工具はともだち<127>キャビネット選びで大切なのは耐久性 重量の大きさが見極めのポイント
2018年がスタートし、今年最初の「工具はともだち」です。皆様、本年もどうぞよろしくお願い致します。みなさんは初詣には行かれましたか? よくばりな私はご利益に応じて3つの神社を回ってきました。神社の中にも様々な神様が祀られているので、最終的にいくつお参りしたかもわからなくなる始末でしたが、参拝する際、お賽銭箱にお賽銭を入れながら年明けは「箱の話の続きを書かなきゃ」と妙なところで現実に引き戻された次第です。さて、その箱のお話しですが、箱には大きく分けて、「キャビネットタイプ」「ワゴンタイプ」「チェストタイプ」「両開きタイプ」「片開きタイプ」の5つがあるとお話ししました。今回はそのタイプの違いや選ぶ時のポイントをご紹介したいと思います。
まず、キャビネットにはキャスターがあるものとないものがあり、あとは引出しの数や本体の大きさによりその種類が分かれます。この中でどれを選ぶかは前回お話しした通り、入れる物の種類と量を確認し、入れる物の中で一番長い物や大きな物を基準に選ぶことが大切です。引出しの段数が多いと細かい物を入れるのに便利ですが、引出しの高さに制約が出てくるので、入れたい物が入らないという事態になりかねません。
だいたいの大きさが決まれば次はスペックを確認しましょう。キャビネットで一番大切なのは耐久性です。重量物を長期間に渡って保管するので、それに耐えられるかという事は結構重要です。耐久性がないと、使っていくうちに歪みが起きて引出しの出し入れがしにくくなったり、動かしにくくなったりしてしまいます。
ただ、キャビネットって、ぱっと見た感じはあんまり違いがわかりませんよね。そんな時におすすめなのが「製品重量」を確認することです。キャビネットの耐久性は単純に鉄板の厚さや構造に依存するところが大きいので、結果として、大きさや引出しの段数が同じ場合は重量が大きい方が頑丈な場合が多くなります。
また、引出しなどの耐荷重は、同じメーカーの製品だと比較しやすいのですが、違うメーカーの製品の場合、安全率をどの程度みているかがメーカーによって異なるため、単純比較し難いことが多く、注意が必要です。このように耐久性について、カタログやウェブ上のスペックで比較する場合は、重量が大きなポイントになる訳です。
また、構造の良し悪しを見極めるのは、どうしても現物を見なくてはいけません。少し難易度は上がりますが、鉄板の端々をよく見てみましょう。特に内側部分を見て、あっさりと切れっぱなしになっている物は注意が必要です。耐久性の高い製品は端々が、丁寧に折り返されていたり、内側に巻き込むように折られていたりします。こうした製品は剛性が高いだけでなく、鉄板の端が直接手に触れにくくなっているので、けがの防止にもつながります。
このように、見た目ではなかなかわかり難い所にこそ、その製品を見極めるポイントがありますし、一度買うと簡単に買い替えられない物ですから、キャビネットを購入する場合は可能な限り現物を見ることをおすすめします。
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(産経デジタル)
KTC(京都機械工具)入社後、同社の最高級ツール「nepros」(ネプロス)の立ち上げに携わった後、販売から企画、商品開発とさまざまな立場で同商品と歩みを共にしてきた。スポーツ自転車は初心者だが、工具についてはプロフェッショナル。これまでの経験を生かして、色々な角度からサイクリストに役立つ工具の情報を提供する。