PSDToolKit を使う際には、音声合成ソフトと組み合わせて使うことがしばしばあると思います。
Shift キーを押しながら音声ファイルをドロップすることで 口パク準備
や 字幕準備
、多目的スライダー
などが自動生成されるというのはチュートリアルにて紹介しましたが、設定をきちんと行うとソフトによっては音声ファイルを保存するだけでカーソル位置に自動で挿入することができるようになるものまであります。
ここではチュートリアルを既に読み終わり PSDToolKit についての基本的な知識が既に備わっている方々へ向けて、ツール連携方法について紹介していきます。
あなたのニーズに合わせて何を用意すればいいかザックリと導くフローチャートです。
最後の項目はリンクになっており、クリックすると詳細な説明に飛べます。
音声ファイルの自動挿入にはごちゃまぜドロップスが持つ 外部連携 API を使う必要があり、
これに対応しているのは現時点では VoiceroidUtil と拙作の かんしくん だけです。
そのため自動挿入するには VoiceroidUtil
を使うか、音声とテキストが同時に保存できるソフトと かんしくん
を組み合わせて使うかの2択になります。
後者のパターンは上記フローチャートにはない組み合わせで動くものもたくさんありますが、ここでは一番ニーズが多そうなものに絞って紹介しています。
自動挿入を使わないのであれば、音声ファイルさえあれば使えます。
音声ファイルを生成できるソフトと自由に組み合わせてお使いください。
チュートリアルで紹介したように設定を行えば、ファイルを拡張編集に投げ込むときに Shift キーを押しておくことによって口パク準備などを自動生成できますし、テキストファイルがあれば字幕準備の自動生成もできます。
また、ソフトによっては *.exo
ファイルが生成できるものもあります。
音声とテキストのみが入った *.exo
を使うなら、PSDToolKit の 環境設定ダイアログ にある 1フレーム目に音声とテキストがある *.exo をドロップした時
にチェックを入れておくことで、挿入されるデータを 字幕準備
や 口パク準備
などに変化させることもできます。
VoiceroidUtil は VOICEROID などの AITalk 系製品の起動/終了を管理したり、規則的なファイル名での保存や、外部ツールとの連携をサポートしてくれます。
VoiceroidUtil を使えば保存のたびに 名前をつけて保存
のダイアログを使う必要がなくなり、更に連携設定を行えば拡張編集への自動挿入まで行えるようになります。
設定
タブをクリックします。音声保存
タブをクリックします。AviUtl拡張編集ファイル(.exo)を作成
にチェックを入れます。これで VoiceroidUtil での音声ファイル保存時に AviUtl にテキストと音声が挿入されるようになりました。
ただし、この状態で挿入されるのは普通のテキストオブジェクトと音声です。
ここから更に PSDToolKit の 環境設定ダイアログ にある 1フレーム目に音声とテキストがある *.exo をドロップした時
にチェックを入れておくことで、挿入されるデータを 字幕準備
や 口パク準備
などに変化させることができます。
なお PSDToolKit で 字幕準備
や 口パク準備
などを作成するようにすると VoiceroidUtil 側で設定したキャラごとのフォント設定などはすべて無効になりますが、これは仕様です。
PSDToolKit ではフォント設定などは 字幕表示
で行います。
AITalk 系の製品とかんしくんを組み合わせて使うこともできます。
色々な音声合成ソフトを組み合わせて使う場合にはこの構成が選ばれることもあります。
かんしくんの基本的な部分についてはこちらを参照ください。
VOICEROID2 や ガイノイドTalk のように複数のキャラクターが扱えるタイプのものと、VOICEROID+ 東北きりたん EX のように単体のキャラクターのみ扱えるタイプのものの、
連動起動を利用することで、名前をつけて保存ダイアログを自動処理します。
これはセリフを入力する際にボイスプリセットタグをつけて 東北きりたん(v1)>こんにちは
のようにして音声保存することで反応するルールです。
音声ファイルは AviUtl のプロジェクトファイルと同じ場所に 201231_235959_きりたん_こんにちは.wav
のような名前で配置されます。
# 注意: このファイルの文字コードは必ず UTF-8 にしてください
padding = 200
filemove = 'move'
deletetext = true
[[asas]]
exe = 'C:\Program Files (x86)\AHS\VOICEROID2\VoiceroidEditor.exe'
format = 'ボイロ2_*.wav'
[[rule]]
encoding = 'sjis'
file = 'ボイロ2_*.wav'
text = '''^東北きりたん\(v1\)>'''
layer = 4
modifier = '''
text = re.gsub(text, "^.*?>", "") -- ボイスプリセットタグを除去
text = re.gsub(text, "<<(.*?)|.*?>>", "${1}") -- ルビを除去
filename = os.date("%y%m%d_%H%M%S") .. "_きりたん_" .. tofilename(text, 10) .. ".wav"
'''
連動起動を利用することで、名前をつけて保存ダイアログを自動処理します。
音声ファイルは AviUtl のプロジェクトファイルと同じ場所に 201231_235959_きりたん_こんにちは.wav
のような名前で配置されます。
# 注意: このファイルの文字コードは必ず UTF-8 にしてください
padding = 200
filemove = 'move'
deletetext = true
[[asas]]
exe = 'C:\Program Files (x86)\AHS\VOICEROID+\KiritanEX\VOICEROID.exe'
format = 'きりたん_*.wav'
[[rule]]
encoding = 'sjis'
file = 'きりたん_*.wav'
layer = 1
modifier = '''
text = re.gsub(text, "<<(.*?)|.*?>>", "${1}") -- ルビを除去
filename = os.date("%y%m%d_%H%M%S") .. "_きりたん_" .. tofilename(text, 10) .. ".wav"
'''
VoiceroidUtil のみを使って自動挿入することもできますが、かんしくんを組み合わせて使うこともできます。
色々な音声合成ソフトを組み合わせて使う場合にはこの構成が選ばれることもあります。
この構成で使用するなら VoiceroidUtil はデフォルト設定のまま使うことができます。
かんしくんの基本的な部分についてはこちらを参照ください。
VoiceroidUtil がすべてデフォルト設定なら以下のような設定で動作します。
VoiceroidUtil を通して音声ファイルを作成すると、AviUtl のプロジェクトファイルと同じフォルダーへコピーしてから投げ込みます。
filemove = 'move'
だと VoiceroidUtil の動作に干渉してしまうので注意してください。
# 注意: このファイルの文字コードは必ず UTF-8 にしてください
padding = 200
filemove = 'copy'
deletetext = true
[[asas]]
exe = 'C:\Users\YourName\Documents\VoiceroidUtil\VoiceroidUtil.exe'
flags = 0 # 「名前を付けて保存」ダイアログの自動処理は無効
[[rule]]
dir = 'C:\Users\YourName\Documents\VoiceroidWaveFiles'
file = '*_東北きりたん(v1)_*.wav'
encoding = 'sjis'
layer = 1
棒読みちゃん に Plugin_Bouyomichan_wav_and_txt.dll を導入すると、音声ファイルとテキストファイルを同時に保存できるようになります。
音声 テキスト出力
プラグインを有効にします。その他
タブをクリックします。音声 テキスト出力
を選択し、下にあるスパナアイコンをクリックします。tmp
フォルダーに設定します。これで 音声合成
タブに戻り、セリフを入力してツールバー右上のほうにある 🛑/📝
のようなボタンを押すと音声とテキストの保存ができます。
かんしくんの基本的な部分についてはこちらを参照ください。
201231_235959_女性1_V@100_S@100_T@100_こんにちは.wav
のような名前でファイルが作成されると反応するルールです。
# 注意: このファイルの文字コードは必ず UTF-8 にしてください
padding = 200
filemove = 'move'
deletetext = true
[[asas]]
exe = 'C:\Users\YourName\Documents\BouyomiChan\BouyomiChan.exe'
flags = 0 # 「名前を付けて保存」ダイアログの自動処理は無効
[[rule]]
encoding = 'sjis'
file = '*_女性1_*.wav'
layer = 1
modifier = '''
filename = os.date("%y%m%d_%H%M%S") .. "_女性1_" .. tofilename(text, 10) .. ".wav"
'''
SofTalk はそれ単体でも音声とテキストファイルを保存することができますが、ゆっくり調声くんと組み合わせると詳細な調声やセリフの再編集なども行いやすくなります。
設定
タブをクリックします。SofTalk.exe ファイルパス
に SofTalk.exe のファイルパスを指定します。音声作成
タブをクリックします。ファイル
メニューから 新規プロジェクト開始
を選びます。C:\Users\YourName\ゆっくり調声くんプロジェクト
など)これで左上の 新規作成
を選び、緑の枠の一番上の入力欄にセリフを入力して 変換
ボタンを押すと読み上げに関する設定画面が現れます。
この状態で下の 挿入
ボタン押すと上のセリフ一覧にセリフが追加され、それと同時に音声とテキストが保存されます。
かんしくんの基本的な部分についてはこちらを参照ください。
ゆっくり調声くんのプロジェクトを C:\Users\YourName\ゆっくり調声くんプロジェクト
に配置している場合、以下のような設定で動作します。
# 注意: このファイルの文字コードは必ず UTF-8 にしてください
padding = 200
filemove = 'move'
deletetext = true
[[asas]]
exe = 'C:\Users\YourName\Documents\YukkuriChoseiKun\YukkuriChoseiKun.exe'
flags = 0
[[rule]]
encoding = 'sjis'
dir = 'C:\Users\YourName\ゆっくり調声くんプロジェクト'
file = '*_霊夢_*.wav'
layer = 1
modifier = '''
filename = os.date("%y%m%d_%H%M%S") .. "_霊夢_" .. tofilename(text, 10) .. ".wav"
'''
CeVIO Creative Studio では保存時にテキストも同時に保存することができます。
CeVIO Creative Studio での事前の設定は特に必要なく、トークトラックに適当にセリフを入力し、Ctrl + W
を押すか、右クリックメニューから WAV書き出し(W)...
を選び、出てきた保存ダイアログの下にある セリフをテキスト出力
にチェックを付けた状態で音声ファイルを保存することで、音声とテキストが同時に保存されます。
かんしくんでの連動起動を使う前に、一度上記の手順で音声とテキストの両方を作成しておいてください。
連動起動すると「名前を付けて保存」ダイアログが自動処理されるため、設定を変更することができなくなります。
かんしくんの基本的な部分についてはこちらを参照ください。
# 注意: このファイルの文字コードは必ず UTF-8 にしてください
padding = 200
filemove = 'move'
deletetext = true
[[asas]]
exe = 'C:\Program Files\CeVIO\CeVIO Creative Studio (64bit)\CeVIO Creative Studio.exe'
[[rule]]
encoding = 'sjis'
file = '*_さとうささら_*.wav'
layer = 1
modifier = '''
text = re.gsub(text, "|?([^|《》]*)《.*?》", "${1}") -- ルビを除去
filename = os.date("%y%m%d_%H%M%S") .. "_ささら_" .. tofilename(text, 10) .. ".wav"
'''