最高裁で死刑確定へ 連続青酸殺人 筧千佐子被告06月30日 00:25
夫や交際相手に青酸化合物を飲ませて殺害した罪などに問われた筧千佐子被告について、最高裁判所は上告を退け、これにより死刑判決が確定することになります。
29日、最高裁判所は弁護側の上告を退け、筧千佐子被告(74)の死刑判決が確定することになりました。
【逮捕前の筧千佐子被告(2014年)】
「2人暮らしで亡くなった場合、まず一番最初に疑われるのは連れ合いですよ。それ分かっててあえて私が殺すってくらい、私ぼけてませんからね」
筧千佐子被告(74)は2007年から2013年にかけて夫や交際相手の男性4人に青酸化合物を飲ませて3人を殺害したなどとして、一審と二審で死刑判決を受けました。
弁護側は「認知症のため責任能力がない」として一貫して無罪を主張していて、今月8日に開かれた最高裁の弁論でも「認知症が進行していて訴訟能力がない」と裁判の停止を求めていました。
関西テレビは2020年12月、千佐子被告と大阪拘置所で6回接見し、最高裁の判決を待つ心境を取材していました。
【接見時の様子】
――Q:初めまして。関西テレビの藤代と諸岡です。
【千佐子被告】
「嬉しいです。若い人に会えるのは久しぶりで。私、男の人だいすき」
――Q:今はどんな心境ですか
【千佐子被告】
「法律の流れに沿って進んでいくものだから、全て弁護士に任せてます。明日死刑と言われたとしても「ハイハイ」という感じ」
一方で、罪に問われた事件の被害者4人について尋ねると…
【千佐子被告】
「今は手元にメモもないから、何人殺したかなんか分からないですよ。覚えてないしね」
取材では、千佐子被告の周辺で、罪に問われた事件の被害者4人を含む10人の男性が短期間で死亡したことが確認されています。後日、10人の名前と写真を見せながら、誰を殺害したのか質問すると…
【千佐子被告】
「私ね、男の人のことって全然覚えてないんですよ。恋をしてるなら別でちゃんと覚えてるんやけどね」
――Q:自分がやったことへの後悔はないんですか?
【千佐子被告】
「ないと言ったらウソになる。人間やからね。結局ケースバイケース。全員が全員、私が殺したわけではないんです。それは私、声を大にして言いたい」
10人全員を殺害したわけではないと主張しつつも、誰を手にかけたのかは明かしませんでした。
そして29日。最高裁の宮崎裕子裁判長は「弁護側の主張には理由がない」として上告を退けました。
そのうえで、「結婚相談所を利用して次々と高齢の被害者と知り合い、信頼に乗じて毒物を飲ませるという犯行は巧妙で冷酷だ」としています。
これにより千佐子被告の死刑が確定することになります。