夫や高齢の男性を殺害したとして、一審・二審で死刑判決を受けた筧(かけひ)千佐子被告(74)に対し、最高裁は29日、上告を棄却した。これにより死刑が確定する。
「婚活という言葉は気に入らんのやけど」「それなりにちゃんとした人に頼って生きていける生活を望みたいよね」ーー夫や交際相手の男性4人に青酸化合物を飲ませたとして殺人などの罪に問われていた筧被告は逮捕前、身の潔白を主張し続けていた。
青酸化合物の入手についても「(入ら)ないですよね。あなたも知っているでしょ。あれってどんな風にして手に入るんですか、逆に(知りたい)」とも。
2017年6月に始まった裁判で、一審、二審ともに死刑判決が言い渡され、筧被告側が上告していた。最高裁の判決を前に読売テレビの接見に応じた筧被告。「今日、死刑判決が確定するかもしれないが…」との問いに、「私だって死にたくないよ」「それぞれ理由があったから殺している。4人それぞれ理由があった」などと語っていた。
最高裁は「重大な事実誤認はない」などとして、筧被告側の上告を退けた上で「高齢であることなど被告人のために酌むべき事情を十分に考慮しても死刑はやむを得ない」とした。