静岡知事、伊東市のメガソーラーを許可
静岡県の川勝平太知事は2日、同県伊東市で建設計画がある大規模太陽光発電所(メガソーラー)について、森林法に基づく林地開発の許可を出した。事業者の伊豆メガソーラーパーク合同会社(東京・中央)に同日、通知した。今後は伊東市で6月に施行されたメガソーラー規制条例の適用対象になるかが焦点になる。
森林法の林地開発許可は防災対策や水源管理、環境保全などを要件にしている。川勝知事はこうした基準を満たしたと判断した。
事業を巡っては景観や環境への懸念から周辺住民らの反対が相次ぎ、川勝知事も反対の意向を示していた。県森林審議会での審議も長引き、6月23日に開いた4回目の会議で開発を許可する答申をまとめた。
川勝知事は2日、記者会見し、許可決定に関して「地域を大切にするか、事業者の利益を取るかが明確に問われた事案。懸念が払拭されないまま許可を出すのはすっきりしない気持ちがある」と述べた。
伊東市のメガソーラー規制条例ではパネル設置面積が1.2ヘクタールを超える事業の着工は市長が原則同意しないと規定している。このため、今回の事業が既に着工済みかどうかが今後の焦点になる。
川勝知事は同条例について「(事業は未着工なので)当然適用される」との認識を改めて示した。事業が条例に抵触する場合、国が再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)を定めたFIT法に反し、国の許可が取り消される可能性もある。