医師で推理小説作家の肩書きを持つ人物と言えば、久坂部羊や海堂尊などがいますが、現在注目の作家である知念実希人もそのひとりです。内科医として勤務する傍ら応募したコンクールで新人賞を受賞するという経歴は、賞賛に値しますよね。

そこで今回は知念実希人小説の選び方やおすすめ商品をランキング形式でご紹介します。購入を迷われてる方はぜひ参考にしてみてください。この記事の最後に各年度の受賞作品も紹介しています。ぜひ、こちらも確認してください。

2012年のデビューから7年の間に20冊以上の本を出版している知念実希人。その作風は作品によってかなり異なります。そこでそんな知念実希人の作品の中から、自分に合ったものを選ぶポイントをご紹介します。

現役医師ということから医療知識には高いものがあり、病院が抱える問題、医師や患者の心情が非常にリアルに描かれ、読者が感情移入しやすい作品が多いのが特徴です。ここでは、作品をジャンルで選ぶという選び方について説明します。

サスペンス小説は人間関係に焦点を当てて作られた作品が多いです。例えば、「病状の進行や心情にシリアスさもあるが、ある少女との出会いがそれらを変えていく」とか、「親友との生気を取り戻して情熱の限りを費やしていく」という展開があります。

ドキドキやハラハラするだけでなく、切なくも心に響くのが知念実希人のサスペンス小説の特徴と言えるでしょう。ぜひ、1度手に取って読んでみてください。

知念実希人のファンタジー作品は一般的なファンタジー作品とは異なり、私たちを不思議な感覚にいざないます。私たちの心を癒してくれる作品構成となっているのです。夢幻の世界というミステリーと、ファンタジーが織り交ぜられた新感覚の体験を味わうことができます。

代表作として、「ムゲンのi」や「リアルフェイス」などの作品が挙げられます。ぜひ読んでみることをおすすめします。

知念実希人の青春小説は、私たちの感情に揺さぶりをかけてくるような作品が多いです。表題からは物騒で重い話のように思われる作品がとても多いように思えますが、決してそんなことはありません。

代表の青春小説として、「レゾンデートル」や「屋上のテロリスト」などが挙げられます。高校生くらいの若い年齢の方から、社会人以上の方にまでおすすめな作品、それが知念実希人の青春小説です。

知念実希人の恋愛小説は恋愛要素のみならず、過去への苦悩やミステリー要素ありと、さまざまな要素が散りばめられています。これによって、読者を飽きさせることなく、次の展開に期待がどんどん膨らんでいくということが可能となっているのです。

知念実希人の恋愛小説の代表としては、「崩れる脳を抱きしめて」などが挙げられます。本屋やネットショッピングでも売られており、おすすめです。

知念実希人のヒューマンドラマは単に内容が興味深いというわけではなく、私たちに問いを投げかけてきたり、私たちに考えさせるような工夫が施されていることが大きな特徴です。私たちの人生と大いに関連している場合もあるのです。

生々しい権力闘争や面倒くさい人間関係など、読んでいて共感できるものが多数あり、とてもおすすめできます。代表作として「ひとつむぎの手」などが挙げられます。

知念実希人の小説を選ぶ際、その作品の長さも重要なポイントになってきます。ここからは、知念実希人の小説を長さによって選ぶという選び方について説明していきます。ぜひ参考にしてください。

どんなに知念実希人の作品を読みたくても、学生の方や会社員の方の中には「時間が足りない」という方がいらっしゃるのではないでしょうか。そのような方は、短編小説がおすすめです。時間がない中でも、しっかり読むことができるでしょう。

短編小説であるからと言って内容が薄いということは全くあり得ません。ページが少ないからこそ、その分内容が濃くなっているということが言えます。時間のない方におすすめです。

知念実希人の作品が読みたいという方の中で、たっぷりと時間があるという方は長編小説がおすすめです。長編小説の場合、ストーリー展開がより複雑になったり、意外な結末になったりするという場合が多いです。

また、短編小説よりも長編小説のほうが知念実希人の世界観をより深く感じ取ることができるため、とてもおすすめです。時間のある方は、是非試しに読んでみてください

ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞してデビューした知念実希人は、近年連続して本屋大賞にもノミネートされ、順位を上げてきています。

知念実希人のデビュー作ともなったこの「レゾンデートル」は、2011年「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」の受賞作です。2012年に初出版された時は「誰がための刃　レゾンデートル」というタイトルで発表されました。

タイトルのレゾンデートルとはフランス語で、自分が生きるための理由、存在価値を意味する言葉です。誰のための、なんのための存在価値であり、生きる理由なのかという問いに対する答えと、小説の謎解きがリンクするスリリングな展開のストーリーとなっています。

まだ知念実希人の作品を詠んだことがない、という人にはぜひおすすめの一冊です。

2017年に発表された「崩れる脳を抱きしめて」は、作家デビュー5周年記念作品ともなった意欲作です。毎回どんでん返しのストーリー展開で読者を引き込む知念実希人ですが、この作品でも良い意味で読者を裏切る展開が続き、夢中で読みふけってしまう人が絶えません。

この作品では研修医として働く主人公が神奈川の病院で出会った脳腫瘍の女性患者が亡くなったという知らせを受け取ることから、一気に謎に継ぐ謎が浮かび上がってくる仕掛けとなっています。

担当編集者からの提案を受け、作者としても初めての恋愛小説に挑んだこの作品は謎解きはもちろん、ミステリーとしても読み応え充分の作品です。

知念実希人の作品には、シリーズ化された作品も多くあります。コミカライズされたものや実写ドラマ化されたものもあり、知念実希人のファンになるきっかけともなっています。

知念実希人の代表作の1つとも言える「天久鷹央」シリーズ。これまでに全9作が発表され、2019年8月には最新作となる10作目の「魔弾の射手」が出版されました。

鷹央と小鳥遊の2人を中心に、統括診断部に持ち込まれた数々の謎を解き明かしていくミステリー。診断医として、また博覧強記の頭脳の持ち主として鷹央がその能力を発揮するストーリーは、医学の知識がない人にも納得のいく痛快さを兼ね備えています。

このシリーズは、各作品は関連するものの続編ではなく独立した作品となっているので、読む順番は問題ありません。

人間と会話はできない、けれど側に寄り添ってくれる存在でもあるペットの猫や犬。そんな猫や犬が実は死神だったとしたら、というストーリーが展開される「死神」シリーズ。第一作は犬が死神の「優しい死神の飼い方」、二作目は「黒猫の小夜曲」の黒猫です。

どちらも死を巡るストーリー展開ながら二匹の死神たちの愛くるしさや、取り巻く周囲の人たちの優しさで、詠み終わる頃には心温まる気持ちになっていること請け合いとなっています。

勤めていた大病院での当直の際に医療事故をおこして追われてしまい、かつての恩師の紹介でワケ有りな関係者が集う神酒クリニックへと転職した若手医師の九十九勝己が主人公の小説で現在まで2作が単行本化済み。

それぞれ天才的な技量を持ちながら、大病院や大学病院といったいわゆる白い巨塔ではうまく立ち回れない個性的な面々の中で、戸惑いながらも次々に持ち込まれてる医学的に、あるいは謎解きとしての難題に立ち向かうストーリーに引き込まれていきます。

登場人物の1人である天久翼は、知念実希人の「天久鷹央」シリーズの主人公・天久鷹央の兄という設定になっているので天久鷹央ファンにもぜひ一読してもらいたい作品です。

シリーズ化された知念実希人の作品のうち「天久鷹央」と「神酒クリニック」はそれぞれコミック化、映像化されています。両作とも原作と見比べてみるのも面白い作品です。

知念実希人の大人気小説シリーズ「天久鷹央の推理カルテ」のコミック化作品は、新潮社のコミック・バンチで連載され、現在4巻まで発売されています。作品のキャラクター造形は、文庫の表紙デザインを手がけているいとうのいぢ。

収録されているのは小説版の第一作目「天久鷹央の推理カルテ」に収録されているストーリーと、第二作目の「天久鷹央の推理カルテ ファントムの病室」のストーリー。小説で読むのとはまた違った楽しみがあると原作ファンにも人気の作品です。

「神酒クリニックで乾杯を」と続編である「神酒クリニックで乾杯を 淡雪の記憶」を原作としてBSテレ東で放映されたドラマ「神酒クリニックで乾杯を」。主人公の九十九勝己に三浦貴大、院長の神酒章一郎に安藤政信というキャストでも話題になりました。

また一話完結の連続ドラマとして放映されたため、小林幸子や高須クリニック院長の高須克弥、安達祐実といった毎回ごとの豪華なゲスト出演者も話題になりました。

原作の世界観をそのままに実写化した作品となっているので、原作のファンは元より小説をまだ読んでいない人にもおすすめです。

これまでに計5回本屋大賞にノミネートされている知念実希人。残念ながらまだ大賞受賞とはなっていませんが、今後に期待大です。そこでこれまでに知念実希人がノミネートされた回の大賞受賞作をご紹介します。

2021年における、知念実希人の作品の本屋大賞ノミネートはありませんでした。そのような中で、1位にノミネートされたのが、町田そのこの「52ヘルツのクジラたち」という作品です。

自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるていきます。涙すること間違いなしの感動ストーリーです。

知念実希人が「ムゲンのi」で8位となった2020年度の本屋大賞受賞作は、凪良ゆうの「流浪の月」という作品です。この作品は、新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説と言っても過言ではありません。

流浪の月が気に入った方は、同じ著者の「わたしの美しい庭」などの他の作品も読みたくなるでしょう。ぜひ、ほかの本も読んで凪良ゆうさんの世界観をたっぷり味わってみましょう。

知念実希人が「ひとつむぎの手」で8位となった2019年度の本屋大賞受賞作は、瀬尾まいこの「そして、バトンは渡された」でした。中学校の教員だった経験を生かした作品もある瀬尾まいこの作風は、同じく医師としての見識に基づいた作品の多い知念実希人にも重なります。

実父母や継母、義父と様々な大人たちに囲まれて育ったヒロインですが、その人生に関わった大人たちそれぞれが彼女に対して抱いた気持ちに、心打たれるハートウォーミングなストーリー。家族とは何かを改めて考えさせられる小説です。

知念実希人が「崩れる脳を抱きしめて」で8位に入った2018年の受賞作は、辻村深月の「かがみの孤城」です。主人公は学校でいじめに遭い、居場所をなくしている中学生の安西こころ。ある日鏡の中の城に入り込み、自分と同じようにワケ有りの中学生6人に出会います。

そこで出会った不思議なオオカミ様の取り決めたルールに従って行動する7人。謎解きと伏線が絡み合う中、終幕でその全てが見事に収束していく様は圧巻。知念実希人作品と同様のどんでん返しを楽しみたい人にはおすすめの作品です。

「あなたのための誘拐」で2017年度本屋大賞で205位になった知念実希人。この年の大賞受賞作は、恩田陸の「蜜蜂と遠雷」でした。直木賞とW受賞となったこの作品は、ピアノコンクールを目指して競い合う4人のピアニスト達を巡る青春群像となっています。

2019年秋には映画作品として公開も予定されている「蜜蜂と遠雷」。知念実希人作品とはまた違った魅力のある作品ですので、ぜひチェックしてみて下さい。

2016年は「仮面病棟」で本屋大賞にノミネートされた知念実希人。同年の大賞受賞作品は宮下奈都の「羊と鋼の森」でした。ピアノ調律師の青年と彼を巡る人々との関わりと成長を描いたこの作品は、2018年にコミック化と映画化されています。

知念実希人が「優しい死神の飼い方」で初めて本屋大賞にノミネートされた2014年の大賞受賞作品は和田竜の「村上海軍の娘」でした。史実にインスパイアされて書かれた長編時代小説であるこの作品は前年の2013年には吉川英治文学新人賞も受賞しています。

ここまで知念実希人の代表作を中心におすすめの人気作品をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。医療ミステリーとしての謎解きだけでなく、登場人物それぞれの心の綾が丹念に描かれた作品はどれも読み応え充分。ぜひ気になった作品を読んでみて下さいね。