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「死刑は覚悟している」判決前の面会で語った筧被告 最高裁は上告を棄却…死刑確定へ

更新:2021/06/29 18:23

 夫や交際相手などの男性に青酸化合物を飲ませ殺害した罪などに問われ、1審と2審で死刑判決を言い渡された筧千佐子被告(74)の上告審判決で、最高裁は6月29日に被告側の上告を棄却しました。これで、死刑判決が確定することになります。

 筧被告は2007年~2013年にかけて、青酸化合物を飲ませて夫や結婚相談所で知り合った交際相手の計3人を殺害した罪と、知人1人への強盗殺人未遂の罪に問われていました。

 逮捕前の2014年、取材陣に囲まれた筧被告は次のように話していました。

 (筧千佐子被告 2014年)
 「殺人事件なんて言われるなんて、それをするなら舌かみきって死んだほうが楽ですわ」

 当初容疑を否認したものの、その後の裁判では1審・2審ともに死刑判決を言い渡されました。

 今年6月28日、大阪拘置所で筧被告はMBSの取材に応じました。まず、記者から筧被告に対して、事件のことを尋ねました。

 (筧被告)「2人殺したことは覚えている。私はお付き合いした人が何人もいるけど全て殺したわけではない」
  (記者)「お金のために殺したんですか?」
 (筧被告)「違います。恨みがあったから。私は別に苦労してなかったから、お金のために人は殺さない」

 最高裁で6月8日に行われた弁論で弁護側は、拘置所に収容されている筧被告が『自分はマンションに住んでいて毎日仕事に行っている』などと話しているとして、『被告の認知症が進行し、訴訟能力がない』などとして無罪を主張しました。

 この主張について、記者が筧被告に聞いてみると…。

  (記者)「弁護士が認知症で裁判が進められないと言っているが?」
 (筧被告)「なんでそんなこと言っているのかと思う。逆にこっちが聞きたい」
  (記者)「弁護士は筧被告が『毎日仕事に行っていると話す』と主張していますが?」
 (筧被告)「私ボケてないからね。何を言われようとちゃんと理解してるから。ボケてたら幸せやわ」

 15分の面会時間で筧被告は10回以上「私はボケていない」と話していました。

 また、判決への覚悟について、記者に対して面会で次のように述べました。

 (筧被告)「死刑のことは覚悟している。ここ(拘置所)は何もすることがない所で辛い。死刑や事件のこととかいらんことを思い出すから」
  (記者)「死刑になる恐怖は?」
 (筧被告)「当たり前やん。死ぬのが怖くない人がいたら、それは頭おかしい人よ。私はボケてないから」

 そして6月29日、最高裁は『高齢であることなどを考慮しても3人の命を奪い1人に重篤なけがをさせた結果は重大だ』として、筧被告側の上告を棄却しました。これで、死刑判決が確定することになります。 


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