポリゴンウェイヴ」を研究せよ……じゃなく研究します!」
[言い出しっぺ]TV Bros.編集部
●久保さん、意思の強さとか、女の子の強さを描くのが本当に上手ですよね(のっち)
──今回からこの連載が「TV Bros.WEB」でも配信されることになり、久保ミツロウ先生にタイトルイラストを新たに描きおろしていただきました。ぽぽたん(あ〜ちゃん)、ニアちゃん(のっち)、リヨンくん(かしゆか)も皆さんと一緒にいますよ。
のっち うわあ、ありがとうございます!
かしゆか 嬉しいです!
あ~ちゃん すごいね! 何見て描いてくれたんだろう?
のっち 最新のPerfume Closetの洋服を着てるね。3人とも(※Perfumeが企画プロデュースするファッションプロジェクト。現在第5弾まで展開)。
あ~ちゃん ぽぽちゃんたちはPerfume Closetのクッションを参考に描いてくれたのかな?
──ファンの方ならインスタなどで見たことがあるかもしれません。ぽぽたんの目がくるっとしてる写真。
のっち 久保さんが以前描いてくれたPerfumeの絵を見返したんですけど、やっぱりめちゃくちゃ好きだな、ホントに好きです。意思の強さとか、女の子の強さみたいなの。今回のもひとつ前(広島カープのユニフォーム姿)のPerfumeよりナチュラルな感じになってて。
──久保先生は2005年、サンシャインシティ噴水広場の「リニアモーターガール」リリースイベントにも参加されていた昔からのファンですから。
あ~ちゃん それも信じられないです。きっと久保ミツロウ先生のアンテナ感度がすごい高いんでしょうね。ピィ──ンって。
のっち うんうん!
あ~ちゃん 自分たちが積極的に情報を取ってもらわないと聴いてもらえない、観てもらえない時期に興味を持っていてくれてたのも、めちゃくちゃありがたい話だし。今回もこんなん描いてもらえるなんて思ってなかったから、本当にプレゼントもらったみたいな気持ち♪
かしゆか 絵の私たちも大人っぽくなりましたよね。段階を踏んで、私たちの年齢の変化も自然と描いてくれてることが嬉しいです。会ってないのにちゃんと感じ取ってくれてる。
──映画『モテキ』の試写以来、お会いしてないんですか?
かしゆか もう全然です。
のっち 勝手にテレビで拝見しているだけで。
──コロナが落ち着いたら久保先生とご一緒できる企画、何かやりたいですね。
かしゆか やりたいっ!
のっち ぜひ!
あ〜ちゃん お願いします!
──それでは本題に入る前に「TV Bros.WEB」第1回目ということで、今年上半期、皆さんのお気に入りのテレビ番組をうかがってもよろしいですか?
かしゆか えーっ、なんだろ? いまパッと浮かぶのは『大豆田とわ子と三人の元夫』(カンテレ/フジテレビ系)ですね。最終回を見たばかりなのもあるんですけど、最高でした! あのニュアンスを楽しいってわかってくれる人とめっちゃ共感したい気持ちがあります。結局、どの旦那(松田龍平、角田晃広、岡田将生)とも別に嫌いになったわけではなく、一人を選ぶところがすごい現代っぽくて。
あ〜ちゃん 最高でしたね!
かしゆか 劇的な大恋愛ではなく“日常とか現実って実際こう”っていうのがリアルに描かれてましたよね。そのはっきりさせないニュアンスの心地よさ、みたいなところが共感できるなって感じたんですよね。あとは全編通して伊藤沙莉ちゃんのナレーションが素晴らしくよかった! 本編に出て来なくて、それだけで使うって贅沢ですよね。エンディングもよかったです。
あ~ちゃん ♪ファ〜ララ〜、ファ〜、ファ~ララ~、ファ〜(STUTS & 松たか子 with 3exes「Presence」のイントロ部分)
かしゆか 最初のほうはその回でフォーカスした夫のミュージックビデオになっていたり。松さんと一緒にゲストのラッパー(KID FRESINO、BIM、NENE、Daichi Yamamoto、T-Pablow [登場順])が実際に出てきて毎回違うPVを撮り下ろしてる感じがすごく新しかったです。エンディングの曲ってドラマの最後のシーンに乗せて、歌カットして衝撃のタイミングで“次回!”みたいなことが多いですけど、別ものとして撮られてる感じがまた音楽っぽくて楽しかった。
あ~ちゃん 音楽家もいっぱい出てたね。浮雲さん(長岡亮介)も出てたし、スカパラの谷中敦さん──谷中さんは最悪な役だったけど(笑)。たぶん作ってる人、音楽好きなんじゃろうね。
かしゆか ね! そう思う(※プロデューサーの佐野亜裕美さんのコメントより引用。「ドラマを立ち上げ始めたころ、脚本の坂元裕二さんと「主題歌は松さんでラップはどうだろう?」という話で盛り上がってから、これは詳しい人に相談しなきゃ! と前職の先輩である藤井健太郎さんに相談したところからこのプロジェクトがスタートしました」)
あ~ちゃん こういうかっこいいラッパーの方たちって、日本では『ミュージックステーション』(テレビ朝日)さんとかテレビで表立つというよりかは、アンダーグラウンドに独自の場でそれぞれの発信をしてるイメージで。だから、まじカッコいいアーティストって、いっぱいいるんだよって、こういうアプローチで聴かせてもらえるとほんとにぶち上がります!
かしゆか 坂東祐大さんの劇伴もずっと聴いちゃう。劇中で松さんが歌ってくれるのも嬉しかった。鼻歌だけで上手すぎるんですよ。
あ~ちゃん 懐かしい歌を歌ってたね。こっちからすれば、“もうそれやられちゃったら歌手の居所ないっす”ってぐらい(笑)。俳優陣みんな歌もラップも上手いし声まで魅力的で、当たり前のように綺麗〜て。それでエンディングも毎回PVみたいな作りでい〜い曲だし、ラッパーだけでなく俳優陣また出てくるんかい? って、これだけやられたらぐうの音も出ないっすわ〜(笑)、いうぐらい魅了されました!
──松たか子さんとお会いしたことって、そんなにないですよね。
かしゆか 紅白でお見かけして、驚いたぐらいかな?
のっち 『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)で一緒だった!(2009年4月3日・10日放送『空耳アワード2009』)
あ〜ちゃん 松さん、本当に素敵な方ですよね。
のっち 私はまだ『大豆田とわ子』途中までだけどめちゃくちゃ面白いので、この記事が出る頃には見終わってるようにします!
かしゆか 『リコカツ』(TBS系)と『あのときキスしておけば』(テレビ朝日系)の最終話もこれから放送(取材時)なので、上半期のドラマの話は次回また改めてさせてほしいです。
──わかりました。そのとき7月スタートのドラマの話も聞かせていただけたら嬉しいです。
●レコーディングに対するフットワークが軽くなった状態でスタートした感じがします(かしゆか)
──それでは、7月2日に配信リリースされた新曲「ポリゴンウェイヴ」のお話を。
かしゆか どうでしたか?
──もう最高じゃないですか! ここでこういう楽曲を出してくるんだって驚かされましたし、これまでのPerfumeの楽曲の要素をちりばめながら、確実に新たなフェーズに入った感があります。個人的には「ポリリズム」をリリースした頃を思い出しました。
3人 へぇー!
──以前から夏に新曲をリリースしたいねというお話がありましたが、どういう話し合いを経て今回のこの曲が完成したんですか?
かしゆか 去年の年末に中田(ヤスタカ)さんと会ったときに、レコーディングの仕方とかざっくばらんに話してみたいねって話になったんです。Perfumeとしては中田さんの思うペースでバンバン録っていきたい、みたいな話をしたら、中田さんもそのやり方がいいということになって。いままでとは違うやり方で曲を作ってもらった感じですね。中田さんの中で変わったことはそんなにないかもしれないけど、レコーディングに対するフットワークが軽くなった状態でスタートした感じがします。
──Perfumeさん側から提案されたわけですね。
のっち いままでのタイアップが決まったから曲がほしいですとか、このライブのために曲がほしいですっていうレコーディングの仕方じゃなくて、作品作りみたいな感覚でしたね。たくさん曲録ってみようよ、みたいな。何かのために曲を作るんじゃなく、Perfumeの曲をたくさん録ってみよ? みたいな。そんな感覚でした。何かテーマがあって曲を作る方が中田さんは心地いいのか、それともいまのPerfumeに合った曲を書いてみたいと思ってくれてるのか、っていう話し合いからまずしたので、中田さんのやってみたいレコーディングの方法を試してみた中の1曲って感じです。いまの私たちの雰囲気とか、これからのPerfumeの音として最初にみんなの耳に届けたい──そんな感じで出てきた曲がこれって、めっちゃ余裕感あってかっこよくないですか?
──かっこいいです。
あ~ちゃん いまのこの時代、大人ってこうだよね。でも子供ってこうだよね、みたいな。時代が変化するとき、それに順応できないのは大人だけで、子供たちはルールがその場で変わっていっても、その中で楽しさを見出してまた新しく楽しんでいけるっていう。そういう遊べる感覚を大人もちゃんと持ったほうがいいし、いまどういう音楽が自分たちにとってフィットするか、みたいな話とか、Perfumeの未来感とか、そういうものをすり合わせたみたいな時間でしたね。
のっち うんうん。
あ~ちゃん だからレコーディング自体も中田さんが私たちに“こんなんオモロくない?”みたいなプレゼンしてるような感じで。いつもそうだったけど、やっぱりそこにはタイアップとかあったり──ありがたいことなんですけどね。どこで流れる、誰が聴くっていうのが決まってるっていう曲の作り方をしてくれてたんだと思うんですけど。いまのPerfumeはこういう人に聴いてほしいではなく“こういう歌を歌っていたい”っていう感じというか。だからめちゃくちゃ余裕感あると思いますね。他がどうであれ関係ないっていう感じで。それが自分たちにもすごくフィットして、聴いてて本当にかっこいいなと思うし。けど、それがただ突き放してるわけじゃなく、懐かしい感じがするんですよね。“そうだ、これが私たちだ”って。自分たちのかけらがいっぱいいっぱいこの曲の中に落ちてるような感じで。だからさっきの感想はめちゃくちゃしっくりきました。
──確かに「ポリリズム」も世の中に迎合しようとするのではなく、中田さんとPerfumeがかっこいいと思った楽曲を世に提示したらみんなが受け入れてくれたっていうフィット感でしたよね。じゃあ、年末に話し合われて、いつ頃レコーディングだったんですか?
あ~ちゃん 2月だったかな?
のっち 2月の後半が最初だって。
かしゆか そのあとも何日か録ってた感じですね。中田さんが作ってみようと思って形になったら録ってみる。けど、もしかしたらなくなるかも、みたいな話の中で、どんどん録っていって。じゃあ夏に出すならこれかなあ、みたいな。レコーディングしたときはまだ「ポリゴンウェイヴ」ってタイトルもついてなくて、歌詞の中にあっただけなんですよ。でも、すごいインパクトある言葉だから、タイトルつくならきっとこれだよね、みたいな感じはありました。
──WAVE=波形ですし、中田さんの好きそうな言葉ですね。
かしゆか 「ウェイヴ」も「ポリゴン」も。
──好きなものが2つ一緒になったって感じがします。
あ~ちゃん ふふふ。それめっちゃ面白いですね(笑)。それで言ったら、CAPSULEの新曲「ひかりのディスコ」も両方好きな言葉じゃない? 「ひかり」と「ディスコ」。
かしゆか 意外と組み合わせてなかったんだ? って(笑)。
あ~ちゃん ワードセンスもめちゃくちゃ天才だと思います!
──コロナ以降、中田さんもお客さんの前でパフォーマンスすることができなかったと思うんですけれども、そういう話はしなかったですか?
あ~ちゃん 中田さんはもともと外に出たい人っていうよりかは、ずっと制作してる方がたぶんお好きなんだと思うんですよ。だからだと思うけど、ポジティブ力みたいなのがめちゃくちゃ上がってましたね。人間感っていうか……ベローンと剥がれたみたいな感じで。なんか中田さんの中のめちゃくちゃプラスな部分ていうか、もともとあった前向きな部分がむき出しになったなって思いました。
かしゆか なんかスッキリしたよね? シンプルっていうか、たぶんいろんなことを考えたんでしょうね。生活もたぶん変わったし、あ~ちゃん、中田さん痩せたって言ってたもんね。
あ~ちゃん めっちゃ痩せてた! それで、聞いたら「いま自炊してるから」って。外食してないんだって。
かしゆか そうだよね。外に出かける仕事が減ったらサイクルも変わってくるんだろうね。
あ~ちゃん うん。すごいわ。でも、もともと中田さん、小さいときからずっと曲を作られてきた方じゃないですか? そういう方ってやっぱり人と比べてどうこうではなく、自分の内なるもの、出てくるもの──「聴きたい曲がなかったから自分で作った」って中田さん言ってたじゃないですか? そういう感じでずっとやってきたのに、DJやライブではみんなこういう曲で盛り上がるんだとか、いろいろ考えたと思うんです。ただ、多くの人が好きなものというよりは突飛なものだったり、人が生み出さないものも中田さんはずっと生み出してきた人だから、“これだ!”っていうものがはっきりしたんじゃないですかね。
のっち うんうん。
あ~ちゃん だからめっちゃ流暢なんですよ。超しゃべるし。レコーディングの前も後も、めっちゃしゃべるんですよ。「こういうのよくねー?」って感じで(笑)。途中、スタッフさんが「そろそろ歌、やりますか?」って言ってくれたりするくらい、おしゃべりもすごく楽しくて。やりたいことっていうか“こういうことやったら面白いのに”っていうものが溢れ出てるって感じがしましたね。だから何か話しててすごい楽しいし、ああ、このときを中田さんはずっと待ってたのかなとも思ったぐらい。CAPSULEも今年メジャーデビュー20周年じゃないですか? 「ひかりのディスコ」天才じゃないですか。ヘビロテとはこのことっていうぐらい死ぬほど聴いてるんですけど。
──ミュージックビデオみたいに夜の首都高速を走りながら聴きたいですよね。
あ~ちゃん。いいな〜、憧れるな〜。こしじまさんはどういう感覚なんだろうなって、それ今度インタビューしてみたいなって思いました。そういうコラボもいいですね。
のっち うん、面白そう!
●中田さん曰く「100年先の、みんなが憧れる街の世界のドラマの曲」です(あ〜ちゃん)
──他にもレコーディングのときに印象に残っていることはありました?
かしゆか 歌入れの順番はいつもと変わらず、あ〜ちゃん、私、のっちの順でした。
あ~ちゃん 中田さんがイメージするワードをいろいろ言ってくれてて。“ここじゃないどこかの世界で、実はめちゃくちゃ進化した科学力があるのに、それ隠してましたぁ”とか。「ポリゴンウェイヴ」は“いまよりもっともっと先。100年先の、みんなが憧れる街の世界のドラマの曲だ”って。
のっち へぇーっ!
──その世界観、すごくしっくりきました。中田さんの中ではそういう設定があるんですね。
あ~ちゃん だから大人っぽいというよりはエレガントなんですね。“若いんだけど、めっちゃ老けてる”とか、“(『ルパン三世』の)不二子ちゃんしか住んでない街”みたいなこと言ってて。
のっち それめっちゃ面白い。なんかさ、みんなが昔思い描いてた近未来みたいなものって結構飽和してるっていうか。大体同じようなものが浮かぶじゃん? そこからもういっこ先に行きたいんだなって今回思ってた。その感じなんだね。まさに。
あ〜ちゃん それそれ!
のっち もう早く「ポリゴンウェイヴ」以外も聴いてほしいんですけど!
──そこまでイメージがしっかりあるのならビジュアル面も期待が高まります。この曲にどんな振りがつくのか、気になっていたんです。
かしゆか ねえ?
あ~ちゃん まあ、衣装が強烈なんで。
──イメージとしてはロングのドレスでゆらゆら揺れてるだけでも結構なんですけれども。裾がはためく感じで。
あ~ちゃん オートクチュールだけど、ドレスではないです(笑)。ヌーディーな感じ?
かしゆか やってそうでやってこなかった感じかな? かわいいです。おしゃれ。今回デザインがToshio Takedaさんなんですけど、もうTakeda節出てます!
──おおーっ。それも楽しみです。この曲を携えて8月14日(土)、15日(日) のPerfume LIVE 2021 [polygon wave] に臨むわけですね。ちなみにライブタイトルはアルファベットですが、曲名をカタカナにしたのってなにかこだわりはありますか?
のっち 中田さんの「カタカナ可愛くない?」でした。ノリ的には。
あ~ちゃん 歌詞もカタカナだったから。英語じゃなかったんですよ、そこの部分。ていうのもあると思います。たぶん、みんなが憧れる世界の文字はカタカナなんでしょうね。
──確かに海外のアーティストでもカタカナをジャケットに使う人多いですね。
あ~ちゃん ね? なんかロゴ感ありますよね。
──“パフューム”Tシャツも人気ですもんね。
あ~ちゃん 人気でしたねー。すごいいろんな人からほしいって言われました。
──さっきお話のあった未来感は、Perfume LIVE 2021 [polygon wave] でも見られそうでしょうか?
かしゆか ライブはライブでもうブッとんでかっこいいです!
あ~ちゃん ホント期待して来てほしいし、うちらがやりたかったことってまだいっぱいあるよっていうことをそれで知ってほしい。やっぱ“見たことのないことをやりたい”って思いがあるんですよ。それが今回も叶いそうだし、普段だったらそういう席の取り方はしないけど、こういう時期だからこその作り方、見せ方を究極に考えて作られているライブなので……それはたぶん驚いてもらえると思うし、自分たちをどうイメージしてくれてるかはそれぞれ違うと思うんですけど、その中で自分たちがポリシーとしてることが実はどういうことだったのかを紐解くライブにもなると思います。だから自分たちがこだわっているものって自分たちだけじゃないんだよ、3人だけのポリシーじゃないってことを、みんなと一緒に体感したいですね。
──皆さんが表現したいことって技術の進歩はあれど、ずっと変わらない感じがします。
あ~ちゃん もう。泣いちゃうかも! って感じです。
──前日にタオル、柔軟剤入れて洗ってパイル立てておきますね。おろしたてだと全然水吸わないので。
かしゆか ノリが硬いから。
のっち 吸収性上げといてもらって(笑)。
──前回のライブからはPerfume初のNFTアート作品「Imaginary Museum “Time Warp”」も販売されましたね。
かしゆか ”P.O.P” Fesのですね!(Netflixで配信中の「Perfume Imaginary Museum “Time Warp”」で使用したデータを元に制作)
──“コンセンサスアルゴリズムにPoSを採用し環境負荷を小さくしたPolygon(ポリゴン)を採用し、ライゾマティクス独自のNFTアートのマーケットプレイス「NFT Experiment」でリリース”ということで、アート界を中心に大きな話題となっていますが、こちらの「ポリゴン」も2021年以降の重要なキーワードになりそうですね。
あ~ちゃん そうですね。なんか手元に残るもの、触れるものだけが財産ではなくて、変わっていかないデータとして将来ずっと残ること──それが新しい価値だなって私たちも思っていて。自分たちはそういうデータばっかりい〜っぱい取ってきた人間なので。
──ですね。
あ~ちゃん ホントめちゃくちゃあるんですよ! それにすごい価値があることも、もちろんわかってて。それを使っていろいろ見せられるエンターテインメントをこれまでもいろいろやってきたんですけど、それを未来のアーティスト、データを使って面白おかしく遊んでくれるみんなのためにもそういうものを出してみたら、また新しい広がりがあるんじゃないかって。あと、自分たちがやってもらっていること自体めちゃくちゃかっこいいなと思ってて。それは自分たちを支えてくれている大度さん(真鍋大度)はじめ、ライゾマの皆さんの想像するものがホントにかっこいいと思ってるから、それがいま一度評価されたらいいなということと、ライブだけじゃない新しい皆さんとの関わり方とか、新しくみんなが楽しんでもらえるものが提供できたらいいなっていうことでの挑戦って感じですね。
──世界的に始まったばかりの試みですし。
あ~ちゃん 台帳に自分が買ったんだっていうことがずっと記録として残っていく。そういう特別感っていままでなかったと思うんですよ。価値がどんなに上がっていっても知る人しか知らない、みたいな。けど、それがずっと残っていくあんまり味わったことがないことだから面白く広がっていったらいいなと思ってます。
──「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」(2013年)のプロジェクションマッピング、バーチャルとリアルをシームレスにつないだ「SXSW 2015」、東京・ロンドン・NYのステージを同時につないだ「docomo FUTURE-EXPERIMENT VOL.01距離をなくせ。」(2017年)などを実現させてきたPerfumeさんだからこそだと思いますので。
あ~ちゃん 自分たちもデータとか、取り方とか、それを取ってどうなってるとか詳しく説明できないんですけど、これがかっこいいっていうことはわかるし、これを作るのが大変なんだっていうことはわかるんですよ(笑)。撮影している回数もものすごいし、すごい時間をかけてるし。だから、いい風に広がっていったらいいですよね。
のっち グッズとか商品とか広告として残っていくんじゃなくて、アートとして残っていくっていままでなかったから。
──ひとつの未来のかたちですよね。かしゆか商店(「Casa BRUTUS」にて好評連載中)で伝統工芸として長く残っているもののように、デジタル世代のアーティストがデジタルのまま永久に作品を残していくという。
あ~ちゃん いろんな媒体があるけど、世界中の人が同じプラットフォームで同時にアクセスできるのがいいですよね。例えばJ-Popが世界のランキングに乗ろうとしたら大変じゃないですか? それだけ多くの人に聴かれたり支持されたりしなきゃいけないぶん難しいんですけど、それが新しい伝わり方、見られ方で広がっていくのはすごいことだなって。だからこれから本当に楽しみですね!
Amazon Original番組『ザ・マスクド・シンガー』パネリスト就任発表にて。9月3日より配信予定です。
<プロフィール>
Perfume(ぱふゅーむ)●あ~ちゃん、かしゆか、のっちによるテクノポップユニット。8月14日(土)、8月15日(日)ぴあアリーナMM(神奈川県・横浜市)にて「Perfume LIVE 2021 [polygon wave]」の開催が決定。ニューシングル「ポリゴンウェイヴ」はデジタル配信中。
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