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山伏(七十一番職人歌合 東博本)
 
山伏の着用する法衣は篠懸(すずかけ) という直垂形式の衣服で、共裂(同生地)の括袴をはく。生地の色は不定で茶・緑・白などがあり、文様のあるものが多い。篠懸は直垂と違い裾を袴に入れない。
頭には頭巾(ときん)をかぶる(小型で額に当てて着用するものは近世以降である)。そして、脛巾を着け、履物を履き、結袈裟(輪袈裟)をかける。以上が山伏の基本的な服装である。
 
時代劇や現代の山伏など見ると、山伏の集団は皆同じ色の篠懸を着ているが、先に述べたとおり絵巻を見ると篠懸の色は様々である。
また篠懸には奥袖(おくそで)と鰭袖(はたそで)の縫目に紐がつき、袖が邪魔な時は左右両袖をたくしあげ首の後で左右の紐を結び合わせることができる。これも時代劇や現代の山伏などでよく見られるが、当時の絵巻では見られない。